フィフス・エレメント

Le Cinquième élément The Fifth Element
フランス=アメリカ1997年度作品
リュック・ベッソン監督・原案・脚本
ブルース・ウィリス、、、コーベン・ダラス(退役軍人、タクシー運転手)
ミラ・ジョヴォヴィッチ、、、リー・ルー(フィフス・エレメント、愛)
ゲイリー・オールドマン、、、ゾーグ(武器商人)
イアン・ホルム、、、コーネリアス神父
ブライオン・ジェームズ、、、マンロー将軍
SF映画であるが、サイエンス・ファンタジー・アクションであろうか。
リックベンソンは”サブウェイ”が印象に残っている。
ジャンジャック・ベネックスやレオン・カラックスと同様(同格)に観られる。
”ニキータ”、”レオン”は勿論、面白かった。
”ジャンヌ・ダルク”、”ルーシー”もよかった。
本作は、ルーシーに繋がるかといえば、そうでもなくかなり独自な位置にあるだろう。
とても楽しい映画であり、数々のオマージュによって成り立っている。
本作は恐らく監督にとっても特別なものであり、少年時代から温めてきた構想を一気に具体化したものであり、詰め込めるものを余さず詰め込んだ感がある。
ストーリーはあってないようなもの。かろうじて枠があればそれで良い。
テーマは何と「愛は地球を救う」である。
天・地・火・水そして5番目のエレメントが「愛」なのだ。
愛は至高の存在であるミラ・ジョヴォヴィッチそのものなのだ。(それは監督にとってか?!)
ブルースとミラの愛し合うことで、地球に突入してくる反物質を撃退することになる。
この時期、各テレビ局が長時間放送で訳のわからぬ催しをやっているが、あれをうんと豪華にお金を使って戦隊ものでやってみたらこんな風になったかも知れない。
ブルース・ウィリスとミラ・ジョヴォヴィッチ主演であり、2人とも魅力を充分に放っている。
特にブルースはそれほどひどくマッチョな感じもなく、彼の映画では1番カッコ良い主人公になっているように思う。
ミラについては、ここで人気に火がつきヴァイオ・ハザードシリーズが待っている。
他の役者でも”エイリアン”で会社の機密通りに任務を遂行させるアンドロイド役に出ていた役者が僧侶で。
”ブレードランナー”でレプリカントのレオンを演じていた彼が将軍役で出ている。
皆、何れもコミカルでお茶目な役どころである。
更にちょっと奇想天外な役者の使い方である。
人気ラジオDJであろうか。
あの役者の弾け様には、普通の人間ではとてもついて行けない。
憎めないがハイテンションすぎてアクが濃すぎる存在だ。
それから宇宙連邦Ⅰの歌姫の出で立ちと容貌は、あの悪のボスと同様に圧倒的なものがある。
衣装はJeanPaul GAULTIERである。
充分に頷ける。
あのオペラ歌手の場面は特に印象に残る。
”ディーヴァ”がエイリアン化したかのようで、元のディーヴァは実際に唱う場面がなく少し寂しかったが、ここではかなり唱ってもらい、こちらまで得した気分になった。
凶悪宇宙人は珍しいほど悪ズラをした宇宙人であり、神の宇宙人は賢そうでちょっと昆虫ぽかった。
宇宙船もどこかで見覚えのある宇宙船であり、タクシーは黄色で、まさか”タクシードライバー”か?
上空高くにある主人公の部屋に横付けにやって来る中華料理屋台船は、やはりデッカードがうどんを食った屋台を思わせる。
一番楽しかったのは、この映画を作ったリック・ベンソンであろう。
それは間違いない。
楽しかったせいかはともかく、この映画の後で、ミラ・ジョヴォヴィッチと結婚もしている。
勢いはあったはずだ。
何せ好きなものを全て放り込んだ映画だ。
究極の独りよがりだが、それを金もふんだんに使って誰もが楽しめる娯楽映画に仕立て上げている。
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