死霊のはらわた
これをホラーと言わずして何をホラーとするか!
凄まじいホラーであった。
「死霊の盆踊り」を見る前に観ておこうと思ってみたのが運の尽きである。
流石、古典的名作であった。
いや、そのリメイク版であった。
サムライミとあったので、それだと思ったのだが、リメイクの方であった。
TS○TAYAで借りた。わたしは、ちなみにホラーは買わない。
それは兎も角、怖いの何の!
何故こういうものをヒトは好んで見たがるのか?
確かに意外な展開とどんでん返しもあり、この映画で途中で飽きるヒトはまずいまい。
隙がなく映画としてよくできている。
というか、洗練されている。
もうこの手法ージャンルも歴史的に確立されてきているのだと感じられる。
しかし心臓に悪い。
わたしとしては、ホラーに疎い分、このスプラッター連続のシーンには参った。
思わず「イタターッ!」と言ってしまう痛さである。
(わたしは、血液検査でも注射針は見ないようにしている)。
2013年版であることから、最近のホラーとはこのような傾向を強めているのだろうか。
ショッキング映像をただ極めてゆくこの方向性はどこにいこうとするのか?
刺激をひたすら強めていって、どうするのだろう、と心配になる。
何と言うか、「フランケンシュタイン」や「狼男」、「ドラキュア」などには、ドラマがある。
クリーチャーそのものにペーソスやユーモアもあり親しみと深みを感じることが出来る。
やはり仄暗い存在の厚みがそこはかとなくあるところが救いでもある。
ここに出てきた悪霊に内面的なものは微塵も感じられない。
悪霊にそれを求めるつもりはないが、存在そのものがあまりに平坦なのである。
であるから、直接的な激しい殺戮方法の見せ場以外に要素がなくなる。
そのパタンを効果的に組み合わせ、最後にこれでもかというダメ押しを入れる。
恐らくその線で秀作はかなり作れるのではないか。
今回も、筋書きは単純である。
あるおどろおどろしい書物を見つけ、それの読めるところを読んでみたら、それが呪いの呪文であった。
呪文を唱えてしまったばっかりに、封印を解かれた悪霊が人間に憑依して操っては次々に惨劇を繰り広げてゆく。
設定もヒロインの薬物中毒を兄弟・友達で治してあげようと集まった山小屋が舞台となる。
少しは森に出るが基本的に小さな山小屋の中だけで話が展開する濃密な舞台である。
後は、効果である。
如何に恐ろしく出現し、惨たらしい殺し方をするか。
そのバリエーションである。
どのくらいストックできるか。
似たようなものでは、興醒めとなろう。
これ1本見た限りでは、充分怖く、刺激的で緊張感は緩むところがなかった。
「オリジナルはらわた」がどのようなものか知らないが、どうやらこれほどのスプラッターではないらしい。
わたしとしては、終わり少し前の、何とかめでたしという場面でエンドロールに移ってもらいたかった。
なにも、あそこまでやらなくても、というところなのだが、、、。
これがホラー映画の王道なのか?
やはり、フランケンシュタインたちまでで、充分。
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