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スターシップ・トゥルーパーズ2

Starship Troopers 2 Hero of the Federation

Starship Troopers 2 Hero of the Federation
2003年
アメリカ
フィル・ティペット監督



暗い映画であった。画面が全体的にかなり暗かった。
低予算で作られたことは、キャストからもよく分かる映画であるが、低予算でも傑作はいくつもある。
監督のビジョンとコンセプト・アイデアしだいで、どのようにもなるはず。
2においては、閉塞空間における、バグの動きに重点がかかった絵作りである。
バグをたたきつぶしたらそこから元気な子バグがたくさん出てきて怯える隊員の口に入り込んで寄生してゆく。
殺した隊員の脳みそからバグが飛び出てきたり、電子レンジでグチャッとはじけたり、、、。
VFXはほとんど体内に取り憑くバグの見せ方に賭けている。
その分、大きなバグに隊員たちが次々に八つ裂きにされてゆくシーンは前回より少なめであった。
勿論、夥しいバグは出ては来るが。

狭い空間内にとどめたことはよいが、スケールダウンしていることは否めない。
限られた場所で見えない(実体を隠した)バグに戦々恐々とする隊員たちの緊張感溢れる姿とスリリングな攻防戦を描ききれば、密度の濃い傑作にはいくらでもなるはず。
前作ほどのインパクトを全く感じないのは何故か、、、。
バグのVFXのこだわりに対し、他はあっさりしていた。と言うより何か抜け落ちている。
バグに乗り移られた隊員がこれまでの意識を引き継ぎ、思考・会話できているのだが、ブレインバグでもあるまいに、あのレベルのバグにそれほど高度な操作ができるのか、、、。

これは、明らかに違和感があり、例えば戦意喪失とか凶暴化するとか廃人になるなどなら分かるが、人格操作となると別次元であろう。意識がバグの中枢部のものになっている。彼らが単なるその受信操作装置だとしても、やはり考えにくい。しかも沢山のバグが入って組織的なネットワークで操っているとしたらこれまた途方もなさ過ぎである。入りすぎては、身体の動き自体がままならぬはずであるし見かけから大きく変態してしまうだろう。
無理があると、話に乗れない。
このへんのオカルティックな成り行きが、薄っぺらさ安易さを呼んでいる。
SFであれば、そのコンテクスト内でのそれなりの説得力ある論理(科学)的な根拠が示されないとストーリーがしらけてしまう。
ホラーとするならば、前作との流れが完全に断ち切れることになる。
これはホラー映画か?
すると、大変薄いホラーであり、あまり怖くない。(ホラー苦手なわたしでさえも)。

しかも乗り移った上官にペラペラと人間的な人間中心主義批判を述べさせる。
これは地球連邦軍が取り締まっている過激派の言説そのものではないか?
(まさか彼らとつるんでいるという分けではあるまい)。
双方とも全く譲らないにせよもはや、エイリアンとの戦いとは思えない。
言語による対話可能な相手にしてしまった事が、オカルト映画の悪魔との戦いさながら矮小化してしまった。
前作が余りに無慈悲な圧倒的他者であり、言語は愚か微塵もコミュニケーションの余地などない相手との戦いであったのに、その不気味極まりない分厚い恐怖そのものが失くなってしまった。

あのブレイン・バグが「怖がっている」と言って、唯一そこに救いを感じて発せられた彼らの歓声は何であったのか!?
その感性の緊張と想像性を絶やさなかった「スターシップ・トゥルーパーズ」からみると、これは、2とは言えまい。


つい忘れそうになったが、これは英雄譚でもあった。
つまり「スターシップ・トゥルーパーズ」からのひとつのエピソードという位置にあるのか。
しかし、正義感のある強い軍人であり、最後は自殺と取れる形で終わるが、彼を軍が英雄として祭り上げ入隊勧誘のCMに利用しようが、特にこれといったインパクトもない。
相変わらず地球連邦軍のお馬鹿さはギャグ的に継承しているが、もはやブラックジョークほどの効果もない。


「スターシップ・トゥルーパーズ」の続編とあらば、もう少し予算をくれというのが監督の本音であったかもしれぬが、それ以前に前作の基本コンセプトをよく観ておくべきだったのではないか?




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