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呪われたジェシカ

Zohra Lampert
”Let's Scare Jessica to Death”って、なんだそれ?
1971年アメリカ映画
ジョン・ハンコック監督

題を見るとおフザケものに思えるが、真面目な低予算映画である。
ジェシカ(Zohra Lampert)の如何にも精神を病んでいるというわざとらしい笑顔の表情と内面の声で印象的に話が進む。
彼女は絶えず所与の表象に対し自問自答するほど脆弱な精神状態であるが、「回転」の家庭教師は、ヒステリックな攻撃性を外界に向け続ける。
ジェシカは精神の病を自覚しており(療養生活のため田舎に来たのだ)、自分の感覚の正当性を疑いつつ生きざる負えないが、彼の家庭教師はその点、徹底的に無自覚であり自尊心に支えられて生きている。
しかし基本的に「回転」の映画世界と同様の心理的恐怖が描かれてゆく。
ともに主人公の視座から全てが語られる。
「回転」は世話人による屋敷のエピソードからスウィッチが入るが、本作の主人公ジェシカは幻惑モードで均衡を欠いたまま水面に浮かび続ける。

囁き、人影、購入した屋敷の前の住人の不遇の死のエピソード(必ずこれだ!)、水中に潜む(水を介した)不安、そして孤立化(それは同時に相手周囲の取り込まれも示唆する)
完全に閉じた話の構造は同じだ。
特にこの作品はあからさまに最初と最後が繋がる円環構造である。
湖畔にて、ジェシカのモノローグに始まりモノローグに終わる。いや繋がる。

このような非スプラッター手法のホラー系譜がしっかりあることを知った。
しかし、こちらは「回転」のような様式美は意識されてはいない。
その分、閑散として偏狭で冷たい田舎町の人と自然が演出に深く溶け込んでいる。
また、正体不明の吸血鬼が村人を取り込んでいるらしく、皆が何処かに包帯をしてる。
この包帯ー傷が彼女の幻視・幻聴(人影や囁き)と現実を接続し続けていく。
さらにこちらの映画では、屍体が忽然と現れては消える。
(これでは当然、主人公の孤立・混乱はド壷にはまる)。
そして身近な者までその餌食となる。

「これが現実に起こったこととはとても信じられない・・・これは夢?それとも悪夢?狂気か正気か、もう私には分からない・・・」
観ているものも、ほぼ同感であろう。

これでは当分岸に上がれまい。


この種のホラーで無くてはならない、霊の存在とは何か?
この映画を見たあとで、考える気になれないのだが、、、。
何にしても、自らの死に納得できない霊が、この世に可視化される(場所を持つ)資格を得るようである。
それも特定の個人に対して。
または、一定の条件(物語)が揃えば、自身のうちに霊の姿を可視化する特権をもつヒトがいる、ということか。

どちらにせよ、特殊な体質をもつ人が対象である。
と言うより、そのようなモノを見る人がまさにその人であろう。


何れにせよ、われわれは映画で呑気に楽しんでいれば良い。


Zohra Lampertの病的な演技はなかなかのものであった。
特に貼り付けた笑顔はそれだけで、何かを呼んでしまいそうである。
「霊障体質」という言葉を思い出した。
(霊感商法でかつてよく流行っていたものだ)。




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