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オルフェ

ORPHEE.jpg

ORPHEE
1951年フランス
ジャン・コクトー監督・脚本


ジャン・マレー、、、オルフェ
マリア・カザレス、、、女王
フランソワ・ペリエ、、、ウルトビーズ(女王の運転手)
エドアール・デルミ、、、セジェスト(若い詩人)
マリー・デア、、、オルフェの妻ユリディス

マリア・カザレス繋がりである。
昨日の「天井桟敷の人々」のマリア・カザレスとはうってちがう、クール・ビューティの極北である。

タイトル・クレジットがジャン・コクトーによるとてもお洒落でアーティスティックなものである。

わたしはだいぶ昔(子供の頃)に観たこの作品で、いまだに強く印象に残っているところがある。
まず「ガラスはいらんかね」と自分が死んだことに気づかずガラス売りをして浮かぶようにさまよっている男のシーンだ。
こんな状態が魂の変遷の過程であるものなのかと単純に唖然とした。
それから、オルフェがウルトビーズと共に自ら2度目の冥界に向かう際の、城壁を横に飛ばされる(落ちてゆく)ように移動する場面が堪らなく快感であった。
更に、手袋をオルフェがウルトビーズに促され、はめる際のフィルム逆回転装着は、これまた妙な艶めかしさが感じられた。
確かにもっと露骨に、死んだユリディスが女王にベッドから起こされる場面にも使われていたが、手袋の方がずっと惹きつけられた。
そして、手袋をして鏡に入る時である。鏡への消え方も何パタンもあるが、水面に手を入れたかのように波紋が広がり吸い込まれてゆく様が破綻なく細やかで美しい。ちゃんと背景の部屋の内部は写っていてしかもその中を彼らが歩いてゆく。

やはり映画の魂はディテールの演出にこそあると、思った。
当時そういう言葉で納得した訳ではないが、部分の方が全体より面白い事は悟ったものだ。

この映画、今観ても部分やディテールに魅せられる。
2台の死神オートバイも不吉なカラスみたいで、実にカッコ良い。
最近のギャングものに出てくるこれみよがしの大排気量改造バイクなどより、遥かに不気味で超越している。
彼らはセジェスト、ユリディスと人を跳ね殺し、オルフェも含む死体を鏡の向こうに連れ去ってしまう。ウルトビーズは女王の部下であっても、何もあそこまで、、、と思うがユリディスのためなのか、、、。しかしこれらは彼らの、命令を踏み外した行為であった。

女王たちの行為は、全て命令によってなされているらしい。

その命令の主は不在なのだ。(神とは一言も言ってはいないが)
しかし命令に背けば、地上における罰よりも遥かに厳しい罰を与えられるという。
それを知っていて、女王とウルトビーズは死んだオルフェと妻ユリディスを死地から救う。
地上に生き返らすのだ。
ここで、女王はオルフェを、ウルトビーズはユリディスを愛している。
取り敢えず女王は分かるのだが、ウルトビーズが何であんなに献身的にみんなの世話を焼くのかいまひとつ分からなかったのだが、今回観ても違和感はあった。

そしてもう一つ、ずっと覚えていたのは、オルフェが冥界からセジェストのカーラジオを通して送ってくる、詩に夢中になるところである。
詩人オルフェは、彼が民衆に人気があるのは、「無難に表現する方法を心得てしまっている」からだと指摘されたことをコンプレックスにしていたのか、カーラジオからだけ流れてくる得体の知れない言葉ーメッセージに深く囚われる。
妻の命の危機にも耳を貸さぬ程に。
(「何回繰り返す」、とか数字を語る言い回しにわたしも妙に惹きつけられた)。
その脱却と言うか超脱しようとする意思が、彼を女王に向かわせたのか、それとも女王の魔力によるものか、、、。
彼にとっての女王という存在は「永遠」とか「絶対」などこの世に存在しないものの象徴でもあろう。
詩にとって無くてはならぬ、、、。


「詩とは何だ?」
「意図せず書く事」
これがよかった。
わたしもその意味では、詩を書いている?!





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