アサシン / ASSASIN アサシン
アサシン

”THE ASSASSIN
POINT OF NO RETURN ”
1993年アメリカ映画。
こんなに古かったか?
暗殺者ものを二つ観た。
まず、ニキータ(仏・1990年リック・ベンソン監督)のハリウッド・リメイク版。
ほぼ、オリジナルに忠実に作られているが、最期の決着場面だけが大きく異なる。
設定が仏・露関係から米・中東関係になっていた。しかし如何にもハリウッドという感じはしない。
Bridget Fonda主演。Gabriel Byrne(エンド・オブ・バイオレンスやエンド・オブ・デイズでのサタンは印象的)もいる。
彼らがアメリカというより、ヨーロッパ的だからか。ガブリエルはアイルランド出身だ。
死刑になるか、秘密警察組織の暗殺者として国のために働くか選択を迫られるヒロイン。(元映画は無期懲役だが)。
結局、逃げ切れず、おとなしく死ぬ気もない彼女は、組織で訓練と学習を積み、アサシンとして生まれ変わる。
しかしヤク漬けの殺人犯に更生教育ではなく、ただでいたりつくせりの寮制教育を受けさせているようなものであった。
ここでのブリジットの変貌ぶりは鮮やかで美しい。
狼に育てられた方がまし、というような凶暴な野生児からエレガントなレディに変わり、それが容貌だけでなく、内面的にも変わってしまったため、普通に自分の生を生きたいという意思が芽生えはじめる。
やはり、使う言葉が文化的になり、衣食住のリズムや質によって、意識も変わるはず。
人間になってしまう。彼女の上司(ガブリエル)も彼女に対する恋愛感情から葛藤を抱える。
一般社会に紛れ新たなIDで生活を始め、恋人もできれば普通に人間になる。
人間になれば成る程に、組織の暗殺命令はエスカレートしてゆく。
生きようとすればするほど、精神的に引き裂かれてゆく。
こうした特異な例でなくても、兎角世の中そんなもんである。
「ニキータ」はかなり重々しく、愛によってヒロインが変貌を遂げ苦悩する人間ドラマが描かれていた。
「アサシン」はスタイリッシュに堅苦しくなくスッキリ作られていた。
ガブリエルはクールで超然としているが、最後はかなり人間臭さを滲ませる好演を見せていた。
オリジナルでは、最初から彼女に対する恋愛感情を顕にしていたが、こちらはクールな素振りを見せていた。
最後に、彼は粋な計らいをする。
彼女がそれに感づきほくそ笑むところで、ホッとした。
この映画、ブリジット・フォンダとガブリエル・バーンの魅力でかなり魅せている。
それから、始末屋役のハーヴェイ・カイテルがハードボイルドを絵に描いたようで、カッコよかった。
オリジナルでは、ジャンレノだ。どちらも強烈。
この作品の方が流れに隙がなく洗練されていて、良い意味で軽ろみがあり見易かった。
ASSASIN アサシン

”One in the chamber”
2012年アメリカ映画。
こちらの邦題の方は、アサシンの前に、ASSASINが付く。紛らわしい。
ドルフ・ラングレンが凄腕のフーテンの寅さんみたいな伝説の殺し屋でひと暴れ。
相変わらずの破壊力を見せつける。
主演は、キューバ・グッティングJrで、2人の格闘シーンも見所のひとつ。
全般に銃撃戦が華々しい。
マフィア同士の抗争に、腕利き用心棒というかアサシンが雇われ、アサシン同士の戦いにもなる。
話は、よくあるヤクザ同士の縄張り争いの定番ものだが、主人公がヒロインの父親をかつて暗殺しているという設定なのだ。
だから、いつも聖書を読み何か吹っ切れずに、その娘を距離を置いて静かに見守っているという男である。
寅さんドルフは、一見イっちまった系だが、敵を始末する時は非常に厳密な作戦を冷静沈着に練ってから実行に移す。
