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スリーピーホロウ

sleepy hollow001

Sleepy Hollow
1999アメリカ映画
ティム・バートン監督

ジョニー・ディップ、、、 イガボット捜査官
クリスティーナ・リッチ、、、 カトリーナ
以上主演。

イガボットというあまり聞き慣れない主人公とカトリーナというありふれた名前のヒロインによる、暗く霧掛り美しく幻想的だが、TVサスペンス2時間ドラマのような犯行動機で展開してきた事を知らされる映画。
スリーピー・ホロウという村での怪奇譚。

イガボット捜査官が首なし屍体の謎を解くため、ニューヨーク市警から派遣される。
自分の開発したガジェットを持ち込み、科学の力で迷信を打ち砕かんと乗り込んだが、初っ端から自分が打ち砕かれる事に、、、。
しかし村の名士の娘カトリーナと出逢い、最終的に恋に落ち、めでたしめでたしの話。
馬車がとても良い雰囲気である。
「ヘッドレス・ホースマン」が「死人の木」からすっと飛び出してくるところは、映画史に残る名シーンであろう。

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それにしても首がよく飛ぶ映画である。
首のない騎士が、首をシャキンと狩るのを自分の目で見てしまった、科学のみを信じる合理主義者イガボット。
少年期に母を狂信的な父に魔女として殺され、神を見限った イガボット氏もこれには混乱を極める。
彼がハンカチを口に当て、気色悪そうに検死するところがまたよい。
神経質でよく倒れるが、怪我に強くひ弱そうで思いの他勇敢だったりする。
わたし的に、昨日の多肉の頭をちょん切るのと妙にダブってしまった(笑。


これほどジョニー・ディップが危ない目に会う映画も少ないはず。
彼は単なる捜査官であり(海賊ではない)、相手は不死身の魔物である。
闘ってどうにかなるモノではない。
それでも思い切りビビる割に、懲りずに無鉄砲に立ち向かって行く。
立ち直りが異常に早い。
やはり普通の神経の人ではないようだ。
良くも悪くも、特異な少年時代を送ったアスペルガー的パーソナリティである。
推理力は冴えていた。
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キャストを含めた映像(美術、カメラ)面はティム・バートンそのものと言えるか。
イガボットという複雑かつナイーブで頑固な役を自然に演じてしまうジョニー・ディップは相変わらず彼の不動のパートナーである。
ひたむきで透明感溢れる繊麗な愛らしさを湛えるカトリーナは、クリスティーナ・リッチでなければならないという説得力があった。
あどけなさが危なっかしい感じもしたが、、、。
「アダムスファミリー」のときの毒気はないが、ただの美少女にはおさまらないところが流石。
やはり密かに白魔術を使う。(イガボットの母も白魔術師であったと窺える)。
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この2人の他の、欲の皮の突っ張った如何わしい人物たちも正にピタンコで楽しめた。
イガボット捜査官の助手の少年も、その風貌も含め何とも言えない渋さだ。
如何にもハリウッド映画に出てきそうな子役とは一風変わっていて面白い。


全体的にアメリカ北部の伝承を下敷きにしているそうで、何やら寓話的な演出が舞台のお芝居を見るようにも感じられた。
スプラッターな場面もアクションもサスペンスもみな、即物的な衝撃は少ない。
所謂、ショックを与える事を一義的な目的としたよくある映画とは一線を画する格調がある。

極めてアーティフィシャルリアリティ煌く、廃墟模型映画である。
稲垣足穂の世界を彷彿させるところがある。
ロード・ダンセイニも混ざってくる。

ティム・バートンの作品のなかでも、特に彼らしい感じだ。

暗くて苦目のゴシックだ(笑。
笑い事ではないが、物凄く作りこんだ稠密感はなく、どことなく希薄な空気感に満ちており、首を切られる場面でも「死霊のはらわた」のような緊迫感などほとんどない。
様式美というのとも違う。
決して安易に確立されたスタイルを(自分のスタイルを含め)踏襲しました、とかいうものではなく、、、


やはりティム・バートンである。
他に言い様がない。


ジョニー・ディップは当然だが、クリスティーナ・リッチも彼の映画によく似合うことが分かった。





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