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ルームメイト

Single White Female

”SINGLE WHITE FEMALE”
同居人募集の常套句のひとつという。
SWFで新聞に出すことも可であるそうだ。


ブリジット・フォンダが美しくも賢い優柔不断なプログラマーを演じている。
彼女アリーは未練を残したまま彼と別れた後、寂しさを紛らわす意図もあり洒落たマンションにSWFの同居人を迎えることにする。
そこに忽然と現れるドリー(ジェニファー・ジェイソン・リー)。
随分タイプは違うが、2人は意気投合したかに見えた。

しかし最初からドリーの依存的性向は気になる。
わざとらしい、馴れ合いが目立つが。
たしかに彼女はアリーに憧れているようだ。
アリーを何から何までコピーし始める。
主体的にセンスを取り入れるとかいうレヴェルではない。
アリーになるというか一体化を図ろうとするのか。

しかもアリーに届いた郵便物を密かに隠し持っている。
アリーはさすがに気味が悪くなる。
(とは言え、アリーもドリーの私物を盗み見している。どっちもどっちだが)。
他人同士でのルームシェアはプライバシーの保証こそが肝心ではなかろうか?
友人からはすぐに追い出すことを勧められるが、決然とした態度はとれない。


アリーもドリーが引越したばかりなのに、もう彼氏との復縁を決めてしまう。
これは当初交わした、彼氏との復縁(それによってすぐに追い出されること)はない、という約束を反故にしている。
ドリーでなくても普通に頭にくるはず。
しかしドリーは表面上全くそれを表さず内面化して変貌してくる。ここから症状が顕在してくる。
アリーの独占欲を募らせるという捻れを起こして。
私がいないとダメなの、と言う思い込みも強くなり。(と言うよりそのような妄想的創作をし)
ここが怖いところだ。
すぐ激怒して捨て台詞残してさっさと出てゆく人なら心配ないのだが。

著しく内面化が進み、他者が自己を支える拠り所となってしまう性格だとこのように周囲を必ず巻き込んでいってしまう。
ここでは、あっさり殺人である。
次々に自分の幻想を壊す相手を殺害してゆく。
(ここ3日ほどそういう作品ばかりだ)。
自分が買ってきたのに自分に一向に懐かない犬から始まり。
このドリー小柄なのにやたらと喧嘩が強い。
腕力もある。
暴走し始めたら鬼に金棒である。
実際誰も止められない。


両親によると双子であった自分の片割れを幼い頃、死なせてしまったという罪悪感が拭えなかった。
そういう外傷経験にドリーはずっと囚われ続けていたという。

後半のスリリングな展開は(特に際立った驚きはないが)、かなり前のめりに見入ってしまった。
最後の最後に現れたドリー半分アリー半分を合わせた顔写真にはただ驚愕した。
そういう狂気の心象をジェニファー・ジェイソン・リーは見事に演じきっていた。

あれでは、ちょっとだれも太刀打ちできない。



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