仕事を終えた後、何発銃弾がピストルに残るかまで計算済みというプロ中のプロである。
腕っ節も強く、拳銃の腕前も凄い、キューバにとっては手強い相手だ。
こういう殺伐とした殺し合いムービーは、可憐なヒロインが花を添えるパタンが多いが、ここではヒロインよりもドルフの魅力で作品のエンターテイメント性を釣り上げている。
彼を盛り上げる演出がまた、効いている。
伝説の殺し屋ウルフときた。
それを聞いた敵組織の男は怖気づき、本当にウルフはいたのか、とかやたらにビビる。
鳴り物入りで、ご登場。
犬連れで派手な格好に暴れぶり。(彼にとっては普通だが)。
暗い主人公に対し、ドルフの陽気で豪快な立ち振る舞いがとてもチャーミングであった。
圧倒的に強いドルフと戦い、何とか勝ったキューバであったが、最後にとどめを刺さない。
そのお返しか、キューバがヒロインの彼女を人質に取られ窮地に陥ったとき、彼が助ける。
何と自分の雇い主を撃ち殺して、キューバと彼女を救ったのだ。
後に、犬連れでキューバの家をドルフが訪ね、自分を殺さなかった訳を聞くと、「依頼がなかった」と言う。
普通、自分を殺しに来た相手は、依頼がなくても殺すはずだが、、、。
戦っている最中に、こいつは殺すのが惜しいとでも思ったのだろうか。
案の定、向こうも帰り際に、一緒に組んで儲けようみたいなことを言ってポンと肩を叩きニコニコ帰ってゆく。
何と言うか、彼女も父親を殺した相手に対し、自分を庇ってくれたからといってあっさりし過ぎてはいないか。
そもそも彼のお陰で酷い目(父を奪われ、ギャングに誘拐)に遭っているのだ。
普通、絶対に許さないはずだが、、、。
とは言え、なかなか面白い映画であった。
ドルフ・ラングレンが出ていなかったら、見るに耐えないものであったろうが。

”THE ASSASSIN
POINT OF NO RETURN ”
1993年アメリカ映画。
こんなに古かったか?
暗殺者ものを二つ観た。
まず、ニキータ(仏・1990年リック・ベンソン監督)のハリウッド・リメイク版。
ほぼ、オリジナルに忠実に作られているが、最期の決着場面だけが大きく異なる。
設定が仏・露関係から米・中東関係になっていた。しかし如何にもハリウッドという感じはしない。
Bridget Fonda主演。Gabriel Byrne(エンド・オブ・バイオレンスやエンド・オブ・デイズでのサタンは印象的)もいる。
彼らがアメリカというより、ヨーロッパ的だからか。ガブリエルはアイルランド出身だ。
死刑になるか、秘密警察組織の暗殺者として国のために働くか選択を迫られるヒロイン。(元映画は無期懲役だが)。
結局、逃げ切れず、おとなしく死ぬ気もない彼女は、組織で訓練と学習を積み、アサシンとして生まれ変わる。
しかしヤク漬けの殺人犯に更生教育ではなく、ただでいたりつくせりの寮制教育を受けさせているようなものであった。
ここでのブリジットの変貌ぶりは鮮やかで美しい。
狼に育てられた方がまし、というような凶暴な野生児からエレガントなレディに変わり、それが容貌だけでなく、内面的にも変わってしまったため、普通に自分の生を生きたいという意思が芽生えはじめる。
やはり、使う言葉が文化的になり、衣食住のリズムや質によって、意識も変わるはず。
人間になってしまう。彼女の上司(ガブリエル)も彼女に対する恋愛感情から葛藤を抱える。
一般社会に紛れ新たなIDで生活を始め、恋人もできれば普通に人間になる。
人間になれば成る程に、組織の暗殺命令はエスカレートしてゆく。
生きようとすればするほど、精神的に引き裂かれてゆく。
こうした特異な例でなくても、兎角世の中そんなもんである。
「ニキータ」はかなり重々しく、愛によってヒロインが変貌を遂げ苦悩する人間ドラマが描かれていた。
