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リターナー

returner.jpg

”Returner”
2002年度日本映画。
山崎貴監督。
レニー・クラヴィッツが音楽。


美味しい炭酸飲料を飲んだときのスッキリ感と言えば良いか。
様々な映画のエッセンスをオマージュとして取り込み、しっかりまとまったエンターテイメントに仕上げている。
フィフス・エレメントチャーリーとチョコレート工場などと同様に監督の趣味がたっぷり活きている)。
伏線も判りやすく張られており、ストーリー展開、演出・美術・VFXともによく練られたもので、裂け目は感じられなかった。

役者たちも、思いっきり生き生きと演じていた印象が残る。
金城武(宮本)のロングコートのアクションは、典型的スタイルであるが、小気味良くキマっていた。
鈴木杏(ミリ)の中性的な凛とした魅力は、あの時期だけ出せるもので、大変貴重なモニュメンタルな意味を持つ。
樹木希林(謎の情報屋)は、流石に年輪を思わせる、いざとなったら頼れる存在感に満ちている。
岸谷五朗(溝口)は、暴力と金による支配しか考えない凶悪なチャイナマフィアの人格が完全に乗り移っていた。

小道具のアイデアとその使い方もよく考えられており、アクションシーンの中に効果的に組み込まれている。
全体に流れに淀みがなく、エンディングまで気持ちよくハラハラしながら持って行かれたのは久しぶりである。
しかし、見終わってからちょっと疑問の湧くところも少し。


まず異星人の侵略を装った墜落ということで、最初の1体が忍び込んだというミリの認識であったが、世界各地で起きているナレーターの口を借りて発せられているメッセージと、ミリと宮本が目にした子供の宇宙人が「故郷に帰りたい」とその映像と共に訴えてきたことを結びつけ、謎の情報屋が単に迷子になった子供を我々に返してくれという要求に相違ない、と洞察する。
その説得力に対し、ミリも宮本も認識を変え、作戦の目的を子供の救助に変更する。
そもそも何故、ミリは異星人ダグラの最初の1体を抹殺すれば、その後の彼らの襲撃はないと確信して来たのか?
その目的の根拠が示されなかった。早いうちから、その1体は彼らに返すという目的に修正されたため、どうでもよくなってしまっのたが。

もうひとつそれに関連して、あれだけの科学力をもった宇宙人が、何故子供を探す術がないのか不思議である。
事実上、子供が自分の乗ってきた宇宙船から母艦に居場所を伝えたのだが。
今の子でもGPSのガジェット(多くはスマートフォンの装備だが)を身につけている。
ワープして他の銀河から来たはずの知的生命体にしては、バランス上疑問は残る。
レーダーにも捉えられない形で不時着もしたはずだ。

更に、ドラマ的には最も盛り上がる、エンディングのミリの消える場面である。
時間を扱ったSFで、あれほど切ないものは、そうはないと思われる秀逸なところでもあった。
(今少し感情を抑えた演技の方が、より効果的であった気はするが)。
完全に過去を書き換えたのだから、その時点でミリの存在は消え失せる。
まさにそうだろう、素晴らしく悲しい別れだ、としみじみ納得した。
のだが、その後もう一度、宮本が寝ているうちにそっとコートに防弾プレートを忍ばせる為にこの時制にやって来る。(2日前ということか?)その時、彼女は宮本を愛おしそうに眺めてから立ち去る。
しかし未来が書き換えられた時点で、あのミリは存在しない。
ミリと宮本を繋ぐコンテクストは、すでに消滅している。(初めからない事である)。
そこをどのようにして接続を果たしたのか、その経緯(シーン)が少しでも具体的に示されていれば、スッキリするのだが。
恐らく彼が操るバイクの後ろで、きっと宮本がピンチの時、助けに来るから、と語っていることから何らかの手を打っていたのだろうが、、、。明らかに説明不足である。


最後に現れる擬態宇宙船はなかなかメカ好きの心をくすぐる代物であった。
あの飛行機は、大分早い時点で空を飛んでいたように思う。
医学も大変発達しているようで、瀕死の子供がすぐに元気を回復した。
いずれにせよ、子供の命が救われたことで、戦争は始まらず彼らによる地球人の絶滅は回避されたわけだ。
無事、引渡しが成功したことは、人類にとっては大変大きなジョブであった。
ミリはノーベル平和賞をいくつ貰っても不思議はない。
しかし大きなミスひとつ。宮本が死んでいる写真(未来で検索されたデータであろうが)落としていってはならない。
いかなる物も、過去に置き忘れてはならないことは鉄則である。(サウンド・オブ・サンダー


とてもスタイリッシュな見応えのある日本SF映画であった。
最初と最後にかかるレニーの曲は金城のBGMにぴったりの曲想であった。

もう、13年も経ってしまったのだから、まず無理であろうが、ミリと宮本の繋がりが保持されているのであれば、出来れば”2”も見たいものだ。
ただ、鈴木杏が変わってしまっているのが残念である。(金城もガキとは呼べない)。
彼女には成長に見合った物語で、今後も頑張ってもらいたい。


体調を崩し、どうにもならない。
昨日は最悪で、寝込んでしまった。

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GOMA28

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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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