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イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

The Imitation Game

The Imitation Game

アラン・チューリングの論文名からとっているようだ。

2014年
イギリス・アメリカ制作

モルテン・ティルドゥム監督
アンドリュー・ホッジス『Alan Turing: The Enigma』を下敷きにグレアム・ムーアの脚本による

長い邦題だ。
「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
手堅い説明文だ。

ベネディクト・カンバーバッチ 、、、アラン・チューリング
キーラ・ナイトレイ 、、、ジョーン・クラーク
マシュー・グード 、、、ヒュー・アレグザンダー
ロリー・キニア 、、、ロバート・ノック刑事
アレン・リーチ 、、、ジョン・ケアンクロス
マシュー・ビアード 、、、ピーター・ヒルトン
チャールズ・ダンス 、、、デニストン中佐
マーク・ストロング 、、、スチュアート・ミンギス


チューリング・マシーンの発明者、天才アラン・チューリング博士の半生を描く。
主演のベネディクト・カンバーバッチの役作りは真に迫るものであった。
アスベルガー症候群の雰囲気もよく出ていた。
キーラ・ナイトレイの演じる数学者も大変器の大きい魅力ある役柄であった。

物語は、現在と少年時代の寄宿舎生活、独暗号生成マシン「エニグマ」解読チームにおいてチューリングマシンを発明する過程の3つの時間の流れを交錯させ丁寧に練り上げてゆく。
少年時代のあまりに大切な存在の喪失が根底にあったか、彼は同性愛者としも迫害を受ける。
最期には青酸カリを塗ったりんごを食べて自殺する。
41歳であった。

しかし、彼は同性愛に対する迫害を苦に命を絶ったのではなく、愛する親友クリストファーの代わりがやはりいないことへの絶望であったであろう。単に同性愛者であれば、そこも理解して暖かく包み込んでくれる聡明なジョーン(キーラ)と結婚生活も充分に送れたはずだ。現代であれば、ミッシェル・フーコーみたいに堂々と研究生活を送ることができたが、チューリングの場合はどんな環境があったとしても、絶望と孤独は免れなかったと思われる。男というより、夭逝したクリストファーであったのだ。
彼は自分の心血を注いだマシンに「クリストファー」と名づけた。
確かに「クリストファー」は途轍もない進化を今も続けている。
しかし、その思考形体は人間のそれではない。

チューリングが不器用ながら、仲間に歩み寄り、彼らも彼を理解はしきれないが受容し、軍部の無理解や時間との格闘を経てコンピュータの原型を作りあげるドラマは、それは稠密な描写で説得力も言うことない。
しかし、そのハードを有効に使いこなせたのは、彼にインスピレーションをくれ、彼の思考の動きを直ぐに察知できる優秀な仲間との共同作業による賜物ものだ。
ハードができても、それを動かすアルゴリズムが肝心である。
そのヒントが、必ずしも仲が良いとは言えない精鋭仲間と呑んでいるときフト舞い降りてきた。
そのチャンスを逃さないところが、才能であるが、アルゴリズムを見出したところで、彼らは勝利した。

連合軍がドイツに勝てたのは、彼らのおかげと言っても過言ではなかった。
終戦を早めて何千万の人命を救ったとも言われる。
しかし、その立役者の天才が、同性愛ということで罰せられる。
彼の晩年は不遇であった。
(昨日観たジャンヌ・ダルクみたいに)。

ジョーンは、投獄は免れたがホルモン療法(化学的去勢)を続けさせられ心身ともに衰弱したチューリングを何とか励ましたいと願う。
「誰も想像しないような人物が、誰にも想像できない偉業をなしとげる。あなたが普通じゃないから、世界はこんなにもすばらしい。」
前半の言葉は、クリストファーが生前にチューリングに言った言葉である。
彼は涙ぐむ。
彼はかつてジョーンを突き放したが、彼女の身の安全を願ったためであり、彼は彼女を愛していた事は間違いない。
しかし、彼は救われたのか?
いや、彼のクリストファーは、永遠に戻らない。


彼のようなヒトは、どのような時代に生まれても孤独であろう。
「ビューティフル・マインド」のジョン・ナッシュ氏の方がその点では、遥かに救われている。少なくとも穏やかな人生を送っていた。


アップルコーポレーションの「りんごマーク」は、アラン・チューリングがひと噛みした「りんご」だそうである。
そんな重みがあったことは知らなかった。

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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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