「アサシン」はスタイリッシュに堅苦しくなくスッキリ作られていた。
ガブリエルはクールで超然としているが、最後はかなり人間臭さを滲ませる好演を見せていた。
オリジナルでは、最初から彼女に対する恋愛感情を顕にしていたが、こちらはクールな素振りを見せていた。
最後に、彼は粋な計らいをする。
彼女がそれに感づきほくそ笑むところで、ホッとした。
この映画、ブリジット・フォンダとガブリエル・バーンの魅力でかなり魅せている。
それから、始末屋役のハーヴェイ・カイテルがハードボイルドを絵に描いたようで、カッコよかった。
オリジナルでは、ジャンレノだ。どちらも強烈。
この作品の方が流れに隙がなく洗練されていて、良い意味で軽ろみがあり見易かった。
ASSASIN アサシン

”One in the chamber”
2012年アメリカ映画。
こちらの邦題の方は、アサシンの前に、ASSASINが付く。紛らわしい。
ドルフ・ラングレンが凄腕のフーテンの寅さんみたいな伝説の殺し屋でひと暴れ。
相変わらずの破壊力を見せつける。
主演は、キューバ・グッティングJrで、2人の格闘シーンも見所のひとつ。
全般に銃撃戦が華々しい。
マフィア同士の抗争に、腕利き用心棒というかアサシンが雇われ、アサシン同士の戦いにもなる。
話は、よくあるヤクザ同士の縄張り争いの定番ものだが、主人公がヒロインの父親をかつて暗殺しているという設定なのだ。
だから、いつも聖書を読み何か吹っ切れずに、その娘を距離を置いて静かに見守っているという男である。
寅さんドルフは、一見イっちまった系だが、敵を始末する時は非常に厳密な作戦を冷静沈着に練ってから実行に移す。
仕事を終えた後、何発銃弾がピストルに残るかまで計算済みというプロ中のプロである。
腕っ節も強く、拳銃の腕前も凄い、キューバにとっては手強い相手だ。
こういう殺伐とした殺し合いムービーは、可憐なヒロインが花を添えるパタンが多いが、ここではヒロインよりもドルフの魅力で作品のエンターテイメント性を釣り上げている。
彼を盛り上げる演出がまた、効いている。
伝説の殺し屋ウルフときた。
それを聞いた敵組織の男は怖気づき、本当にウルフはいたのか、とかやたらにビビる。
鳴り物入りで、ご登場。
犬連れで派手な格好に暴れぶり。(彼にとっては普通だが)。
暗い主人公に対し、ドルフの陽気で豪快な立ち振る舞いがとてもチャーミングであった。
圧倒的に強いドルフと戦い、何とか勝ったキューバであったが、最後にとどめを刺さない。
そのお返しか、キューバがヒロインの彼女を人質に取られ窮地に陥ったとき、彼が助ける。
何と自分の雇い主を撃ち殺して、キューバと彼女を救ったのだ。
後に、犬連れでキューバの家をドルフが訪ね、自分を殺さなかった訳を聞くと、「依頼がなかった」と言う。
普通、自分を殺しに来た相手は、依頼がなくても殺すはずだが、、、。
戦っている最中に、こいつは殺すのが惜しいとでも思ったのだろうか。
案の定、向こうも帰り際に、一緒に組んで儲けようみたいなことを言ってポンと肩を叩きニコニコ帰ってゆく。
何と言うか、彼女も父親を殺した相手に対し、自分を庇ってくれたからといってあっさりし過ぎてはいないか。
そもそも彼のお陰で酷い目(父を奪われ、ギャングに誘拐)に遭っているのだ。
普通、絶対に許さないはずだが、、、。
とは言え、なかなか面白い映画であった。
ドルフ・ラングレンが出ていなかったら、見るに耐えないものであったろうが。
- 関連記事
-
- デッドコースター Final Destination 2
- フィッシュストーリー
- アサシン / ASSASIN アサシン
- シックス・デイ
- フィールド・オブ・ドリームス