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村田英子展を観る

murata hideko

村田英子の絵を小さな展示会で観た。
はじめて観た。

非常にドラマチックな悲壮感と深い憂いの漂うビビットな女性像が並んでいた。
9点程の油絵であったが、色とその塗り方が何より印象的であった。
それは見覚えのある色の選び方と塗り方であった。
特に、「青」が。


村田英子氏。独立美術協会会員。
独立美術協会と言えば、前回観た児玉 沙矢華氏もそこの会員ではなかったか、、、。
実力者ぞろいのようだ。
経歴を見たら、わたしの高校の先輩である。(ちなみに児玉氏は後輩)。
絵を最初に観た印象通り、ギュスターブ・モローに傾倒していた人であると。
色使いと塗り方がまさに、モローであった。
あのモローの抽象に突入寸前の狂気の色使いに差し掛かりそうな頃を思い起させる。
エロスとタナトスを残酷に表す煌びやかで退廃的な配色と叩きつけたかのような色面テクスチュア。
痙攣的である。
ギュスターブ・モロー。
バルテュスボッチョーニと並ぶ、わたしの一番好きな画家でもある。

"black Salome"シリーズ?がメインであった。
Salomeの絵は、どれも顔が主体であるが、上半身部分(着衣)の色使いも肝心なところである。
一際目を引く青にせよ赤にせよ生々しくビビットである。叩きつけるようなタッチや重ね塗り、錯綜するコラージュ部分も、深遠さと厳しさを畳み込んでいる。黄色は黄金の広がりー永遠性を思わせる。
モローのSalomeは、Salomeのみならずその一瞬の情景そのもの(物語)の切り取りであるが、村田氏のSalomeは、Salomeそのもので象徴する普遍的な女性像の創造であろう。
顔は、ギリシャ神話や聖書を思わせる天上的な禁欲的容貌(ギリシャ神話は禁欲的とは言えないのだが)というより、寧ろ現代的でハリウッドスター的な彫りの深い造形を基本としているようだ。
クロエ・グレース・モレッツを思わせるコケティッシュな可愛らしさも窺わせるものもある。
(じっくり見ているとそれが痕跡であることを感じるが)。

モローも数多くの"Salome"を描き続けたが、村田氏もこのようにSalomeを"black Salome"として描き続けるのか?
(ライターにそういうものがなかったか?他については生憎、知識がない)。
モローの他にもこれまでに洗礼者ヨハネの首を持ったSalomeの絵は画家達の題材に幾つもあがっており、怪しく舞を踊るシュトゥックのSalomeも強烈な印象を残してきた。(画家の中でモローのものが主題的に見ても最もシュールだ)。
しかしブラックとは、黒いサロメとは何なのか、、、。
美の儚さと普遍性を練り上げた女性像に具現化した作品に、とどまらないことは題にも如実に窺える。

鮮烈な色の炸裂は、激しい生命力を強く表している。
全ての作品に漂う悲壮さは、その表情を洗い落としたような顔に刻まれている。
(凡ゆる表情の去った後の頭部にも似た)。
この絵(アマルガム)そのものは、何か決然とした決意を感じさせないではいない。


もう少し多くの作品に接してみたいものである。
さしずめ今日初めて観た感想である。

Gustave Moreau
出現:ギュスターブ・モロー



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