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シャイニング

shining001.jpg

閉ざされ非常に限定された場所での狂気の密度の高まりをじわじわと描いてゆく映画。

発狂してゆくジャック・ニコルソン。
恐怖に戦く妻。
不安に怯える息子。
それらの演技と舞台配色、照明、カメラワーク、音楽が厳密に絡み合う。

表情を克明に不気味に浮かび上がらせる照明の明るさ。かなりの高度から車を俯瞰し、ローアングルでひたすらカートを追い、双子までの距離を一気に詰めるこれらのカメラワーク。
どこか東洋的な響きもある刺激的な効果音。
それぞれ徐々に追い込まれてゆく内面を表す卓越した演技。
これから何かが起きる予感を徐々に煽っていく演出が定石通りになされてゆく。

白。赤。緑。を舞台に、何か伝統芸能(能のような)を観る思いがした。
計算しつくされた様式美を感じる。


映画としては面白い作品である。
しかしホラーとして、怖さを期待すると実際さほどそれを感じない。
その作りの見事さを鑑賞する、能を観るような姿勢で関わる方が良いような気がした。
「しつけ」とか「ニガーがパーティーを台無しにしにやって来る」とか、インディアンの墓の上に建てられたリゾートホテル、最後の写真の日付など、WAPSを意識させる流れもあるようであった。
これはアメリカならではである。
日本人にはいまひとつというところだ。

アル中治療後、小説新作へのプレッシャーと閉所恐怖から発狂というのも無理があり、やはりこの曰く付きホテルそのものの災厄であったと言えよう。息子のシャイニングの能力にも、行かない方が良いと引っかかっていたわけである。
呪いのホテルの管理人となったための災難という話か。

この映画でわたしが1番印象的であったことは、幽霊の出る場面がいつも通常より明るい状態であることだ。
お化け屋敷的な暗がりで、恐ろしさを演出することなく、しっかり構築された構造の上でその場面を作っていることがはっきり分かるものである。


最後のあっさり感が時代的(この映画独特)なものを感じるところである。
最近のホラーであれば、2つ3つどんでん返しを入れてくるところであろう。


奥さん役の女優はポパイのオリーブ役であったそうだが、まさにぴったりである。
これほど適任はないであろう。
息子役は素晴らしい将来性を感じたのだが、すぐに役者を辞め、科学の教員となってしまったそうだ。
何か惜しい気がする。



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