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エド・ウッド

ed wood

エド・ウッドという監督を初めて知った。
ティム・バートンの映画なので、目に入ったのだが。
ティム・バートン=ジョニー・ディップのコンビである。
それだけで傑作であると判断できる。
安心してTS○TAYAで借りた。
(久々の散歩で、何となく立ち寄ってみたのだ)。

実際、予想以上に素晴らしい映画であった。
ジョニー・ディップの演技はここでも冴えわたっている
更に、往年の「ドラキュラ」俳優、ベラ・ルゴシ役のマーティン・ランドーの存在が圧巻であった。
アカデミー助演男優賞、その他の賞を幾つも受賞しているが、充分に頷ける。
ジョニー・ディップも主演男優賞を貰って全くおかしくない怪演であったが。

エド・ウッドなる監督は、巷ではZ級映画監督として評価されてしまっている。
おそらくティム・バートンがこの作品の中で忠実に再現しているエドの映画を垣間見れば成る程と思う。
(今時、高校生でもずっと映画らしい映画を撮る。「霧島部活辞めるってよ」の映画部でも)。
しかし、エド・ウッドのファンが映画監督に多いことは注目に値する。
ティム・バートン、ジョン・ウォーターズ、デヴィッド・リンチ、サム・ライミ、クエンティン・タランティーノ、、、
そうそうたる面々である。

ここで描かれるエド・ウッドはひとことで言えば、実に「チャーミング」である。
よく名作は監督名を知らなくとも、その作品のみで生き続けるものだ。
しかしエドの作品は監督としての彼あってのもので、常に彼と作品とのセットで認知されるものであろう。
映画作品としては全く目が出なかったとは言え、彼という存在そのものが作品化して、先のような監督に多大な影響を与えたのである。
映画が好きでたまらず、常に前向きで情熱を失わず、叩かれ強く楽観的に突き進む爽やかなパーソナリティである。
おまけに女装癖があり、アンゴラのセーターに殊の他愛着を示す。
ゴシックホラーの名俳優ベラ・ルゴシに対する献身と崇敬する姿は、彼の志と優しさをよく表している。
ベラ・ルゴシは亡くなるまでの最後の人生をエドと親密に送っている。
彼は優れた映画は残せなかったが、優れた映画を制作する人材を生み出すことに貢献したのだ。
そうでなければ、誰がわざわざこれほどの労作をオマージュとして彼に捧げるだろう?
この作品によって、エド・ウッドの知名度は飛躍的に高まり、多くのカルトファンを獲得しているという。
TVの深夜番組帯でも繰り返し放送され、「映画史上最低の監督」の認知度はちょっとした監督?より上であろう。

それにしても、この映画に出てくる人々は皆凄い。
エド・ウッドは、とんでもない早撮りで、4日位で1本撮ってしまう。
彼は全てのシーン撮りを、どんな出来でも1テイクで済ませ、「完璧だ!」と納得する。
細部には全く頓着しない。
矛盾にも気づかない。流れや構成には関心がない。
編集において、背景が突然違っていたり、昼と夜、内部と外が入れ替わっていようが、観客はそんなことは気にしない、と構わず繋げてしまう。
彼曰く、「細かい事より全体こそが問題なのだ!」
その監督の指示をそのまま受け取り、黙々と作業をこなしてゆくスタッフも凄い。
ずっと彼を信じてついて行き、何作もそのスタイルで制作を続けているのだ。
しかもみんなが出来た作品を傑作だと喜んでいる。
女装に対しても何一つ意見も挟まず、「女のまま」マイクロフォンを握っていてもそのまま容認している。
途轍もない共同体である。

そして常に資金繰りに苦慮している。
どの作品も言うまでもなく興業的には散々であるからだ。
エドは生涯赤貧に喘ぎ、アル中で54歳の若さで没した。
これは、少し辛い。
彼は画家で言えば素朴派、ナイーブ派に当たろうか?
遠くのものが大きくても、指が結果的に6本となろうとも、構図がどうでも全体の雰囲気が気に入ればよい。

わたしは、これまで如何にディテールが細やかに描き尽くされているかに拘って映画を観てきた。
また全体の構成と流れに醍醐味を味わってきた。
しかしこの見方では、彼の作品はまともに見ることは出来ないようだ。
1度見てみたいが、邦題が「死霊の盆踊り」などとついているものもある。
いくらなんでも、アメリカ映画に盆踊りはあるまい、ふざけているのか、とも思ったがまさにベストな邦題であるという意見がみつかる。

やはり見るからには覚悟が必要のようだ。



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