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フランケンシュタイン

frankenstein.jpg

1931制作。
フランケンシュタインの逆襲(1957)は、味わい深く見応えのある映画であった。

また1994年制作のフランケンシュタインが最も原作に忠実で、人間的な苦悩が顕になっていたと思われる。
大変ドラマチックで迫力のある映画であった。

この古典映画の方は、格調高いが不気味な不条理さに貫かれた名作である。
ある意味、冷徹な描き方だ。
その分、リアルで普遍性がある。
そして、とんでもない怪物映画である。


「ミツバチのささやき」に繋がるあの少女との場面は、この作品世界を象徴する名シーンである。

あの少女とのやり取りに、すべてが込められる。
少女にとっては、木々も人も池も小鳥もみな同等のアニミズム的な世界の話し相手だ。
相手の名前ーIDなど関係ない。
端から相手の本質と関わってしまう。

彼には名前も言葉もない。
こころは芽生えているが、文化的なコードは身に付いていない。
身体的な認識すらない。
疑いなど微塵もない、無垢な状態で2人は邂逅してしまった。
だから言葉を介さずとも、直接やり取りできる。
だがこれほどフラジャイルな状況はない。
(いったい幼子二人で置いたらどうなるのか)
花びらの可愛らしさに魅せられた結果に過ぎない、これは悲惨な事故だ。
彼はこの結果に気づき、恐れおののく。
居た堪れなくなり、何処へでもなく逃亡する。

人々は、名付けられない(名付けようのない)存在に対し過敏であり、恐怖心に根付く攻撃性を発揮する。
彼を作った科学者フランケンシュタインですら、そうである。
「親」がそうであるのなら、彼が誰にとっても疎まれるのは必然だ。
彼に対しては殊更激しい、集団ヒステリーとも言える排斥が始まる。
人々の潜在的に蓄積された恐れと攻撃性が、彼に向けて集中する。
人々に疑問はない。


こういうことが歴史的に何度あったことだろう。
いや、日常茶飯事におきていることか。

彼は外からも内からも追い込まれる。
その恐れと苦痛を「親」に訴えようとするが、その気持ちは受け容れられない。
最初から彼は誰にも受け容れられてはいなかった厳然たる事実。
結局、風車小屋で寄って集って処刑されるのは彼だけであった。
「親」は塔から落とされたのに、ぬくぬくと生き残り、そのまた親はシャンパン片手に「フランケンシュタイン家に祝福あれ」
と上機嫌。


とんだ冷酷な怪物映画であった。



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