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ル・アーヴルの靴みがき

Le Havre

Le Havre
2011年フィンランド、フランス、ドイツ製作
アキ・カウリスマキ監督・脚本


アンドレ・ウィルム、、、、マルセル・マルクス
カティ・オウティネン、、、、アルレッティ
ジャン=ピエール・ダルッサン、、、、モネ警視
ブロンダン・ミゲル、、、、イドリッサ
犬、、、、ライカ


見ようと思っていたタイトルは結局、買わなかった。
間違えて(ひょんなことから)他の映画を買ってしまった(苦。
”Le Havre ”
以前から映画の題名は耳にしていたため、かなり古い作品と誤解していた。
随分近年の映画であることにびっくりした。

凄く気持ちの良い映画である。
大好きな映画の一つとなった。
それにしても、こんな映画があるのだ。
最近の作品であったことに驚いている場合ではない。

アキ・カウリスマキ監督の作品は初めてだが、既視感がある。
ノルマンディーのルアーブルとは、こういうところなのか?
郷愁に満ちた渋い風景だ。
どこかで観た風景なのだが、今思い出せない。
年代もはっきりしない独特な光景である。
そうだ、いつ見たか分からない夢に似ていた、、、。


港町ルアーブルで靴磨きをするマルセルの元に、アフリカ難民の少年が警察に追われ転がり込んでくる。
マルセルは彼をかくまうことにする。
愛妻は重い病で入院したばかりだ。
困難と不幸と不安を背負ったかに見えたが、マルセルはあくまで移民の少年イドリッサを守り抜き、彼の望むイギリスに送ろうとする。
この彼の決意に、ご近所のこころある人々が惜しみなく力を貸す。
そうでない者は、警察に密告するが。
(そういうものだ)。

マルセルは遠出をして難民キャンプにわざわざ少年の祖父に逢いに行き、少年を無事イギリスに渡航させることを誓う。
少年はライカと一緒に、靴磨きの仕事を教わって、始める。

協力者はいるが、冷たい目は当然ある。
警察は後者によって動かざる負えない。
モネ警視は何度もマルセルに非番時などに家に立ち寄り警告する。
警視は上からも強い圧力を加えられている。


マルセルにとっては、もうぐずぐずしてはいられない。
しかし密航者を更にイギリスまで密航させるには、結構な金が要る。
そこで、リトル・ボブに頼むが、条件は出て行った妻に戻ってきてもらうこと。
マルセルはすんなり、彼のもとに家出した妻を連れてくる。
チャリティーコンサートは無事開かれ盛況に終わる運びとなった。

しかしそのコンサートのため、妻と約束したお見舞いが一日伸びてしまう。
黄色いワンピースの届け物は、イドリッサが引き受けてくれた。
異常な程、利口で思いやりのある、よく出来た少年である。
(これなら、引き取っても良いくらいだ)。

リトル・ボブには何故か聞き惚れた。
コンサートが近くであれば、聞きに行ってしまうくらい味がある。
わたしはシャンソンやるのかと思っていたら、プレスリータイプのロックンロールではないか、、、
音楽の中で、わたしの最も苦手なロックンロールなのに、くすぐるものがある。


どうにか警察の目を欺き、野菜の荷車に乗せて少年を港の船にまで送り込む。
その道の船乗りに金を渡し、よろしく頼む。
しかし船出を待たずに、モネ警視一行が嗅ぎつけてやってきてしまう。
文字通りの絶体絶命である。
すぐさま、警視は甲板下に隠れている少年を見つけ出す。
しかしモネ警視はじっと上から少年を見つめ(見つめ合い)、すぐに蓋を閉めその上に座り込む。
他の警官たちには、この船にはいなかったと、させる。
当然、マルセルは深く彼に感謝する。
Le Havre03
「カルヴァドスならもらおう。」
フランスのノルマンディー地方で造られる、リンゴを原料とする蒸留酒だそうだ。
わたしは酒には疎い。(たまにワインを飲むくらいなので)。
カルヴァドス飲みたくなった。

良質な酒に酔うような、深い味わいの御伽噺である。
医者に絶望視されていた奥さんは、全快・完治しすっきり元気になって例のワンピースを着ていた。
よくある大どんでん返しのサスペンス映画や、リアリズム映画のニヒリズムなど寄せ付けない。
圧倒的な強度を放つエンディングであった。

これほどの生への真心と解放。
爽やか極まりない、夢の世界を思い出す。

Le Havre02

まだそのまま続いて欲しい物語であった。


役者が皆、素晴らしい。
この映画製作に対する愛が深く感じられる。
身体に良い映画であった。

入院中のマルセルの妻にお見舞いに訪れた近所のお友達がカフカを読んで聴かせていたところも面白かった。
カフカを聴きながら、すやすや気持ちよさそうに寝てしまった。
何でよりによってカフカなのか?
ここがこの映画らしいところなのだと思う。
カフカはこのような寓話は書かないだろうが、通じるところを感じる。
何だろうかと思ったが、ここで読まれていたものに近い、ユーモアである。
この映画、かなりの分厚さをもつ。

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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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