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アザーズ

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The Others
2001年アメリカ・スペイン・フランス製作
アレハンドロ・アメナーバル監督・脚本

ニコール・キッドマン主演

これはTV録画で観た。
(民法であったため、下にCMとか入りやはり鬱陶しかった)。


二次大戦後のイギリスで、ドイツの支配を受けた島であるようだ。
結核も流行り、悲劇の歴史をもつ地であるという。
舞台が島であり、子供たちの病により太陽光を遮り屋敷に閉じ篭ったところからも、隔絶した密室空間濃度が極めて高い。
しかも古い大きな屋敷である。
おまけに、一歩外に出ると、霧で一寸先も見えないときている。
その極限的環境のもと、ニコールを中心とした心象世界を描ききっている。
本が充分に練られているが、原作はなかった。
監督による脚本である。
音も効果的であると思ったら監督の作曲であった。

それらによる隙のない統一されたトーンの緊張の途切れぬ物語が静かに進行してゆく。
カメラがコンセプトを迷いなく伝えている。
演出も細やかで巧みであった。
美術の家具、調度品も無駄なく雰囲気を演出していた。
幻がかった抑えられた色調の中、ニコールの色調がひたすら映える。
(製作総指揮にトム・クルーズが加わっていることもあってか)。

後は、ニコールの繊細かつ神経症的な迫真の演技である。
この幻もクリーチャーの類も一切出現しない、不可解な現象にも客観性は確証不能な映像の中で、物語の内実は彼女の演技をもとに伝えられてゆく。
2人の子供と使用人の演技もしっかりそれを支えていた。
特に女使用人のフィオヌラ・フラナガンとの掛け合いは、その度に緊張感を増す。
また、姉の思春期手前の微妙な年頃の心理表現も説得力があった。

霧の中で、戦地に赴いたまま帰らなかった夫に出逢うところで、婦人が尋常でない状況にある事を察してしまう。
あの日のこと、と娘と夫が同様に彼女を責めていたのも符合してくる。
振り返って、彼女が2人の子供に聖書を教える姿が痛々しくよみがえる。
煉獄へも天国へも行けずにいる存在とは、、、。


ある日、陽光を遮っていた屋敷のカーテンが全て取り払われる。
それまで存在を予感し恐れていた他者―侵入者が一気に現実味を帯びる。

終盤での畳み掛けは、こちらが薄々予感していたことがはっきり開示されるが、分かっていても衝撃的である。
映像(特に演技とカメラ・演出)の質の高さで、いささかも興味の削げるものではなく、充分に魅せるものとなっていた。

結局、”The Others”とは、、、そこにこれからも越してくるであろう、人間たちを指す。
最後の、「ここはわたしたちの家よ」と呟き、窓越しに去ってゆく家族を見つめるニコールたちが物悲しく印象に残る。

切なくも美しいゴシック・ホラーであり、格調高い作品であった。
ヘンリー・ジェイムス原作の「回転」(デボラ・カー主演)を思い浮かべる映画でもあった。
(その格調からであろうが)。
恐らくニコール・キッドマン主演であることが大きな要因である。
この作品なら購入しても損はないと思われた。


監督の力量を感じる映画であった。


BaeDooNa女史の日本映画出演作を一本観たが、感想を書く気になれなかったため、また別の作品にあったた時に考えたい。

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