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レディ・グリニング・ソウル ~デヴィッド・ボウイ

Bowie.jpg

”Lady Grinning Soul”
「アラジン・セイン」のなかの大好きな一曲。
”デトロイトでのパニック”を目当てに当時よく聴いていたのだが、後に気づくとこの曲の美しい旋律がいつも尾を引いて残っていた。
”Beware Of Darkness”(ジョージ・ハリソン)と”Perfect Day”(ルー・リード)ともに、わたしの最も好きな曲であり、よく独りで歌ったものだ。(小さな声で歌う曲であることがよい)。
作曲家で前衛ジャズピアニストのマイク・ガーソンの演奏が全面に渡って弾けている。
ボウイの曲のなかでも際立って繊細で美しい、「永遠の刹那」を芳しくうたったものだ。
無常観に裏打ちされた切なくも美しい世界が垣間見られる。

大傑作アルバム「Low」のフィリップ・グラス版もよく聴けば確かに良かったが、バイオリストのルチア・ミカレッリの「Music from a Farther Room」での”Lady Grinning Soul”の独特なミステリアスなカヴァーの艶やかさは、これまた魅力に溢れていた。Ravel の”String Quartet IN F Major”に引き継がれる瞬間もゾクッとさせられたものであった(アルバムでは、「タイスの瞑想曲」が特に素晴らしい演奏であったが)。
ピアノではなく、バイオリン演奏になってもこの作品の魅力は色褪せることはなかった。

しかし何といっても、ボウイの唯一無二のヴォーカルである。
勿論、彼というコンポーザーあっての、この曲であるが。
ヴォーカリストとしても、ルー・リード、ゲーリー・ブルッカー、ピーター・ゲイブリエルなどと共に、有り得ない魅力を放つ。
その最たるものが”Lady Grinning Soul”に凝縮されている。
またマイク・ガーソンのピアノがボウイの声に、実にビビットにしなやかに絡み纏う、、、。
「アラジン・セイン」は名曲ばかりであったが、マイクのピアノ演奏でかなりの高密度の作品となり得ていたと言える。

”デトロイトでのパニック”聴いた後で、夢心地にされてしまうというのも、ボウイならではのマジックであろうか。
マイク・ガーソンの卓越した技術の支えで、曲想の自由な表現が保証されたところは大きい。

ちなみにボウイで一番好きなアルバムは、「Diamond Dogs」である。
彼のアルバムとしては評価は低いが、わたしは大好きだ。
生半可なSF映画を見るより、遥かに衝撃度と充足感が残る。

考えてみれば、ボウイは本当に優れたアーティストであった。
あの大絶賛を受けた”Low"を出した後、生意気なパンクロッカーたちに、ボウイはあれを発表した後すぐに死ねばよかった、などと言われてきたが、しぶとくよく生きたと思う。
そう、ブライアン・イーノとの共演・共作も、世界を拡張する素晴らしい展開を魅せた。
山本寛斎を着ていたが、かなり東洋文化にも感度を高めていたようだ。
「映画」にも出演していたが、こちらはまあ坂本龍一が出るのと同様のスタンスであったか。
”Low"以降も次々に自分のスタイルを壊し、新たなスタイルに挑み続けた。
この点では、ピカソに比較しうる芸術家である。
(彼は、あのクラフトワークにもほぼ唯一認められた存在で、彼らのスタジオを使わせてもらっていた)。


旧友マークボランの事故死を受けて、彼の残した幼い子供が大学を出るまで見守りその学費を全て出していたことは、あまり知られていないが、事実であるようだ。
(イギリスで最も学費の高い名門校である)。


ここに挙げたうち、ジョージもルーも亡くなって久しい。
ボウイも1月10日に帰らぬ人となった。
69歳。
癌と18ヶ月間の戦いであったという。


ただ、淋しい。


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COMMENT

No title

GOMAさん、こんにちは!
お加減いかがですか?
血圧が高い・・・という記事を読んで心配ですが
どうぞ養生なさってください。

デヴィッド・ボウイはあまり知らないのですが
それでもデヴィッド・ボウイ以降の歌手に多大な影響を与えているのは知っています。
何でも先駆者というのは素晴らしいと思います。

No title

ご無沙汰しております。

本当に・・・ただ淋しいです。
今日一番の衝撃的なニュースでした。

生者必滅のならいを感じつつ、
しかしⅮ・ボウイと同時代を生きられた不思議に
今は感謝したいと思っています。

おっしゃる通り、確かに先駆者です


> 血圧が高い・・・という記事を読んで心配ですが
> どうぞ養生なさってください。
ご心配かけます。とっても高く、ボワッとピリピリしています。
あまり動いてはいません。
イライラしますが、良い映画があったら教えてくださいね。
落ち着く綺麗なものが、良いです。
>
> デヴィッド・ボウイはあまり知らないのですが
> それでもデヴィッド・ボウイ以降の歌手に多大な影響を与えているのは知っています。
> 何でも先駆者というのは素晴らしいと思います。

全くです。様々な意味で、影響を受けたヒトは星の数ほどいると思います。
是非、彼の曲お聴きになってください。
この記事の表題曲は、素敵です。

では、またお待ちしております。
ありがとうございました。

本当に、何と申しましょうか、、、


> しかしⅮ・ボウイと同時代を生きられた不思議に
> 今は感謝したいと思っています。
まったくです。

自分の中に一番鳴っている曲がボウイの曲です。
この記事の表題曲ですが、その他にもいくつもあります。
「ダイヤモンドの犬」なんかも体質にホントに合いました。
クラフトワーク寄りになった時期(Lowなど)も勿論良かったですが。

親戚に顔だけですが、似ている人がいて、少し身近に感じるアーティストでもありました(失礼。

また是非、お立ち寄りください。
お待ちしております。
ありがとうございました。

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プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

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