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図鑑の博物誌より

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わざわざ、そこそこの書物を書店に見に行くより、この時期は昔の名著を振り返りたいと思います。少なくとも昼間の屋外は人類の生存できる環境とは言い難いですし。

また荒俣宏氏の博物誌関連の書籍からです。氏は動物の他に植物にも並々ならぬ深い造詣をお持ちで、この「図鑑の植物誌」も当時(85年頃)暫く眺めていた本の一つです。今でも印象に強く残っているところがあり、それを探し出すのに少し時間がかかりました。ただそのページがすぐに思い出せないというばかりでなく、見るページ見るページが面白いため、その近辺を読み読み進むと何を探していたか定かでなくなってくるのです(笑)。

その目当てのページはⅡ-09の「押し花でできた本」です。

花の詩画集で、1848年にイギリスで出版されたものです。
何と、この本は花にまつわる詩を集めた「文集」なのですが、併載する花が「絵」ではなく、つまり「描かれた花」ではなく、「本ものの花を押し花にして台紙に貼り付けた」ものなのです!当時500部限定のものです。よく荒俣氏は手に入れましたね。それもコレクターとしていつも感心するところです。

この本の巻末には、制作に当たり「述べ100人の村娘を動員して英国の郊外から多数の野草を採取させた」ということが記されており、さらに「この本の”図版”は一冊ずつ中身の質に違いがあって、良い図版を手にしたいならば、誰よりも早く書店に出かけていって、最も良好な標本を収めるものを選び出すことをお推めしたい」という忠告も添えられているとあります!

博物学全盛時にはこういう途轍もないものが結構出回っているんですね。私は荒俣氏の著作を通してこの辺の事情を知りました。何といっても驚きは、今日なおその花々が綺麗に色彩を留めているということです。

こんな本を何時でも眺めて楽しめるなんて、本当に贅沢ですね。羨ましい。労力と投資は前提としても(私は以前読んだときには、ただ当時は商業的なものを度外視したすごいものが制作されていたものだ、という驚きと憧れのようなものを感じるくらいでしたが)時間はそういうことにこそ使いたい!そうは思いませんか?われわれにとって生は何のためにあるのかを留まって考えない訳にはいきません。

真に価値を見い出せる時間を生きたいものです。

また、荒俣氏のように自分のやるべきことをひたすら進め実現していくヒトがいるということ、念頭に入れておく必要を感じました。




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