カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

アンジェラ  Angel-A

Angel-A01.jpg
リックベンソン監督。2005年。
モノクロ映画。

主演はリー・ラスムッセン(天使)とジャメル・ドゥブーズ(ヘタレ)。
彼女は、デンマークのスーパーモデル~女優~映画監督と歩んでいる。
彼は、フランスの小柄なコメディアンで片腕が不自由である。

映像が美しい。
パリの街と天使がとりわけ。
Angel-A02.jpg

マフィアから金を借りて、借金まみれで命を狙われている男。
如何にも騙されやすく利用されては、粗末に扱われるタイプ。
金策の見込みはなく、身を守る術もない。
嘘で誤魔化し自分を欺いて生きるのも、もう限界。
橋から身を投げるしかない。

そしたら、すぐ隣の欄干から自分と同じように飛び込もうとしている金髪の長身美女がいるではないか、、、。
ここから、ほとんど日本昔話と同等のお伽話の始まり始まり。

その男が川に飛び込もうとする間もなく、その女性が先に飛び込んでしまったではないか、、、
彼は死ぬことも忘れて救助で飛び込み、彼女を抱えて岸にあがる。
男を見下ろす背丈の美女は、あなたの言うことは何でもきく、と言う。

あなたは、内面はとても綺麗で優しい。
嘘で塗り固めず、自分に対峙し素直になりなさい、と何度も熱く語る。
(その熱さは松岡修造レベルである)。
しかしもうとっくに、自分を見捨てている男には、なかなか通じない。
しかも窮地にあり、自分を内省する余裕などあったもんじゃない。

Angel-A03.jpg
そこで彼女は、彼の抱えている借金を超人的なやり方で、帳消しにしてしまう。
圧倒されている彼に対し、自分の感じたことを安心して口に出していいのだ、と説く。
だが、彼の小心さと意固地は容易く変えられるものではない。
ここに至って彼女は、禁じられている自分の素性を打ち明けることにする。

わたしは、天使であり、役目を果たすために天上から遣わされてきた、と。
勿論、話だけでは納得できない彼の目の前で、超自然的な有り得ないことをやってみせる。(反エントロピー現象等)。
男はたまげるが、これまでの経緯からも彼女の言うことを信じるしかないと、悟る。

Angel-A04.jpg
鏡を前にして自分(と彼女)の顔をしっかり見ながら、映っている顔をどう思うかと彼女は迫る。
私を愛しているか?
彼は、応える。愛していると。初めてあった瞬間から、と素直に。
自分を同じように愛せるか?
自分の外見を嫌う彼に、これまであなたのために一生懸命働いてくれた身体を愛してあげてと優しく語りかける。
戸惑いつつも彼は、自らに向けて愛おしさを認めることが出来る。

高級ホテルから見渡すパリの夜景の美しさを堪能する男。
これまで、そんな風景を見たことが無かったことを深く実感する。
自分をはっきり見出した瞬間であった。
彼は彼女の存在を得て自分の真実を語る勇気を見出す。

彼女の超人的な力も借り、男はマフィアの親分に言いたいことを全て吐露し、相手を屈服させることに成功する。
これで、おれは自由だ!その喜びを噛み締める。
初めて自分の思うことを成し遂げた、と男は意気揚々と帰ろうとすると彼女がいない。
わたしは、やはりここで消えるかと納得しかけたのだが、彼は大股で歩き去る彼女に橋で追いついてしまう。
(彼女は役目を果たし、羽を広げて飛んでゆくのではなかったのか?何で歩いてるんだ?)

すでに天使の方が、人格を持ち始めてしまっていた。
彼は泣きながら天に帰らなければならないという彼女を一緒に生きようと、熱く引き止める。
おれの目を見ろ、自分に素直になれと、今度は立場が逆転する。
取り乱していた天使であったが、目つきが急に変わり羽を大きく広げて天に向け飛び立つ。
(少し天使が人間化し過ぎて興ざめになったところで、何とか無事に天に帰るか、と安堵したのだが、、、)

男は何と天使の脚にしがみつき、バンジージャンプでも高すぎるところまで舞ったかと思ったら天使ともども川に落下してしまう。
丁度、出会いの時みたいに。
男がまた一人となってエンドロールか、と期待したら、間をもたせて天使も水から上がってきたではないか、、、。
これからどうするのか、と思いきや天使の背中にはもう羽がない。
それに気づいた彼女は晴れやかに笑う。
彼女も不自由な「天使」から解かれ、自由の身になったのだ。

非常にシンプルなラブコメディーだったのだということを知った。



考えてみれば、リックベンソンの映画に出てくるヒロインは皆、フラジャイルな超人ばかりである。


関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

*当サイトはリンクフリーです。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Movie
PC