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インビクタス 負けざる者たち

invictus001.jpg

Invictus
2009年
アメリカ

クリント・イーストウッド監督
アンソニー・ペッカム脚本

モーガン・フリーマンが製作総指揮

モーガン・フリーマン 、、、ネルソン・マンデラ
マット・デイモン 、、、フランソワ・ピナール主将(ラグビー)

「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」に続くクリント・イーストウッド=モーガン・フリーマンのタッグである。

はじめて「ラグビー」というものを観戦した気分になった。
(このスポーツ、個人的に見たことがない)。


ネルソン・マンデラが「自由への長い道」を出版したとき映画化するとしたら、モーガン・フリーマンに自分を演じて欲しいと言ったことが、この映画の実現に繋がったようだ。
ネルソン・マンデラの言葉を知ったモーガン・フリーマンはヨハネスブルクの彼の自宅も訪ねたという。
モーガン・フリーマンは映画化の権利を買い、早速脚本をクリント・イーストウッドに送り、彼に監督を依頼した。
クリント・イーストウッドの快諾を受けてこの映画の誕生となる。

ネルソン・マンデラとモーガン・フリーマン。
顔も雰囲気も似てないが、優れた指導者の放つオーラ・威厳は同等なものを感じる。
実際、モーガン・フリーマンはこの手の役(他でも大統領をこなしている)が多いし様になる。
ネルソン・マンデラ氏、流石に御目が高いというか余りにど真ん中過ぎる気もするが、、、。
これにマット・デイモンも加わる。
キャストが映画を締めている。

確かにスポーツはこれから新しい国家の結束を高めようという時に一番役立つものだと思う。
日本の戦後復興期においても、海外のチーム(選手)との対戦は、日本という意識の高揚に大きく寄与している。
産業・経済の発展の原動力のひとつになったことは確かだ。
国際社会との戦い、凌ぎ合いという意味においても。

マンデーラ氏、元々実力はあったが現在低迷し、連戦連敗に帰しているラグビーチームに目をつけるところは、やはり鋭い。
国をまとめるのにこれは使えると睨んだ。
さらに彼の27年間に渡る投獄によって研ぎ澄まされた感覚である。
アパルトヘイトの象徴カラーである緑と金色のユニフォームと「スプリングボクス」のチーム名を変えようという強い動きがあった。
ラグビーそのものが富裕層の特権スポーツであり、貧困層は裸足でサッカーをやっていた現状でもある。
ラグビーの存在自体が改革の元、風前の灯火になっていた。
しかしその流れに対し、彼は人口の多数を占める黒人に対する恐怖を白人が抱いてしまったならおしまいだと現状のまま止め、それを国をあげて応援する方向に仕向けるのだ。経済は依然白人が握っており彼らの取り込みは必須であった。


彼は国民に変わることを要請する。
「もう卑屈な復讐を果たす時ではない。」
「赦しが魂を自由にする。」
「赦しこそ恐れを取り除く、最強の武器なのだ。」

尽く彼の基本(政治)姿勢である。
「それは我々に対し彼らが拒んだものばかりだ。」
「だがわれわれは憐れみをもって接し、彼らを驚かそう。」
「どれだけ打ちのめされようと、わたしは運命の支配者である。」
「魂の指揮官なのだ。」
ここが彼の偉大さである。
もはや、周囲の動きに惑わされない。
やるべきことを進めるのみ。

「わが負けざる魂」Invictusである。

マンデラはチームキャプテンのフランソワをお茶に招き、彼らの全面バックアップと力以上の活躍を期待する。
チームは短期間に常勝チームとなり、黒人地区でのラグビー教室などの地道な活動もあって、国中からの応援を得るに至る。
謂わば、国の注目を一身に浴びる存在となる。
そんななかで、専門家が誰も予想していなかった自国開催W杯で優勝を勝ち得てしまう。
この力はやはり想像を超えた力となったはず。


いま世界は、基本的に報復に対する報復の構造に閉じてしまっている。
誰の意識もそこに留まりかねない。
どうしても、そうなる、そこに落ち込むケースが多い。
しかし魂の救済の観点に立てば、その構造を包含する世界史観が必要となる。
または、詩的感性である。


「赦しが魂を自由にする。」には、映画を通してドキっとした。






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