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お早よう

ohayou.jpg

1959年
小津安二郎監督・脚本

佐田啓二
久我美子
笠智衆
三宅邦子
設楽 幸嗣
島津 雅彦
杉村春子
沢村貞子
東野英治郎
・・・・・・・・・・・・・・・

最初の出だしは、「快獣ブースカ」にダブってしまった。
子供たちの「おなら」遊びである。
しかし、軽石飲んでおならを出すというのは奇想天外であった。
「お腹治るまでパンツ履くのおよし。」と杉村春子。
ずっとお腹を壊していて体に悪そう。
無邪気な遊びは、ときに危ない。

相変わらずのローアングルである。
なくてはならない風景の切り取りは、ここでも絶妙である。
それから改めて思うが、小津映画は居酒屋のシーンが多い。
これもなくてはならない要素か。
大概、酔っ払ってるのは東野英治郎である。

笠智衆が若く、まだ余り枯れてない。
調度「麦秋」のときの笠智衆のようだ。
子供に怒ったりするところなど、似ている。
しかもあまり怖くない。

昭和30年代風物誌が和む。
日常的に使われている御櫃とか。
粉歯磨きなんて言葉も聞こえた。
黒光りする黒板!真白いチョークの板書。
もう見ることはないアイテムである。
ゴムひもに鉛筆の押し売りも、どすの効いたおばあちゃんも面白い。
おばあちゃんのあの御座なりなお祈りの最中のボヤキもいける。
ご近所の奥様方の噂噺は未だに衰えず、普遍的なものだ。
意固地な子供に手を焼く大人の姿も、感慨深い。
今も昔も変わらないものだ。

2人の兄弟がTVが欲しいとねだって断られ、拗ねまくる。
窘められると、しこたま屁理屈で返す。
仕舞に「余計なこと言うな」と怒られて、「おはよう、とか、こんにちは、とか、いい天気ですね、、、」など大人も無駄な挨拶ばかりしているじゃないかと、、、。
この後、暫くの間子供は黙りを続け、これもまた近所で悪い噂となってゆく。

この家はもうこの時期に、英語塾に子供に通わせている。
しかし子供たちは塾をサボって隣の元水商売の若夫婦の家にテレビを観に入り浸っている。
テレビを観惚けて勉強をしないのも問題だが、この家自体が近所から厄介者扱いされているのだ。
必ず共同体は、共通の敵を作り出す。何が悪いではなく少し変わったところに目をつける。
彼らにとって、テレビをこの家で観る事自体が、許せない。
これも普遍的な共同体の仕様である。

テレビが一億総白痴化の元だという親の主張(受け売り)も面白い。(大宅壮一だったか、はじめに言ったのは)。
買う前からそういう見解を持っているのも、ある意味臆病である。
しかし結局そう言っていた笠智衆お父さんがTVを買ってあげる。商売を始めた友人東野英治郎に頼まれたこともあり。
そういうことだ。どこもそうだ。
「勉強しないと返してしまうぞ」と凄んでも、小学校低学年の子に、軽くあしらわれる。

子役がなかなかのものだ。
2人とも達者である。
しかも上の子役は、音楽家となり、音楽プロデューサーとしても活躍していたようだ。


子供たちの大人批判を面白がりながら「無駄なことも大事で世の中の潤滑油でもあるしね」と言う佐田啓二に、「無駄なことが潤滑油にはなっても、肝心なことが言えないようじゃね」と沢村貞子が息子の彼に諭す。
久我美子の翻訳の仕事を彼が度々請け負っており、彼のところに彼女と同居する甥である小学生が英語の勉強に通っている。

駅のホームで偶然出逢った2人が、「いい天気ですねー。雲の形がよいですね。」と何度もぎこちなく繰り返す。
さすがに、それはない。
2人の距離が縮まる予感は持たせつつ物語が終わる。



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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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