カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

ザ・フライ

fly.jpg

”The Fly ”
まず、主演の役者にギョッとする。
もう、端からその顔を見た途端、この映画が尋常なものでないことに感づく。


1986年度制作アメリカ映画。
1958年度制作された「ハエ男の恐怖」という映画のリメイクという。
デヴィッド・クローネンバーグ 監督。
ヒトがハエと遺伝子レベルで合体し、徐々に変態してゆく過程を生々しくグロテスクに物悲しく描いてゆく。
変身前から昆虫的な顔の博士の元で科学ジャーナリストの女性の見守る中、実験が進められる。
荒涼とした巣窟のような実験室兼自宅である。
(まるで昆虫の棲家のよう)。

物体のテレポートには成功しているが、まだ生き物はできない。
そこに科学者は悩んでいる。
マントヒヒで実験してみたらリバース状態で転送されてしまった?!(よくわからん?)
彼女に失敗の原因はと聞かれ「ぼくは生き物は苦手だから勉強しなけりゃ。」
と悠長なことを言っていた暫く後に、ステーキ肉で試してみると、転送後の肉の味が何と合成肉のようだと。
「そうか、肝心なのは新鮮さだ!」と閃き、コンピュータに新鮮さの概念を植え付け、生物の転送に見事成功してしまう。
古き良き時代の香るINTERFACEであるが、きっとハードウェア本体は量子コンピュータレヴェルのものであろうか。
この辺の流れには参った。

しかし、その部分を除けば、マッドサイエンティストの心理状態、意識の変化は充分納得のいく描かれ方だ。
勿論、そのビジュアル面での造形は、クローネンバーグの独壇場だ。
異形の変態を作らせたら、他を寄せ付けない匠の技を魅せつける。
説得力は半端ではない。

最初のテレポートの時に、自分の乗った装置にハエが一匹紛れ込んでしまっていた。
コンピュータはそれぞれを再現するのではなく2体を融合させてしまう。
最初は超人化して体操選手のようなことを始め、やたらに精気漲ってしまった彼だが、、、。
体には昆虫の毛が生え出し、皮膚や爪、歯などから異常がはっきり現れ始める。
分泌液が体から出始め、その液で物を溶かして食べるようになる。

美しい女性ジャーナリストは恋愛関係になったとは言え、徐々に奇怪な外見を呈してゆく彼にはついて行けなくなる。
言動も超人となって高揚を極めたかと思うと、外見の急変とともに悲観的になり後悔し始める。
最初の頃は新たな能力を身に付けた新種の生物になる、と堂々と宣言していたが、「人間に戻りたい、、、」と。
それは、そうだろう。
彼は時とともに容赦なく昆虫化してゆく。

そんな時、彼女は身篭っている事に気づく。
彼女の苦悩は新たなステージになる。
これまでは、恋人という存在に対する苦悩であったが、今度は自分に宿った生命に対するものだ。
最初は堕ろすことを躊躇う彼女であったが、もはやハエというか害虫と言ったほうが良い状態に瀕している彼に対する恐怖から、決断を下す。
しかし、それに気づいたハエ男は彼女を病院から連れ去り、何と転送装置で自分と彼女と赤ん坊の3体で融合しようと強引に迫る。
そうすれば、自分も再び人間に近づくはずって、、、そりゃ身勝手な!
藁にもすがる気持ちは理解できるが。

圧巻は、彼女の手を引っ張って装置にたどり着くまでに、ボロボロと醜く身体が剥がれ落ち、昆虫の正体が顕となってゆくところだ。
ここぞまさしく、クローネンバーグの真骨頂である!


徐々に変化してゆく目を見張る造形面ばかりに拘ってしまったが、それは同時に人間の変身(超人)願望、超脱への欲望と葛藤の見事な表現となっている。
さらにどのような形であっても、異形と化してしまった者の生きにくさも身につまされる。
形そのものが変異していなくても意識の変性(又は価値感・思想・信仰)により、普通に生きれなくなった者も同様である。
無論、完全に変態すれば意識自体が変わり、全く別世界の存在となってしまう。

そして何と言っても彼女のハエ男に対する想い-感情である。
恋愛感情も捨てきれない上に、子供まで身篭ってしまい女-母としての悲痛な心境は如何程のものか。
愛情と恐怖に引き裂かれるなか。
最後は彼を自らの手で殺してしまう事に、、、。


さて、この女性はどうなるのか、、、

「ザ・フライ2 二世誕生」という続編にどうやら引き継がれたようである。
しかし監督はクローネンバーグ ではない。

微妙である。



関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
日々思うことを綴ってゆきます。
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ることもあります。
悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

*当サイトはリンクフリーです。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QR
最新トラックバック