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ジェーン・エア

Charlotte Brontë

Jane Eyre
1944年
アメリカ
ロバート・スティーヴンソン監督

シャーロット・ブロンテ原作 「嵐が丘」のエミリー・ブロンテの姉(言わずと知れた)

オーソン・ウェルズ、、、ロチェスター
ジョーン・フォンテイン、、、ジェーン・エア(ロチェスター家の家庭教師)
ペギー・アン・ガーナー、、、少女期のジェーン
エリザベス・テイラー、、、少女期のジェーンの親友
マーガレット・オブライエン、、、ロチェスターの娘(養女)アデル


ミア・ワシコウスカ主演の2011年製作映画が話題であったが、敢えてこっちを観た。
ちなみにわたしはミア・ワシコウスカのファンではあるが。(今度のアリス、、、も愉しみにしている)。

素晴らしくよくできた恋愛ドラマで、思わず引き込まれた。
ジェーンの日記の形で語り進められるのも、とても分かりやすくて助かった。
キャストがまた圧巻である。

まず子役のペギー・アン・ガーナーである。
見るからに聡明そうな美しい娘であるが、聡明で意志の強い役をしっかりこなし、説得力があった。
その親友の子役が、何とエリザベス・テイラーである。
ゴージャスな布陣ではないか。この子直ぐに結核で亡くなってしまう。
寄宿舎の健康管理の問題で、明らかに過失(人災)である。
マーガレット・オブライエンのロチェスターの娘は無邪気でおてんばで愛らしさが出ていた。
ついでにジェーンを預かっていたリード家の婦人(夫が亡くなれば他人)とその子供の憎たらしさもかなりのものであった。
あのぶくっと太った性格の悪いいじめっ子の元型はここにあった。(多分)。
オーソン・ウェルズは、少なくともわたしがこれまで観てきた彼の映画の中でも、もっとも幅のある迫真の演技に思えた。
勿論、「市民ケーン」「第三の男」での彼も圧倒的であったが。


リード家を厄介払いされて入れられたローウッド寄宿学校は、管理者がリード家と繋がっておりジェーンを最初から色眼鏡で見ていたが、人間を封建的な秩序に埋め込む矯正の対象であり道具としか見ない権威主義者であった。
それに激しく反発しつつも耐えるジェーン。ヴィクトリア朝時代とは、これ程のものであったのか、、、。
確かにこの時期の物語は、これに類似する階級差別や虐めや劣悪な生活環境を記したものがある。(小公子、小公女等々)。

全てをかなぐり捨てて、ソーンフィールド屋敷に家庭教師として赴くところから、ジェーンの真の自立となるか。
今の自立とはレベルの違う、厳しい戦いの末に勝ち取ったものである。
ここで迎えた最初の朝の彼女の台詞にこちらも心底ホッとしたものだ。
「これまでの人生でもっとも素晴らしい朝だわ。」
それまでの人生が余りに過酷過ぎたと言える。

原作では、ジェーン・エアは孤児で美人ではないという設定であったが、それに反して映画の彼女は繊細で凛とした透明感のある美女であった。映画でも容貌が劣るような扱われ方をしていたが、どうにも違和感があった。(内面の美しさ、志の高さの表現というものか)。
芯の強い自立心のある女性であることは変わりない。

彼女は彼に秘められた暖かさを見てとり彼は彼女に周囲の女にない虚飾や傲慢さがないことに好感を抱くようになる。
寝室の火事から彼女に救われてから2人は急速に接近し、愛を育み一度は挙式を挙げるところまで行く。
だが、ロチェスターが重婚であることが訴えられ、破断となり彼女は傷心のまま彼の元を離れる。
彼も当然大きなダメージを受ける。


嵐に塗れて彼女の名を呼ぶロチェスターの声を聴き、彼の身を案じ飛んでゆくジェーンの霊感が凄い。
この映画要所要所にオカルティックなところが有り、ちょっとしたホラーよりずっと怖いものがある。
ロチェスターの若気の至りで結婚してしまった幽閉された狂気の奥さんの存在(実際には姿は映されない)は充分に怖かった。
グレイス・プールという老女がその面倒をみており、彼女も夜中に恐ろしい笑い声をあげたりする。
ロチェスターの寝室と、しまいには屋敷全体に放火したのは、狂気の妻であったようだが。

ロチェスターは視力を失い(原作では片腕も失っていなかったか)、屋敷も焼け野原であったが、愛の前に障害などない。
元々、ジェーンは凡ゆる障害を跳ね除けてきた女性である。
彼女の側からのアプローチにロチェスターは生きる意欲を取り戻す。
ここで真に2人は結ばれ、子供も授かる。
しかも子供の顔を確認出来るほどに彼の視力も戻ってゆくのであった。

映画はこうでなければ、、、とつくづく思うのであった、、、。


やはり名作である。

Jane Eyre

ブロンテ三姉妹が短命であった事は、よく知られており誠に惜しまれるものであるが、ペギー・アン・ガーナーも癌で早く亡くなっていることを知った。
この映画を観ても際立った存在であったことからして、残念である。
それほど多くの映画に出ていたわけでもない。

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