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遠い空の向こうに

october sky

October Sky
1999アメリカ
ジョー・ジョンストン監督
ルイス・コリック、ホーマー・ヒッカム・Jr脚本
NASAエンジニアであるホーマー・ヒッカム原作「Rocket Boys」から
October Skyは、「Rocket Boys」のアナグラム。なる程、お洒落だ。

題は、この素敵な”October Sky”のままがよい。
どうにもならない現実において、宇宙という意味、その抽象的価値とは何か、を深く思い知る。

ジェイク・ギレンホール、、、ホーマー・ヒッカム
クリス・クーパー、、、ジョン・ヒッカム(父)
クリス・オーウェン、、、クエンティン・ウィルソン(科学オタクの変人扱いされているクラスメート)
ローラ・ダーン、、、ライリー先生(31歳で亡くなる科学の先生であり恩師)


青空に吸い込まれるようにロケット(ミス・ライリー号)が天高く真っ直ぐ飛んでゆく姿を見守るだけで、、、
胸が熱くなる。
そんな映画だ。
いやそれ以上であった。

卒業すれば炭鉱で働く以外に道のない街の、高校生4人が努力の果てに打ち上げたロケット。

価値観も何もかも違う、それを見上げるひとたち、、、。
様々な気持ちをいっぱいにして、同じ憧れの眼差しを天に向って引かれる、果敢なくも健気な線に集中する。
ロケットが吸い込まれるのではなく、人々のこころが吸い込まれてゆくのだ。
ひとつの熱い思いに導かれて、、、。

自分の知らぬ新しい世界に旅立ってゆく、息子の決意を見守る父。
手塩にかけた生徒の確かな答えを、病窓から確と見詰める命尽きようとする教師。
技術面を陰日向で支えてきた父の理解ある部下。
厄介者扱いしてきたが、漸く彼らの素晴らしさに気づき応援する校長。
そしてこれまで、彼らを嘲笑してきた多くの街の人々。
ロケットが上空から消えるまでのほんのひと時、彼らはひとつになり、やがて打ち上げ場の空き地が祝福の色に染まる。
感動の笑みがひろがる。

ここに至る前から、わたしは溢れる涙を堪えきれなくなった。
映画でこれ程止めどなく泣いてしまうのは最近、珍しい。
自分の中に溜まったたくさんの苦しい思いも一緒に洗い流してしまった。
そんなスッキリする思いだ。
とてもベタな、直球勝負の映画なのに、それだからか、、、。


アメリカ映画典型の父子の相克・葛藤から和解(理解)の映画でもある。
貧しい、斜陽の炭鉱街で人生に自由というものが実質ない(元来炭鉱で働く人のためにひとつの街が形成される)高校生ホーマーは、先頃打ち上げられた軌道上を飛ぶソ連のSputnik人工衛星を夜空に眺め、宿命的な衝撃を受ける。

僕はロケットを作ろう。
それは内なる声でもある。
炭鉱はすでに次の石油エネルギーにとって代えられる状況であり、粉塵による健康破壊や落盤、火災の危険と常に隣り合わせであり、若者にとって未来を感じさせるものではない。が、父は彼が後を継ぐことを熱望していた。

ホーマーは変人として孤立しているクエンティンと親交を結び、遊び仲間2人を加えて4人で、日夜ロケット開発に挑む。
しかし狭い街であり、炭鉱責任者の頑固一徹の父の理解は当然得られず、奇異の目で周囲から見られつつも、若い科学の先生や父の外国人出稼ぎの部下からの、励ましや協力によりへこたれることはなかった。
彼ら4人は奮起するが、ロケットを飛ばす原理が漸く掴めた頃に、森林火事が起き彼らに嫌疑がかけられる。
しかし、ここでホーマーはライリー先生からプレゼントされた参考書を元に、彼らのロケットの軌道計算をしそれが火元でないことを証明してみせる。

ホーマーは部下を救うため事故にあい負傷した父の代わりに炭鉱で働く事になるが、エレベーターで地下にゆく時に見上げる夜空の星々の煌きが、彼の内面をありありと表していた。
生活のためロケットを諦めかけるホーマーであったが、難病でもう先のないライリー先生からの「自らの内なる声に従いなさい。」という言葉に目覚め、「あなたの活躍が私の生の証となる」と決定的な言葉をもらう。

彼らは期待に応え、全国レベルで催される科学コンテストに参加する。これは、彼らにとり単なるコンテストを超えた職業の自由を獲得する大きな意味も持つ。
ホーマーのプレゼンをもって、彼らは見事優勝を勝ち取り、4人は大学奨学金を得る。


大気圏外にロケットを飛ばすのに2200万馬力必要という話を以前聞いた。
それから見ると実に脆弱なものに感じるが、このような意志と姿勢がロケット開発を進めていったことは間違いない。

ロケットの改良と共に、点火方法がどんどん洗練されてゆくのも面白かった。
最後の打ち上げ実験の時、父親が正装をして初めて現れ、ホーマーはライリー女史やすでに亡くなった協力者などに礼を述べた後に父に感謝の意を直接述べる。そして「よかったら発射のスイッチを押して欲しい」と、、、。
父の顔にはすでに息子に対し、完全にこころを開いた表情しかなかった。


父役のクリス・クーパーが究極的にカッコよかった(笑。


最後に、役者たちが演じた本人の在命中のビデオが流れた。
ただ感無量である。




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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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