tDCS(経頭蓋直流刺激)とは

まず、これはまだ手探りの実験段階に過ぎないこと。
と言うよりお試しか?
実は、当初わたしもやってみたいと思ってしまったものであるが、、、。
NHKの情報番組でも、先日3/7に放映されていた。
人の運動には意図せぬ可塑性を招く場合があると、番組では「局所性ジストニア」を取り上げていた。
その症状である「巻き込み現象」である。
キーを押さえる指の上下動が、巻き込む癖となってどうにも治らない。
本人にとっては深刻な問題である。
それに対して、左脳と右脳を結ぶ脳梁に注目し、その塑性を取り払う、誤った情報を左右の脳の間で書き換えることが可能であるということだ。
何やらそのメカニズムの説明があるわけではなく、やってみたらそうなった、だからそれでいこうみたいな解説である。
ここは一口で言って上書きによって、元の状態(運動)に戻すというらしいが、どうも根拠が薄い。
それは、この研究・実践全般に言えることである。
根拠が薄く、現在の事例からは問題ない、と言われているだけの気がするのだ。
今後、様々な副作用や不具合が報告されそうな予感だけはする。
説明、映像を見ていても、行き当りばったりの手探りを見る思いであった。
わたしが連想してしまったのは、接骨医の光景だ。(接骨医が行き当たりばったりと言うつもりは毛頭ない)。
それぞれの認識(運動)野にあたる部分に電極をセットして微弱電流を一定時間流して様子を見る。
つまり純粋にリハビリの質を高める、理学療法の補助的な使用とかに向くものなのか。
しかしその結果報告はもう400件を超えるとか何とか、、、。
1―2mA程度の弱い直流電流を頭に通す研究で、脳梗塞後のリハビリや高齢者の停滞した学習能力アップに成果が見られ、鬱病、片頭痛、パーキンソン病などの治療に役立つ可能性が高く、アメリカ国防省では兵士の集中力をアップさせるプログラムとしても実査に行われているということだ。
しかし大雑把な説明しかない。
それぞれの病気のどの点においてどのように作用するのか、よく分からない。
また、各病気にはそれぞれステージと目される段階もある。
どこに効果があり、その際どう危険があるのかなどは、重要な部分である。
一回に5~30分程度の継続通電をして確認をとっているそうだが、まだ方法的に定まったものはなく、副作用や危険因子などはっきりしていない部分も多い。
従来のTMS(経頭蓋磁気刺激法)と併用すると良いとか、、、
その絡みがどう検証されそのような結論に至るのか、そもそもTMSはどの程度、検証を積んだ方法なのか。
以前からそのリスクとコストについては指摘がかなりある。
実はこれも何やらはっきりしない。
また、tDCSは成果に「個人差」が出ているという。
そもそも医療に降ろす段階であろうか?
まだ実際に臨床までは、来ていないようである。
やはりもっと研究・検証を進めてからにして欲しい。
いづれにせよ、まだ始めたばかりの研究で、それそのものが前提として正しいのかどうかも分からない。
解説において必要最低限の情報もまだ出せる準備が整っていないようであったし。(TVにおいてまるで説得力が無かった)。
わたしはこの実験の人柱には志願しないことにする(笑。
当初、その触れ込み(特に脳梗塞後のリハビリにかつてない効果をみせた等)に、触手が動いてしまったのだが。
強引にやってもらおうかなどと思ったこともある(爆。
しかし、少し見守ってみたい。
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