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抽象 2つの感性

真島明子氏と上条陽子氏の展覧会である。
相模原市市民ギャラリーにて。
8月8日~8月23日(水曜休館)


真島氏の作品は相模原市を拠点とする女性作家9人の作品展で、過去1度作品を観ている。
今回もその時に展示されていた、一見鳥の巣箱を思わせる作品が何点もあった。
ただ、木肌ではなく色を塗られており、台形状に角度が開かれていたり、もっと形態の分節が細かく進んでいた。
壁面全部を覆うほどの巨大な矩形作品も今回は数点見られ圧倒する存在感があった。

また、今回は床置きの作品も数点見られた。
海辺に自然に作られたように木片のブロックが弧を描いて床に並べられていたり、やはり波を防ぐ防波堤のような高さと角度を持つブロック状の作品などである。

サイズは大小様々であるが大きなものに目を奪われた。
基本的に矩形に拘わり、その枠に対して、量が横溢してゆく力を感じる。
どの作品にもスタティックなモノに潜むダイナミックな動勢を感じるものであった。
決して枠に何をか、はめ込む装飾的なものではなく、枠を絶えず押し除けようとする気配に満ちていた。

別のコーナーには、とても静謐なやはり矩形を基本としたモノトーンの作品が展示されていた。
こちらは、高級カフェなどの白壁に飾ると如何にもお洒落でぴったり合う、という感じのものであった。
(大概、カフェに飾られた絵にわれわれは落胆するものである)。


上条氏のものは、初見であるように思う。
カラードローイングと、黒地に白で形態の描かれたカードが何枚も配置・構成された平面構成、細かく切り抜かれた紙片が細胞のように寄り集まり全体を形作る大きなモノトーン作品とに分かれていた。

ドローイングについては、表現主義的な単純化した形体と色彩で空間を平面的に構成した(描いた)ものであった。
あえて言えば、デ・クーニング的な作風であるか。
「くつ」などのそっけない即物的な題のついたものであった。
別の展示スペースにはトレッシングペーパーの貼られたドローイングが展示されていた。

黒地に白の構成作品では、「弱肉強食」とか「阻害」などの不穏な題名が付けられており、文字通り生命とそれに対抗するフィギュアが混ざり合うように(浸透し合うかのように)描かれ微妙なバランスを保っていた。

1番印象的であったのは、様々な形に切り抜かれた白い小さな紙片が折り重なるように夥しい枚数で構成された作品である。
そこに部分的に紐を思わせる色鮮やかな線模様の描き込まれた黒い紙が貼られている。
全体としてみれば白黒のコントラストになるが、テクスチュアは非常に複雑で重層的なリズムを醸しており、黒地に色の配されたパートは音階を感じさせた。
この黒地に色彩の部分はスクラッチを思わせるものであり、白い切り込まれた紙片の集合体は重厚で繊細なレースを感じさせるものであった。題名は「歪み」など空間的で質的なものである。


ここのところ抽象画(作品)に触れるような生活を送っていなかったため、感覚の焦点がすぐに合わなかったが、やはりたまにはこのような抽象に目を向ける必要があることが分かった。
今回展示会に呼び出してくださった方(同僚)には深く感謝したい。


極めて短時間の鑑賞であったため、レポートするのは大変気がひけるのであるが、一応簡単な備忘録としておきたい。
まだ展示期間があるので、改めて見直したい気持ちもある。

お誘い頂いた方からの感想に、共感したことがあり、それについてひとこと。
「角、隅に集結する力も感じた。」確かにそうで真島氏の作品には前回見たときにはなかった、角に違う素材の片を配して、ここから先は何か変化(異なる流れ)が起きるというような予感を覚えるものであった。
どちらの作品にも隅やディテールを注視させる強度を感じた。
それは異なる次元を見せようとする目論見でもあろう。

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