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ソウ ”SAW”

saw001.jpg

SAW
2004年
アメリカ

ジェームズ・ワン監督
リー・ワネル脚本

ケイリー・エルウィス、、、ローレンス・ゴードン(外科医)
リー・ワネル、、、アダム(ゴシップ写真家)
ダニー・グローヴァー、、、タップ(刑事)

「のこぎり」であり「見るの過去形」である。
影で糸を引く犯人”ジグソウ”にも掛かっている。

昨日の映画と同様に、余命を宣告された男が神として振舞おうとする話だ。
展開する舞台も拷問的ストイックさから陰鬱で重く狂気を帯びるが、同じ構造である。
犯人のやっていることは大変骨の折れる仕事―仕掛けを作り見届けることだ。
綿密な計算も必要であり、、、それは恐らく彼らにとっては趣味・趣向―妄想の粋なのだろうが。
よくそれだけの情熱と余力があるものだと、まずホトホト感心する。

この映画、「そして誰もいなくなった」の数十人の孫の中のひとつであるとはっきり断言できるものだ。
これはまたギリギリのところで、ヒトの在り方―実存を問う物語ともなっている。
実存は本質に先立つ。
(物凄く懐かしい言葉を思い出してしまった)。


ローレンス・ゴードンは、外科医であり、妻子がおり、不倫もしており、患者や雑役係は普通に見下している、よくいるタイプの人間である。
珍しいところなど何もない。
わたしもこの手の、患者を物としか見ない医者などいくらでも見てきた。
癌に犯されたジグソウが、インターン向け研修対象くらいにしか扱われていないことに復讐心を燃やす心情は充分理解できる。
彼はジグソウによって、あるとき突然殺害ゲームに投げ込まれる。

そして極限状態においてローレンス・ゴードンがどのように振舞うのか、いや行動の選択をするのか、、、
これが大きな見所ともなる。
閉塞空間において、もうひとりの男アダム(これまた象徴的な名前だこと)と移動(空間)の自由を奪われながら、妻子の無事と自らも助かる道を必死に探るローレンス。
しかし、このふたりの関係性に対称性はない。
ローレンスは私生活の秘密や人格が次第に顕にされ、ペルソナが解体されてゆくのだが(昨日の映画でも告白をしあった)、アダムは、最後まで肝心なことは何も話さず結局何も暴かれない。
それは、直接殺人に手を下す病院の雑役係のゼップやその裏で自らの手は汚さないジグソウらと更に事件を執念で追う刑事タップからも情報提供―盗撮という関係で金を得ていた共犯的存在であり、彼は自覚を持っており明らかに同じゲームにはいない。
(ローレンスにとりアダム殺害が、妻子と自分を助ける条件である。彼が犯人と仲間と知れば、端から命は保証されないはず)。

しかし犯人がどういう意図であろうと、試されるのだ。
この極限的場面場面でその都度実存の再編成を彼らは強いられる。
その展開が、実に痛い!
それは、自分に直面することでもあり、逐一神(悪魔)の目から見られ、文字通り身を切る事でもある(やはり重奏されたSAW)。
しかしそれである意味、ローレンスは救われてゆくのが分かる。
(少なくともわたしの目からは)。
ローレンスは、人間としての尊厳をあらためて獲得してゆくではないか、、、。
それを一部始終”God Only Know”の立場で見ていたのは、神である犯人ジグソウである。
一体、最後まで身近に「見ていた」ことで彼は何を感じたであろうか。
必ずや逆照射されるものがあるはずだ。

麻薬依存の女性もそのゲームからかろうじて生還し、結果的に救われる(麻薬から解かれる)。
彼は、生を大切にしない者は許さない、と騙る。(昨日の判事は単に罪を裁くものであった)。
明らかに常軌は逸しているが、自身の身体性から見えることが、はっきりあったのだ。
そして怒りが抑えられなかった。
それと同時にサイコパスが発動した、と言えるか。
しかしやったことは、単なる悪趣味で悪辣な殺人にほかならない。


昨日の判事と同様の生理を感じる。
(しっかり継承している。立派!)

サイコ(いや、狂信と謂おう)の底知れぬパワーを今日もつくづく味わった。
特に、ローレンスとアダムのあれだけの狂気渦巻くやりとりの「間」で、屍体としてひたすら見ていられるという異常性には文字通り脱帽!である。
あの展開にはさすがに「うっそー」と、、、思った(苦。


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COMMENT

ご無沙汰いたしております。

こんにちは!

先日はメッセージ、ありがとうございました。

忙しさがやっと落ち着いて来たと思ったら反動で体調をひどく崩しまして、ブログにログインする余裕もありませんでした。

遅くなりましたが、SAW-!観て下さって、ありがとうございます!!

私はこの映画を映画館に行って観たのですが、部屋に繋がれた2人の男、そしてその中央にある死体・・・。始まりから、これはとんでもない作品だ、と思いました。

GOMAさんが細かく映画の概要を書いて下さっていますが、まさにその通りで、拷問に、叫び、そして狂気が渦巻く作品であったと思います。

そしてラストに実は中央にいたのは死体ではなく・・・ジグソウだった!!という展開には、完全に持って行かれました(笑)

人気が出た作品らしく、ファイナルまで6作品続編が出ています。また、気持ちが向かれた時がありましたら、是非続きもご覧下さい!

気温が急に下がりました。GOMAさんも体調にはくれぐれもお気をつけて毎日を過ごして下さい。

お体ご自愛ください。


> 気温が急に下がりました。GOMAさんも体調にはくれぐれもお気をつけて毎日を過ごして下さい。

ありがとうございます。
娘がついに、本格的に風邪をひきました。
明日は遠足なのですが、怪しくなってきました。
命懸けで行くものでもありませんし。
楽しみにはしていましたが、現状では休ませようかと、、、。

SAWはストーリー自体がしっかりしていましたね。
演出だけ濃くて、煽りに煽る映画も少なくないですが、これは中身がきっちりできていて見応えを感じました。

また、面白い音楽を聴きに行かせて頂きます。

「空気人形」の記事でコムアイのことも書いておりますので、そこも宜しければご覧ください。
水曜日のカンパネラはファンになりました(笑。
「ジャンヌ・ダルク」よく聴いています。

では、また。ご訪問お待ちしております。


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GOMA28

Author:GOMA28
日々思うことを綴ってゆきます。
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ることもあります。
悪しからず。
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