カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ラスト・キング・オブ・スコットランド

last king

The Last King of Scotland
2006
イギリス

ケヴィン・マクドナルド監督
ジャイルズ・フォーデン『スコットランドの黒い王様』原作

フォレスト・ウィテカー 、、、イディ・アミン
ジェームズ・マカヴォイ 、、、ニコラス・ギャリガン
ケリー・ワシントン 、、、ケイ・アミン
ジリアン・アンダーソン 、、、サラ・メリット
サイモン・マクバーニー 、、、ストーン


こういったカリスマとは、一体何であろうか?
恐らく人々の無意識に溶け込み、麻痺させる毒を持つ人物であろう。
パフォーマンスやプレゼンテーションは確かに多くの人々の根底に持つ欲求を代弁して高揚させ強く惹きつけるものである。
しかし、猜疑心と冷酷な支配欲、更に残虐性がそれに魔力を与える影-謎の奥行の強度を増す。
ただ単なる理論の正当性やら高潔な人格などで、熱狂的人気は得られない。
誰もがその薄っぺらさに辟易するだけだ。
魅力は魔力でもある。
天使は悪魔でもある。

その両極性の厚みがカリスマを作るのかも知れない。
アミンは民衆の支持を得る為に調子の良い嘘を言い、権力を握って徐に本性を出したのではないはず。
そんなものに騙されるほど人々は愚かではない。
初めから凄まじく大きな振幅を魅せる心性をもった男なのだ。
多分、平常時に逢った時など、魅了されてしまうような人格であるはずだ。
しかし、同時に30万人もの同胞の虐殺を命じてきた。
権力という座も魔力を増長させることがわかる。

この物語は、アミンが独裁をしいたウガンダの情勢とアミンと言う人間を、スコットランドから軽い気持ちでやって来た大学出たての医者ニコラスの目を通して描いている大変リアルなものである。
ここにはイギリスの影(政商)も常にちらつく。
アミンを利用し、政権を彼がとってからは、邪魔になってきた。
実際、アミンには政敵が多い。
常に命は狙われている。
多くの独裁者がそうであるように、彼も相当追い込まれ精神が参ってしまうことが少なくなかったはずだ。

そこに思慮を欠いた、軽薄な(根拠のない優越感をもった)医者がやってきた。
アミンがイギリス人ではない、容易く感化できる他国の医者を側近に求めるのは分かる。
イギリスは勿論、同胞にも気は許せない状況だ。

新米の医者が権力の中枢に、あっという間に取り込まれる。
彼は自分が担当していた村を見捨て、権威の魅力に惹かれあっさり求めに応じ、アミンの主治医となる。
しかし、ニコラスは現在ウガンダがどういう情勢か、イギリスの暗躍、アミンの敵対勢力、アミンの複雑な人格の分析など全くせず、スコットランドからやって来た部外者の立場で、アミンの権力下で取り敢えず、自由気ままな特権的な生活を送っている危うさに気づかない。(プライドからイギリスに対する敵対心は抱いているが)。

ニコラスは、国のために忠実に尽くしてきた大臣にアミンが嫌疑をかけるような彼の言動により、大臣を処刑させることに繋がった件をどれだけ重く受け止めたのか?
反発していた英の政商に助けを求める。しかし、もはや全く相手にされない。
そして、最初に赴任した村での経験を生かせず、こともあろうに暴君の妻の1人を誘惑してしまった。
しかも子供までできてしまう。
そこから、スコットランドから自分探しの旅気分でやって来たニコラスの目の覚める転落となってゆく。
大概のことは許されていたが、これは逆鱗に触れる。
当然のようにその女は見せしめに虐殺される。
それに単純に腹を立て、彼はアミンに頭痛薬として毒薬の入った瓶を渡してしまう。
ダメ押しである。側近は直ぐに訝り見破る。

これでただで済まされるはずがない。
しかし、元主治医の犠牲的救出により、命は救われハイジャック被害に遭った人々に紛れて逃げることに成功する。
(助けた医者はニコラスを庇い銃殺される)。


アミンの捕らえられた彼にかけた言葉が、当たっている。
確かに彼は正しい事を言う男だ。
「「情けない。お前は何か一つでも有意義なことをしたか?」「すべてお遊びだったのか?」
「アフリカに行って、“僕は白人、お前らは現地人”というゲームでもしようということか?」
「我々はゲームじゃないんだ、ニコラス。我々は人間だ。この部屋も現実だ。お前にとっては死がたぶん初めての現実の体験になるだろうが。」

「お前は殺されて当然の男だが、生きてこの憎悪に塗れたこのウガンダという国を世界に知らしめてくれ。」
元主治医が彼を助けるとき語った言葉である。


多くの人間を犠牲にしてチャラ男は母国に帰っていった。






関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

*当サイトはリンクフリーです。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Movie
PC