夜の気配 (1

雨の重力が細く煌く。
柔らかな針となって。
多肉植物に密かに吸い取られてきた。
淡い歴史も定かではない。
散漫な微熱がすべてを曖昧に溶かし込み。
思考はいまだ溺れたまま。
猫も鳴かない。
バイクの爆音も消え失せて。
気配だけが残る。
夜は発光している。
白い漆黒の表面。
とても薄い世界に共振して。
翌朝の湿った紫外線の背後に迫る。
禍々しい遊星の影が。
鈍重な予感のように揺らぐ。
痺れと拡散。
無感覚な雨と風。
思考の一瞬の晴れ間を閉じ込める麻痺。
アルトーの呪文の傘ですべてを遮る。
そのための夢を補給しなければ。
今日は娘と一緒に「火垂るの墓」を見た。
アニメだと思って見たら、実写版であった。
それについて書こうかと思い、パソコンの前に座っていたら、いつの間にか11時40分ではないか、、、。
もはや、窓を打ち眺めるしかなかった(笑。
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