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秋日和

akibiyori.jpg

1960年
小津安二郎監督・脚本


原節子
司葉子
岡田茉莉子
佐田啓二
笠智衆
、、、豪華キャスト!

受付のやたら目立つ女性社員役で岩下志麻が出ていた。
おっと、それからオヤジトリオが出ていて、何とも恍けた味わいを滲ませていた。
実に酒屋の黄色っぽさが似合う。


そう、カラーである!
小津安二郎作品、カラーもなかなかのものである。
相変わらず、挿入される風景や反映する日陰のたゆたう室内の光景が美しい。
それで話の情景が染み込んでくるというもの。
この「間」が堪らない。
絶品である。
ローアングルで、対話する顔の正面撮り。
誰が見ても、小津安二郎作品である。


母と娘の物語か。
テーマ=話は、わたしにとって、なんでもよい。
二次的なものだ。
ストーリーには、端から興味はない。
小津安二郎の映画が観れれば、それで充分。
しかし、母と娘というのは、彼の映画で、他にあるか、、、?

そのためか、我らが笠智衆がチョイ役である。
オープニングのクレジットで不思議に思ったのだが、確かにこの出番では、と納得。
しかし他に見所が幾つか。
この映画で小津に見出された岩下志麻が、後に大ブレイク。(本作ではチラッとしか出てないが)。
「秋刀魚の味」でいきなりヒロインという大抜擢だ。

更にわたしは「喜びも悲しみも幾歳月」も「君の名は」も観ていないが、佐田啓二にはかなりのインパクトを受けた。
日本映画界広しといえども、いそうでいない二枚目俳優だ。
中井貴一には似ていなかった。もっといい男だ(爆。(失礼)。
日本映画の二枚目役によくいる、「ゴロツキ臭」が全く感じられない。
知的な雰囲気は、ピーター・オトゥールに近いものも感じる。

だがここで一際目立っていたのは、岡田茉莉子であろう。
今の映画でも、しっかりヒロインが務まるフレッシュさとビビットな煌きがある。
歯切れの良い役がまた似合っていた。
司葉子も活きがよく岡田茉莉子とのコンビは、AKBより遥かに爽やかでソリッドである。

原節子は母親といっても、聖母マリア風。
かつて誰か男性と夫婦であったというような生活臭がまるでない。
母役をやるにしても、未亡人という設定以外に考えられない存在だ。
彼女は、すでに本物の偶像に近づきつつある。
どこぞの如来像を観る気分に浸ってしまうではないか、、、。
小津映画自体が、名勝を訪れ、静かな時間を楽しむ感覚に似ているがこの作品も例外ではない。
笠智衆と原節子はいつでもお寺の本堂にいる如来像みたいである。
(屋久島の杉みたいな植物性が匂う)。


ふと木陰に吹いてくる清らかな風の心地よさ、、、を想う、、、。
わたしは、お寺の庭が好きだ。


つくづく感じるのは、この監督(脚本含)特有のセリフである。
すでにこの世の語りでは、ない。

笠智衆のあの喋りにわたしは中毒的に魅了されていたのだが、今回はオヤジトリオがそのセリフを垂れている。
いちいち真正面から、例の特異なセリフで迫られては、ほとんど恍惚となってしまう。
カラーであっても、変わらずにシュールだ。
極めてシュールレアリスティカルな映画である。
癖になる、依存性の高い清められた何か、だ。








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