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GOMA28

Author:GOMA28
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グリーン・マイルズ

green.jpg

これは題名そのままのようだ。
ひとまずその引っ掛かりはなしに観られる。
”グリーン・マイルズ”
牢獄から電気椅子の処刑室までの緑色のリノリウムの廊下を指すという。
(ここでは、誰もが歩む路という捉えだ)。
原作はスティーブン・キングだが、処刑した屍体が蘇って吠えまくるようなホラーではない。


ゴルゴダの丘に磔にされたイエスの生死を確かめるため脇腹を槍で突いたロンギヌスは、その血を浴びて盲目であった目が完治したという。
(恐らく槍が刺さるまでは生きていたのだろう。何故なら死体からは血飛沫は出ない。)
その奇跡に改心して彼は洗礼を受ける。
聖ロンギヌスとして後の世に教えを広めることになるのだが。
(槍は後にエヴァンゲリオンでも復活する)。

看守のポール(Tom Hanks)は、死刑囚コフィー(Michael Clarke Duncan)の最期に握った彼の掌を通し「愛を利用してヒトを殺すことが今も世界中で行われている」というメッセージを受け取る。
まさに普遍的な認識だ。
遍く権力が日夜それを実行している。

コフィーの奇跡の力でポールは尿路感染症を(所長の妻の脳腫瘍も)治してもらい、彼の力(生命力)も分け与えられる。
コフィの掌から伝えられた映像には、実際に双子の少女を惨殺したのがすぐ隣の檻にいる凶悪犯である事が伝えられていた。
ポールは既に決定された死刑囚の彼-神の子を冤罪と知りながら処刑する役目に悩み戸惑う。
神に最後の審判の時、何故神の子を殺したのかと尋ねられたら「職業だから」と答えるのか、と。

しかしコフィは由来の分からない得体の知れないちからをずっと持て余してきており、周囲の心の全てが流れ込んで来る苦痛に苛まれ、疲れ果てている。
(人々の治療にも多大なエネルギーを使うが、彼は病んでいる人を放ってはおけない)。
彼はそのまま刑の執行-死を望む。

彼には先天的に事象を制限して取り込む規制がない。
恐らく自然そのものが流れ込むこの作用が彼特有のちからを発現しているのだ。
その幼子のような危うい純粋さが周囲からは、知的な遅れに見える。
しかし認識においては自然な覚者-聖者となっている。


ポールは結局大変な長寿を授けられたが、彼はコフィーから得た「教え」をなんらかの形で生かしていたか。
ただ呑気に長生きしていたように映画では窺えるのだが。

愛に名を借りた殺戮に対し何らかの取り組みをしていたら、何年生きても足りないはず。
ここでは、イエスを殺した罪になぞるように、コフィーを殺したために永い寿命(長いグリーン・マイルズ)を歩まされる苦悩を与えられたという解釈をとっている。
このままいつまで孤独のうちに生き続けるのか、、、と。
しかし、同様に長生きさせられていたミスター・ジングルス(ネズミ)も60年ほど生きて、死ぬ。
ポールも死を望みながら、想い出のなかに埋没していく。
ただ、余生を罰としてのみ捉えて。

もう少し前向きに捉えたらどうか?
とも思う。(わたしが言うと説得力がないのだが)。
これがキリスト教的な限界だ。
これが日本人であれば、どうであろう。
余裕に任せて事業でもやって金儲けでもしているか?
やはり確かな実効意識がなければ、並外れた長生きには耐えられないであろう。


この映画も、キャストがよかった。完璧であった。
特にあの小憎らしいパーシー役は秀逸であった。


わたしは、コフィーに出会って、長生きしたい(笑。
(暇や孤独には充分耐えられるので)。



昨日は通院で更新できませんでした。
一日掛りとなるので、映画を観ているどころではありません。
これからも、たまにこういうことがあります。
宜しくお願いします。

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COMMENT

No title

濃密な作品でした。
確かにこのキャストあっての
秀逸さですね。

冤罪の恐ろしさ
理不尽、不条理・・・
極めつけは彼の最期の言葉

"I'm sorry for what I am."

受け止めきれない
哀しみが
渦巻いていました・・・。



           *


小沢さんの一件は
確かに
ひとつの構図を想起させもしました。

米国の諜報機関に限らず
要人の弱みはいつでも切れるカードとして手元にストックし
組織に不都合な動きをした者へは容赦なく
検察にリークするという
国内でもありがちな構図ですが。

>政界とマスコミの一体化も強く感じる機会でした

電通によるマスメディア支配抜きにも語れないようで(涙

>チェルノブイリを遥かに超える被害に対して何もしないということが、何を意味しているのか?

何もしないのではなく
できないのでは?
福島原発事故の惨状を収拾する技術は
現時点で世界中のどこにも存在しないということなんですよね。

事故リスク(しかも活断層上の原子炉)はもちろん
事故処理含め
そもそも
ウランを核分裂させる以上、
そこで必ずや生成されてしまう
放射性物質の無毒化手段
或いは
人が刻む時のスケールを遥かに超える
100万年という期間もの
生命環境からの隔離手段がないまま(信じられない状況で)
稼働させてきた訳ですから。

IOCでの安倍首相の
あの汚染水アンダーコントロール発言とは対極の
アウト・オブ・コントロール
”詰み”な現実が厳然とあります。

あまりと謂えばあまりの無責任さ
無自覚、無配慮、無計画・・・。
子供たちを想うにつけ
原子力は徹頭徹尾、破滅的で
救いのない最悪の問題であり
今、私たちが直面している
最も重大な社会問題のひとつに
違いないものでしょう。

>何を狙っているのか分かりません。

外務省幹部による
”日本の外交力の裏付けとして
核武装の可能性を捨てないためのプルトニウム蓄積”
といったような談話が、かつてありましたが
この、-保有能力は残し
政策としては持たないというスタンス
原子力ムラの背後にあったんですよね。

ありがとうございます

> 濃密な作品でした。
> 極めつけは彼の最期の言葉
>
> "I'm sorry for what I am."
>
太宰治とは似て全く非なる言葉ですね。
空恐ろしい純粋さを感じます。
私が彼の立場なら脱走して悪あがきします。

後始末のできない事をやる程、我々はやはり愚かなんですかね。
だとすると、他の生物に比べ怪物的に歪な系と言えますね。
間違っても高度な生物ではない。




No title

まったくです。

あまりに物質的?
自分(今)さえ良ければといったエゴイズム?
想像力の欠如と
種の保存の観点から云えば
生物の枠から逸脱してしまっていると申しますか
そこにひとの愚かさが集約されている感はありますね。

私たちは動かなければいけない
けれど同時に
拠り良い時間を重ねる努力もしなければならない

私たちは極めて難しい局面に立たされているんですね。


まずは足元をしっかり固めようと思います


> 拠り良い時間を重ねる努力もしなければならない

ここにいまのわたしは、比重がかかります。
そのためには前提として、現状認識が何より大事だと思います。
徐々に外へ。

ありがとうございます。

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