グッド・ウィル・ハンティング

Good Will Hunting
1997年
アメリカ
ガス・ヴァン・サント監督
ロビン・ウィリアムズ 、、、ショーン・マクガイヤ(精神分析医)
マット・デイモン(脚本) 、、、ウィル・ハンティング(数学の天才)
ベン・アフレック 、、、チャッキー(ウィルの親友)
ステラン・スカルスガルド 、、、ランボー(数学教授)
ミニー・ドライヴァー スカイラー(ウィルの恋人)
過去は多かれ少なかれ傷として浮かび上がるものだと思う。
その才能がどれほどのものであっても、傷は錨の重みとなる。
どうにも身動き出来ない。
足掻いているように見えて、同じ円周上を堂々巡りしている。
その幾何学性に気づかないではないが、単なる知性でその重力を切断できない。
認識が過去の想起であるならば、癒えない傷は今を生きることに、いつまでも作用を及ぼし続けるだろう。
その傷を本当に治すもの。
それは、双方の過去を解体させるほどに忍耐強い愛情なのだ。
双方ともにゼロ地点に立たせてしまう過激な愛情の発動が必要となる。
自分を守っているうちは、同じ重力に囚われたままだろう。
エンドロールでひたすら走破していくおんぼろ車は恐らく、ゴダールのアルファヴァルの車みたいに、微妙に重力値の異なる別世界に行き着くことだろう。
Robin Williamsもよいが、不良の友達がたまらなく素敵だった。
今、転落してゆく若者たちに、あんな愛をもった友達がいるだろうか?
わたしには、いた気がする。
確かにいた。
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