メン・イン・ブラック

「幸せのちから」のウィル・スミスを観ていたので、今回TV録画しておいた「メン・イン・ブラック」1,2,3も観てみた。
どちらにもウィル・スミスのタフさがまず際立つ。
ストーリーなどから突出してそれが印象的だ。
前者には直向きでしなやかなタフさが、後者はもう人間離れしたアニメチックなレベルのそれを感じる。
シュワルツネッガーとはまた違う柔の強靭さだが、普通のヒトなら少なくとも何度か死んでる。
後から気づいたが、これもSFというのだ。
つまり、何でもアリの映画はSFとなる。
そういうものらしい。
また、彼と組むにはトミー・リー・ジョーンズしかいないように想わせるところが凄い。
ベストタッグだ。
CMではお馴染みのエイリアンを演じている彼であるが、確かに人間離れした風格がある。
実際、ウィルと同じようなアクションをする若い俳優とのタッグでもそれなりに成り立つだろうが、彼なしでこのような奥行は出ないと想う。
トミーと組むことでストーリーに秘められた背景や奥が自然に感じられてしまう。
「メン・イン・ブラック」
”MIB”と呼ばれる組織の総称だそうである。
彼らは地球に住むエイリアンの監視を通常任務として行い、我々に対して悪意を持ち攻撃を仕掛けてくるものを撲滅する役割を秘密裏に遂行しているのだ。
であるから、メンバーはそれまでの人生は戸籍ごとリセットされる。
人々の記憶もそれはもう事件の度に、ひっきりなしに消されている。
彼らMIBは、猛獣なんてものじゃない、とんでもない悪者エイリアンとの大変タフな戦いも繰り広げてゆく。
グロテスクだがニンマリできる小ワザや仕掛けも所々に効いている。
主人公のウィルはスカウトされて、すんなり優秀な隊員として活躍してゆく。
そうでなければこのテンポは成り立たない。
トミーはこの組織の伝説的なヒーローである。
余談だが、政府や外圧をかけてくる諸外国の悪辣極まりない陰謀についてWeb上によく見かけるものである。
実際エイリアン関係も興味はあるが、政府やマスコミの隠蔽や操作そのものが改めて気になるところである。
「インターステラー」でもアメリカのアポロ計画はソ連にお金を使わせるための、全てでっち上げフィクションであったというくだりがある。
例の911さえ、アメリカの戦争でまた一儲けするための自作自演であったなどという記事も見つかる。
われわれの気づかぬところで何が密かに進められ実行されているのかは、実際攫みようがなく分からないものだ。
不自然な裂け目や痕跡が気になることはしばしばあるが、、、。
話を戻したい。
特にこの物語の前日譚も明かされる、時間軸を遡る重層的な作りの3は面白い。
かなり大胆で小気味よい出来だ。
この映画は、1~3までを独立したものではなく、ひとつの映画として観たい。
1と2を個別に観ても面白いが、いまひとつ物足りないのだ。
3を続けて観て全体としてキリッと締り、なるほどと想う。
時間的な奥行が入って物語が広がり、重みも増して完結する。
3では、若き日のトミー・リー・ジョーンズを違う役者がこなしているが、ほぼ完全に彼の芸風をコピーしており、最初は違和感を覚えるが、それがいつしか見所となっていた。
これも見事な好演だった。
(さすがにもう、トミーの年齢であのアクションは無理であろうし。上手い設定でナイスなキャスティングだといえる。)
登場人物もバラエティに富み、幅広い。
もともと様々な異星人がたっぷり出ていたが、あのように人型ばかりでなく外骨格や爬虫類(変温動物)から高度に進化した生物がいてもよいと思う。
Time Machineの利用にも上手い工夫が見られた。
あの辺はなかなかスリリングで息もつかせない。
そしてトミーとの繋がりの経緯も明かされる。
このシーンへの流れは全く想定外であり、情感をたたえる起伏があった。
トミー・リー・ジョーンズは最初と最後だけ実に味わい深い演技で現れる。
それだけで存在感十分なのだから、これも大したものである。
ウィルの表情-演技も1番深みが見られるものであった。
(2から見ると2人とも歳をとって円熟味を増しているのか)
3つ通してみると結構面白い。
(あえて言えば、3>1>2の順に面白い。しかし1,2あっての3である。)
考えたりする暇を与えないタイトな作りは流石だ。

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