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エリジウム

Elysium.jpg

Elysium
2013年アメリカ映画
ニール・ブロムカンプ監督・脚本
マット・デイモン、劣悪な職場環境で多量の放射線を浴び余命5日と診断され、その治療の為、「エリジウム」に不法侵入を試みるマックス・ダ・コスタ。(この余命という設定は次作「チャッピー」にも引き継がれる)。
ジョディ・フォスター、「エリジウム」の冷徹なる実質的支配者ジェシカ・デラコート。
シャールト・コプリー、冷酷非道なデラコート直属の傭兵クルーガー。
ヴァグネル・モーラ、「エリジウム」への密航を取り仕切る闇商人スパイダー。

ここでも、ニール・ブロムカンプのディテールをとことん突き詰めたメカが次々に画面を飛び回り覆い隠してゆく。
彼の映画が常にリアリティを高水準に保っているのも、この点が大きな要因だ。
銃器も多彩である。何故か日本刀と手裏剣まで出た。
また、得意のロボット「ドロイド」や「エクソスケルトン」という強化外骨格などデザインが振るっている。
(甲殻機動隊の匂いプンプンだと思ったら、監督は士郎正宗のファンであると。納得。)
「第9地区」同様に「変身」身体の異化ー変容も重要なテーマとして盛り込むことを忘れていない。
荒涼とした地上を砂埃を上げ突っ走るギャングの車が日産GTRであることには、複雑な思いだ。
日本では普通に高級車であるが。
目一杯ダークなGTRであった。
地上のメカはどれも酷く傷んで汚れていた。


衛星軌道上に建造された「エリジウム」というスペースコロニーに裕福な人だけで暮らしている。
彼らは病気や怪我から無縁の生活を楽しんでいた。
それが、地球に残された貧困に喘ぐ人々の最大の憧れである。
上空に見える「エリジウム」は、とても美しい。
貧しい少年だったマックスも例に漏れず上空に浮かぶ理想郷に行くことを願っていた。
しかし、彼を見守るシスターは、この地上も向こうから見れば美しいのだと教える。

富裕層の支配する巨大企業による徹底した搾取により、環境汚染され物資も設備にも乏しい地上で健康に生きることは、ほtんど不可能だ。
また富裕層と貧民層の両極は現統治システム下では、完全固定状態である。
しかも地上の管理体制は家畜を扱うより非道で徹底している。
(マイナンバー制も結構、危ない)。

凄まじい格差社会である。
この光景は、デジャヴュに他ならない。
SF作品に描かれる未来の平民?の姿はいつも恐ろしく荒んだ貧しいものだ。
われわれの共通の未来の記憶か。
このユートピアとデストピア。
いつの世にも夢想される天国と地獄。

既得権を自分たちの子孫のためだけに、手段を選ばず断固守り抜こうとする、ジェシカ・デラコート。
飛んでもなく強い極悪人クルーガーは、クーデターを起こしコロニーを統治しようとしたジェシカを殺し自分の支配下に置こうとする。
スパイダーは、富を得る為エリジウムの人間の脳データをマックスに奪わせる。しかしそのデータが地上の人々の解放に繋がることを認識し、使命感に芽生える。
誰よりも生きたいと願っていたマックスは自らの死と引換えに(データリブートには、データ送信側の死が条件であった)、エレジウムをリブートさせ、地上の人々(ここではどれくらいの規模か?)をエレジウムに市民登録する。
彼にこう決意させたのは、幼馴染の女性と不治の病に苦しむその娘をどうしても救いたかったからであろう。
その直接性がなければ、生きたい欲動を葬り去り、急に博愛に目覚めることはまず、ない。

地球に送られた医療ポッドに人々が群がってゆく。
確かに貧困の国では医療と食料が一番の課題(教育もであるが)となっているこの光景には説得力がある。

それにしても、昔シスターから貰った青い地球の写されたペンダントを見つめて憧れだったエリジウムに死ぬマックスのエンディングシーンは切ない。




マット・デイモンとジョディ・フォスターという豪華なハリウッドスターを起用しているところが、「第9地区」よりメジャー感というか大作の雰囲気が高まっている。
シャールト・コプリーは前作では、ひ弱で繊細な主人公であったが、ここでは最凶の悪漢を見事に演じている。
役者として器用なところを遺憾無く発揮していた。

ジョディ・フォスターが非道な役であることが、GTRの扱われ方より、抵抗を感じたことも付け加えておきたい。

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