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レンタネコ

rent a neko

ネコ好きのわたしとしては、この題名で触手の動かないことはなく、ブロともさんからのお勧めもあり観てみた。

2012年
荻上直子監督

市川実日子、、、さよこ(レンタネコ屋さん)

市川実日子は、「マザーウォーター」で豆腐屋さんをやっていた。
良い感じのサバサバした役が似合う。「めがね」というのが有名らしいが、、、。

”rent a neko”
アイデアとしては、アリだと思う。
猫ばかりが寄ってくる人というのは、大変良くわかる。
わたしもかつて猫に濃い縁があったため、それは実感する。
猫愛に溢れた人に、ピアニスト、フジ子ヘミングがいる。
彼女の部屋には、ちょうどこの家と同じくらいの猫が住んでおり、それぞれが人見知りしたり、走り回ったり、ドスンと構えていたり、好きなことをしていた。生き物特有の迫力があり、とてもビビットな印象を得た。

さよこの家にも猫はいついているが、動きがいまひとつ演出上類型化しているきらいはあった。
彼女も猫を愛しており、たくさんいついてしまったため、それを人のために生かしたいという思いからか、猫を貸す事を思いついたのだろう。何より猫の癒しは絶大である。これは、フジ子女史も強調している。
猫を手放すのは、忍びないため、貸す事にしたのか、、、。
取り敢えず、このことについては共感できる。

マイク越しに「さびしい人にネコ貸します」と、リアカーに猫を卵みたいに乗せて引いて回る。
結構吹っ切れた感じの淡々とした女性であり、特に不安も不満もない人に見える。
借りたいという人が来れば審査する。
審査の時に記入する用紙がまた脱力していて良い。
(みんなこれでいいの?というきょとんとした表情なのも微笑ましい)。
環境と借り手が良いヒトと分かれば、彼女の審査が通る。
「前金で1000円頂きます。」「それで大丈夫なの?」
子供のおままごとの延長か、ホントにお気楽な趣味なのか誰もが疑うレベルに思える。
うちの娘たちもよくカードを作って、わたしに書き込ませたりするのだが、項目も似ている。

しかし、大人の女性がやっていることなので、ほのぼのしますねえ、で終わってしまうのも、、、。
彼女の言うように、ホントに彼女はこの他に、株で儲けているのか。
当たる占い師をやっているのか。
CM音楽を作っているのか。
どれも猫と一緒に、、、「師匠」だったか、、、。

どうにも現実味に欠け、嘘(良く言って出任せ)に想える。
さよこが「レンタネコ」以上のめんどくさい事を日夜やってるようには見えない。
彼女は一体どうやって生活しているのか?(ただ経済面だけでなく)。
猫でもあるまいし。


中学時代から、授業をサボって保健室で寝ていたという彼女。
(ここで子供の頃から株で儲けていた、という実態は霞む)。
その時期特有の白日夢的感覚はわたしにも分かるが、基本的にそのまま大人になってしまったようである。
(良く言えば、猫のように育ったというべきか)。
しかも貼り紙をして、はやく結婚するみたいな目標も書いている。
しかしその目標の達成を図って何やらやっているようには窺えない。

「さびしい人にネコ貸します」がどのくらいのこころもち(目的)なのか、、、。
確かにさびしい人の救済には成りうると思う。
同時に彼女が猫を介して誰かと繋がりたいという切実な(しかし漠然とした)思いからなのか。
(彼女というネコを受け容れてくれる相手を探すための)。
そのスタンスは実際かなり中途半端に想える。(いや、猫的なのかも知れない)。
借りる人が皆口にする、そんな値段で生活が大丈夫なんですか、という生活の実態。
それは、経済的な面にとどまらない、彼女のパーソナリティに及ぶ危惧でもある。
「結婚する」というのが、どこまで目標なのか、、、。ネコに結婚は不向きのような、、、。
目標や目的、、、。これがこのさよこには、もっとも馴染まない現状と想える。
どうも彼女自身が猫に見えてくるではないか。
しかも猫もそれぞれ、どんな猫なのか。(猫の個性はひどく異なる。これはわたしがよく知っている)。
そして猫を借りた側の人間がどのように変容したか、ひとつもその場面がない。

最後に出てくる中学時代の幼馴染であるが、これも実に幻のような存在である。
嘘ばかりついて、窃盗を重ねているという。
さよことしては、急に身内が出てきたような気不味さか。
この物語に少し影を落とす、重みを加える人物かと思いきや、、、。
彼はヒョイと彼女の前に現れたかと思うと猫も借りず、夏のビールの旨さを教えて消えてしまう。
後に現れたのが、彼を追っている警官というのが笑える。
(だがこれは、そのエピソードのブラックユーモアではなく、この物語全体にかかっているように想える)。

どうも、噺に引っ掛かりが持てぬまま終わってしまった。
登場人物+ネコの描写の弱さが大きい。
幻を見た気分である(笑。
しかし、淡い幻のような夢にも想え、思い切り脱力できた。

ただ、ネコはこころの穴ボコを埋めることは、できる。
この一点に置いて、さよこの言っていることは、はっきりと正しい。
勿論、「レンタネコ」もサービスとして成立するものだと思う。


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COMMENT

レンタネコ

こんにちは!

観て下さって、ありがとうございます!!

『淡い幻のような夢にも想え、思い切り脱力できた。』

私もそうでした(笑)

株や占い師や音楽をつくって生活している、というのが本当なのか、嘘なのか。実際それをやっている場面は出ていますが(猫におまかせしているようですが)、現実味はありませんよね。

ただ、一人の人間の生き方として、こういう人もいるのではないか、ありではないだろうか、と考える事は出来ました。

私も猫好きで、良く猫が寄って来ます(笑)なので、こういう映画の世界観には、一応の納得が出来ました。

脱力しましたが(笑)

時間に追われないということ

そうですね〜
脱力
同感でした。

そして
これって
私にとって
生きるに
大切にしたい
スタンスにも思えて。

時間に追われ
足搔いたり
焦ったり
必死になったりと
あまり
力まないで

自分を見失わず
マイペースで生きてゆく“余裕”だけは
何時の時も失わないでいたいナ
なんて感じさせてくれた
作品で…。

こうしたことって
ほんとうに
気持ちのもちよう
みたいなところありますから…。





Re: レンタネコ


> 脱力しましたが(笑)

「水曜日のカンパネラ」も思い切り脱力世界ですし、何か一貫してますね。
淡い雰囲気の作品ですね。
何とも言えない浮遊感がまだ残っています(笑。

また、宜しくお願いします。

Re: 時間に追われないということ

>
> 自分を見失わず
> マイペースで生きてゆく“余裕”だけは
> 何時の時も失わないでいたいナ

まさに猫の強みですね。
借りた人は、そんなところも学ぶのでしょうね。
SAKI様は見事に実践されており、理想を実現されてますね。

最近の真面目な研究からですが、猫族も人間に合わせる努力を始めているそうです。
犬にならない程に、近づいてもらえれば、と思っています(笑。

時間を自分のものにできたら、最高でしょうね。
この世界、究極的に時間との戦いですし。
この作品その辺を緩く主張しているのかも知れない気がしてきました。

ありがとうございます。

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GOMA28

Author:GOMA28
日々思うことを綴ってゆきます。
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ることもあります。
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