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ゼロ・グラビティ

ZeroGravity.jpg

”Gravity”
2013年
アメリカ
アルフォンソ・キュアロン監督・脚本

サンドラ・ブロック、、、ライアン
ジョージ・クルーニー、、、コワルスキー


まさに”Gravity”であった。

何で「ゼロ・グラビティ」なのか?
”グラビティ”以外の何ものでもなかったではないか、、、。
如何にも映画の題名風にする為に、ゼロでもくっつけたのか、、、。
意味は、正反対になる。

この映画は敬遠していた。
何故なら、消火器の噴射で宇宙空間を移動しているところをyoutubeで見てしまっていたからだ。
(H・G・ウェルズの頃でもやらないはず)。
それ以来観るのを避けてきた。
しかし、先日TV録画されたものを観て、度肝を抜かれた。
やはり目の覚める凄い映画であった。
VFXは圧倒的なレベルだが、特にカメラワークが本当にそこで撮っているかのよう。
最近、映像でこれほどびっくりしたものは、無い!
宇宙空間の描き方でこれ程の説得力を感じることはなかった。
(昔のSFでは、宇宙空間が地球の夜空と見分けのつかないものが結構ある)。


昨日のサンドラ・ブロックが、「スピード」から随分、大人になったものだ。
当たり前であるが。
果たして「スピード」に死と生が何程描かれていただろうか。
この映画における、死と生に比べるとホントに薄っぺらく感じてしまう。
サンドラ・ブロックの存在自体も重くなっている。
その死と生とのコントラストにおいて、かの大傑作「エイリアン」のシガニー・ウィーバーに重なる部分を多く感じる。
あそこまでの物質的恍惚感は無いが。
それにしてもこれだけの映画を、ほぼ一人芝居で演じることが出来るなんて役者冥利に尽きよう。
人間をしっかり演じている。
これほど極限状況を加速度的に生きる映画は無い。(それはまたSFであるからこそ可能となる)。


物語は漆黒の宇宙空間に出て、ハッブル宇宙望遠鏡の修理をしているところから始まる。
そのまま、予定通り作業が進めば、地球に戻るそんなタイミングに、、、。
なんでもロシアが自国の軍事衛星を爆破したことで、その連鎖破壊の影響が彼らの作業空間にまで及んだという。
(火星と木星の間の小惑星帯であっても、実際はスカスカの空間。軌道上一致しなければ、かなり大規模であっても宇宙塵の災害はないとは思うが)。
その破片直撃被害は甚大で、ライアン以外の関係者は皆、巻き込まれて命を落とすことになる。
勿論、前半のコワルスキーの的確で冷静な判断と包容力に彼女は充分助けられた。
必死にISSまでたどり着くが、ここでライアン一人となってしまう。
(ハッブル宇宙望遠鏡からISSはこんなにも近かったのか、、、意外であった)。

そこから文字通りサンドラ・ブロックの迫真の演技である。
しかし、描かれてゆく宇宙環境はリアルで不気味なほどの迫力であるが、物理面における技術・理論的な部分の描写は少ない。
マニュアル読みながらの素人操縦は、何やら昨日のバスの運転を思い出した。
(そう言えば、コワルスキーがライアンに、「君からすれば僕なんてバスの運転手さ」等と言う意味深な台詞があった、、、)。
そこが理論・技術面の考証・追求をしている「インターステラー」「オデッセイ」との違いだ。
だが、この”Gravity”それらの映画に並ぶ大傑作であることは間違いない。
映像が素晴らしい。
そして人間が描かれている。
優れたSF環境において始めてそれが深く描かれ得ることは、これまで何度も観てきた。
さらにSF映画が科学的考証を超えた芸術である事を、思い起こさせる。

ライアンがソユーズの燃料切れで帰還を諦め、疲れて入眠状態にいる時に、外から忽然とコワルスキーが入ってきて、着陸用の噴射を推進に使えば良いというアイデアを授けに来る場面には、文句なしに感動した
柳田 國男の民俗学の資料に出てくるような話である。
この映画が何処に力点を置いているのか判る。
これが彼女の無意識であろうが、霊的な共鳴であろうが、人間が何であるかが描かれている。
ただ素直に生きようとする力そのものである。

Gravity=生きる場所
地球に帰らなければならない。
彼女はそれに気づく。
娘を亡くし、自分が男の名前を付けられたトラウマから、この幻視体験を通して浄化・解放される。
浮遊する魂がはっきりと、自分の居場所に戻ってゆく。
迷いは一つもなく、中国の船も勢いで操縦してしまう。
死に直面した(死を深く纏った)「生きる力」が鮮やかに際立っていた。


サンドラ・ブロックは、彼女の内的変化を十分に表現した。
そして地球に降り立ち、波打ち際に横たわったときのキラキラした喜びに、こちらも共鳴するばかり、、、。

宇宙服越しとは言え、ジョージ・クルーニーはこれまでに見たのなかでも一番カッコ良かった。


ZeroGravity001.jpg


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