シルバラード

Silverado
1985年アメリカ
ローレンス・カスダン監督・脚本
ケヴィン・クライン、、、ペイドン
スコット・グレン、、、エメット
ケビン・コスナー、、、ジェイク
ダニー・グローヴァー、、、マル
西部劇って、80年にも作られていたんだ。
しかも、古典的というか伝統芸能のような出来。
勧善懲悪の安心して見られるものだ。
王道を行くと言うべきか。
その枠内で、如何にハラハラさせるかが、西部劇の出来具合の良さを決めるだろう。
ここでは主役の4人は何かあっても大丈夫だろうが、それに近い善人たちはどうなるのかは、心配になる。
そこそこスリルある銃撃戦を繰り広げるが、悪役以外はあまり犠牲者は出ない方であったのが、ホッとした。
ただ善人たちも罠にはめられ、ほとんどみんな怪我は負う。
しかし誰もが望む予定調和に収斂する。
そこが快感ということだ。
このような定番ー枠が先にある劇は、ヒーローものに顕著である。
スーパーマン、スパイダーマン、バットマンとか、アイアンマンとか、、、。
そう007やスターウォーズシリーズもあった。
挙げ出すとキリがないことに気づく。
何かの間違いで、ヒーローの死なないドラマである。
シュワルツネガーものなどその極みであろう。
そんな中で敢えて西部劇にまだ需要があったのか。
80年代に新たな西部劇を作る熱意というか必要性である。
更にもっと新しい西部劇も作られているのか、、、。
日本でも侍ものは、飽きもせず幾らでも作られているし、当たり前のことなのだろうか。
アメリカ人にとってルーツに関わる根強い文化なのかも知れない。
わたしにとっては、”The Fly”のジェフ・ゴールドブラムが悪者の用心棒、”ブレード・ランナー”のレプリカント、ブライオン・ジェームズが善人側で出ていたことが発見であった。何故か嬉しくなったりする。
この2人は顔を一目見れば分かる個性的なタイプだ。
時折、出ていたことに気づかない役者もいるし。(わたしが気づかないだけだが)。
とりわけケビン・コスナーの若さが何とも言えない。
非常に軽い役で出ているが、二丁拳銃が何やら決まっている。
やはり主人公たちの早撃ちは悪党を圧倒するのだ。
拳銃さばきがこそ、見もののひとつであろう。
基本的に拳銃の動きの為の演出と筋立てとして、善と悪・友情・葛藤・裏切り・奸計・銃撃(早撃ち・決闘)などがうまく絡み合い組み合わされてゆく。あくまでも見たいのは、銃がどんな形で火を吹いてゆくかだ。
それが如何に楽しめるかが、西部劇の醍醐味であるはず。
この”Silverado”は、全てが楽しめるものであった。
ただ、途中で旦那が殺された奥さんと誰かが恋に落ち結ばれるのかと思ったのだが、それはないようであった。
その奥さん(女優)の影が余りに薄過ぎたきらいもあり、やけにあっさりしていた。
この要素は、削ってしまってもよいのではないかと思われる。
少し中途半端な感を残した。
西部劇の面白さはしっかり詰め込まれており、そこをはみ出るものも特になかったとも思われる。
新しさは特に感じない正統な西部劇であった。
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