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アマデウス~レクイエム

Amadeus.jpg

Amadeus
1984年
アメリカ

ミロス・フォアマン監督
ピーター・シェーファー原作・脚本

F・マーリー・エイブラハム、、、サリエリ
トム・ハルス、、、モーツァルト


モーツァルトがやはりジョン・ライドン(セックス・ピストルズ)にソックリでニンマリしてしまった。
(封切られたときもそう思ったものだが、、、)。
宮廷や貴族、教会お抱えではない音楽家の走りであったか?
まさにパンクミュージシャンではないか。
こんな人だったらさぞ魅力的だったろうが。
この映画を見ると、とてもリアルに思える。

生涯、人間としては最大の敵であるサリエリが最大の音楽の理解者であった。
その皮肉が壮大なドラマとなる。
最後の臨終間際のモーツァルトの指示通りに「レクイエム」をサリエリが記譜する場面はまさに白熱の現場であった。
モーツァルトは最後までサリエリを誤解したまま終わるが、サリエリは更にモーツァルトの偉大さを心底認識する共同作業となったはずだ。
こんな場所、創作において最もよい勉強のパタンであることは間違いない。
彼の弟子は、こんなふうに学んでいたのだろう。
羨ましい光景だ。
しかし、途上でモーツァルトは死んでしまう。(共同墓穴に投げ込まれておしまいという素っ気無さ)。
ここではサリエリが指示の全てを受けて「レクイエム」を仕上げたことになろうか?

実際は彼の弟子のフランツ・クサーヴァー・ジュースマイヤーにより補筆完成されて日の目を見るのだが、モーツァルトの指示がどれだけ徹底されていたのかが、議論を呼び様々な「補作」が出来ていることも事実だ。
世界中の音楽研究者によるいくつもの補作の試みがなされている。

なお、完全に作品も人物も忘れ去られたサリエリだが21世紀になって、再評価がなされオペラ上演が定期的にされ始めている。
オペラ歌手によるCDも出された。
人気の原因はこの映画「アマデウス」のようだ(笑。
非常に悪辣で凡庸な人間に描かれているが、再評価に耐えられる音楽家であればまさに復権である。
元々宮廷楽長の高い地位にいた人物だ。

モーツァルトは義理の母も謂うように、大人になれなかった少年そのもので、邪心はないが音楽のことしか頭にない生活力皆無の男である。
サリエリに才能を疎まれず、あの奥さんのようなマネージャーがいたら極貧生活に埋もれることはなかったかもしれないが、、、
あんなに酒に溺れ遊びまくり不摂生していれば、病気にもなろう。
この物語で、サリエリが無理やり「レクイエム」を書かせなかったなら、この大傑作が世に出たかどうか分からない。
だとしたら、サリエリの果たした役割は大きい。
更に、モーツァルトの天才を誰よりも深く理解していた彼の才能は過小評価すべきでない。
(周りの取り巻き連中から見ればその能力は歴然としている)。
しかし、そのための嫉妬も凄まじかった。
それら全て含め、再評価へとも繋がったか?
映画の力は大きい。

実際は、とある田舎の領主がこれを依頼したことが分かっている。
自身アマチュア音楽家で、当時の若く才能ある作曲家に匿名で作曲させ、それを写譜して自分名義で曲を発表するというサリエリに輪をかけた悲哀のこもったことをやっていたらしい。
モーツァルトの奥さんとも、もめたという少し有名な話はある。

もとより「レクイエム」は、一番大好きで(ついでにベルディ、フォーレのものも好きだが)、この映画を見て改めて「フィガロの結婚」、「ドンジョバンニ」もオペラとして観てみたくなった。残念ながらわたしはCDでしか聴いたことがないのだ。
「フィガロの結婚」は、ウィーンではそれほどではなかったが、プラハでは大ヒットし、道行く人が口ずさんでいたらしい。
それで極貧というのもいただけない。何とかならなかったのか?
「ドンジョバンニ」には、わたしはかなり悲劇的な要素を強く感じたが、言わずと知れた代表作のひとつである。
(どれも代表作になり得ようが、、、)
ちなみにわたしが「レクイエム」の次に大好きなものは、「ピアノ協奏曲20番」である。
どうしても好きで、コンサートに何度も聴きに行ったものだ。(懐かしい。勿論この他の彼の曲も、、、23番とか)。

全体的に見ると、短調の曲が美しくカッコ良い(笑。
「レクイエム」はなかでも圧倒的である。
またこれから聴いてしまいそうだ。

映画で殊の他、印象に残ったのは、モーツァルトが指揮をする姿である。
そこに彼がよく表れている。
もし時代が時代であれば、彼は飛び切り才能豊かなロック・ミュージシャンとなっていたかも知れない。
常に新たな創造に向かう、茶目っ気とあの笑い方。それがタクトを振る様子に凝縮されているような、、、。
その破天荒な生活ぶりも含め、そう思った。
監督の演出にその意図見え見えである。

キャストが、ほんとによかった。
モーツァルトとサリエリは自然に本人そのものに思えた。
これを見たら、サリエリに興味を持つ人がたくさん出ても可笑しくない。
モーツァルトのオペラを見たいという人も当然出るはず。

劇中でも程よくPVされていた。
そのような効用をもった映画でもある。
音楽だけではなく、衣装、街並みなどの美術面も素晴らしくリアルであった。


文句なしの感動の大作と言えよう。
(アメリカ映画の最良のものを観た気がする)。


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