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ブロブ 宇宙からの不明物体

Blob.jpg

The Blob
1988年
アメリカ
チャック・ラッセル監督

何か怪しく密やかな「滴」というより、もっとあられもないデンと構えた奴が出そうな予感は、その邦題からしたのだが、、、。

かなり時代性を感じさせる作品であったが、、、微妙な味わいであった。
如何にもといったアメリカの田舎町であり、アメフト選手やチアガールで、ちょっと目立ってモテようとするか、場末のダイナーや小さな映画館のB級ホラーでグダグダ過ごすか、というやるせない停滞した空気でどんよりしている所だ。
そこには、その小さな環境で優等生やってる少年少女もいるが、とてもじゃないけどやってらんねーぜ、というとんがった兄ちゃんはバイクを乗り回す。(ただし独りで)。
そりゃそうだ。窒息しそうな田舎だもの。
よく分かるとても説得力ある景色なのだが、こちらはどのタイミングでそれが出るのかだけが気がかりである。
その背景作りはもう充分という頃、、、。

「宇宙からの不明物体」原色でギラギラした、稚拙で詳細な劇画看板を思わせる邦題が妙に期待をそそるなか。
比較的早く「不明物体」は律儀に飛んで来た。
ウルトラQのガラダマもどきの分かり易さで、ほのぼの降ってくるではないか!
こりゃ触手が動くというもの。(わが円谷の当時の特撮技法に近い!あの特有のゆらゆらした物の飛来シーン)。

この映画、質感が好ましい。
独特のアーティフィシャルでキッチュな感触がイケる。
「不明物体」が凶暴なグデタマであるところも良い。
所謂” Blob”「ふとっちょ」である(笑。
どこかプッチョにも似ている(爆。
笑ってる場合ではない。

敢えて特殊な形を纏わず、変幻自在に身も蓋もない凶暴な暴れ振り。
恐らく細胞の形・動きそのものを拡大イメージしたものだろうが。
DragonBallZに出てくるミスターブーにもそう遠くはない。
ヒトを次々に取り込んでスケールアップしてゆく。
この情け容赦ない機械的徹底さが、「宇宙からの不明物体」という他者性を存分に見せつける。
いや逆で、この邦題が見事にたどたどしく(バカ正直に)も説明的にそれを上手く表していた、というべきだ。

しかし、実は外から来たものではない、というオチである。

アメリカ軍が生物兵器として開発した細菌実験であったのだ。
ひとつの田舎町を実験場にして、どれほどの威力を持つか軍のデータ収集の目的で行ったことであった。
政府の細菌兵器研究者たちは、町の人々を犠牲にして、その巨大細胞といったスライム状の化物を捕獲しようとする。
よくあるオチである。

で、こんな状況で頼りになるのは、お巡りさんでもなければ、神父でもなく、善良な街の人々でもなく、不良として普段白い目で見られていた例のバイクにーちゃんであった。
人間は、自由を求めるものだ、とかカッコつけて言い、誰よりも早くに研究者たちの胡散臭さを見抜いて彼らの隔離・保護対策(策略)から逃れ脱走したり、なかなか勘が冴えている。
彼は、ともかくアウトサイダーで活き活きするタイプのヒトだ。
結局その不良のお陰で、街の人は救われる。

そのスライム化物の退治方法を見出したのも、その不良である。
「宇宙戦争」でもそうであったが、未知の敵(例の火星人など)を倒すには、その弱点を如何に発見するかにかかっているものだ。
この作品でもまさに、そこである。
観察眼のある頭の良い不良なのだが、このパタンもこれまでよく目にしてきた。
殺られて変形したヒトの顔をホラーっぽく見せつけるところなど、一連のサメ(アナコンダ)パニック映画でもお馴染みのカットである。

ということで、既視感が充満した内容であるのだが、しっかりまとまった流れのある味わい深いSF映画であった。
防護服を着込んだ軍関係者たちが、次々に巨大化したスライム怪物にベッタンベッタン潰され取り込まれてゆくところを見ているうちに、プチプチの快感に近いものを感じてもくるのだ。
ちょっと感覚的に麻薬的な麻痺を誘う魅力がある。
即物的物質感というか、特有の感触を大切にしたトーンで丁寧に作られていることで、ある水準を保っている作品といえよう。






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