オーゴッド

Oh, God!
1977年アメリカ
カール・ライナー監督
ジョン・デンバー、、、ジェリー・ランダース (スーパーの売り場主任)
ジョージ・バーンズ、、、神
テリー・ガー、、、ジェリーの妻ボビー
カントリー・ボーイ、ジョン・デンバーが主人公役であるが、わたしは昨日のポール・ウィリアムスよりも、更に曲は聴いていない。
ほとんどリアルタイムでは別世界であった。知ってる曲も”Take Me Home, Country Roads”以外ほとんどない。この曲はジブリでも使われていたし。ポール・ウィリアムスも似たようなものだが彼の方は聴けばわかる曲がもう少しある。
こちらには、馴染みがない。
神が突然、自らの存在をヒトに思い起こさせろ、と主人公をメッセンジャーに仕立て動かそうという荒唐無稽なもの。
余計なお世話だ。
というより、厚かましい。
アメリカであっても「人同士仲良く協力しろ、殺し合うな」を訴える為に、神を持ち出してどうにかなるとは思えないが、まず日本であったら何の効果もあるまい。
日本の場合、平和憲法の方が遥かに効力がある。
日本では、特にこのような自我を持った人間の延長上に位置するような人格神自体、馴染まない。
話の設定と内容が更にチャチに見える。
しかも、「私がまだ生きていて、人間を見すててないことを示してくれ」といって神の支配に戻すのは、とてもではないが無理である。
また、いくら「わたしは神にあった。対話をし姿も見た。」と騒いでも、ここに見られるくらいのアピール程度でメディアを騒がせることは不可能だ。狂人扱いさえしてもらえるかどうか。
実際なら小さな話題にすら登るはずがない。
彼の身辺の人々が慌てるくらいだろう。
(ここでも彼の妻と2人の子供はとばっちりを喰らう)。
それは当然だ。一度、実存主義を通過した後に戻ることなど出来ようもない。
であるから、最初から最後まで面白いコメディというより、ただ空回りする白けた話が続くだけだ。
100分程が実に長かった。
神を其の辺のお爺さんとして登場させ、キリスト教に改心させようという魂胆ではないにせよ、外部に超越的な存在を意識させ、その下に正義を行えという思考形態を強いることには違いない。
ガチガチのキリスト教徒や何かの宗教の信者であれば、すでに受け入れている精神構造であろうが、そうでないものにとっては、これを真に受けることなど、できようはずもない。
神が再び出てきて(日本ではかつて出たこともない。常に八百万の神として実体なく自然界を取り巻いている)、私を信じろ、まだ見捨てていない、と言いつつ、自分たちでしっかり考えろと言うのも時代的に無理だ。
確かに神の実在の下でこそ精神の自由が発動できる時代は、宗教画を観てもあったことは分かる。
(エル・グレコ)
しかし、一度殺した神がまた出てきたとしても、もはやゾンビ以外のものではない。
余りにチャチなのだ。
このチープ感に浸かりきった映画であった。
感情的に動く余地など全くない作品であった。
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