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エンド・オブ・バイオレンス

Andie MacDowell

ヴィム・ベンダースの作品は、どれもが優れた廃墟Videoだ。
ライ・クーダーが今回も音楽を担当しているが、このサウンドが響き渡る光景はベンダース特有のものである。
ひと目で彼の映像であることが分かってしまう。
心地よい絶望的なlandscapeが広がる。

これもロスが舞台だ。

「暴力の終焉」を狙った国家規模の暴力システムを軸に物語は展開する。
このシステムはあらゆる場所の監視に留まらず、その行為自体と行為者も強制終了させる。
近い将来、Googleも危ない、、、気がしてくる。
このシステムの開発者の預かり知らないところで、その終焉システムが作動していた。
システムの動作に疑問を抱き、そのことをついに突き止めた彼は、一度だけ会ったことのある映画プロデューサーにメールでその情報を送る。

それが切っ掛けでそのプロデューサーも命を狙われることになる。
(彼を誘拐した二人組もシステム作動テストに利用されたのか?)
国家機密に触れてしまった者、それを他者に知れせてしまった者、協力を断った者すべて命を狙われる。
開発者も銃殺される。

プロデューサーから離れる妻、彼の秘書、彼を匿ったメキシコ人たちとの暫しの暮らし、暴力音楽を売りつける黒人ラッパー、女優に鞍替えを図るスタントウーマン、事件を追う若い刑事、システム開発者の元で働くメキシコ女性とその娘、密やかだが、ひと時の安寧を生きるシステム開発者とその父との関係、などが稠密に交差されて描かれる。

ベンダースの作品はスリルとサスペンス映画に陥らない。
ここには、スリルも無ければサスペンスも無い。
勿論、SFでも無い。
「存在」を脅かす不安と緊張は絶えることないが。
そして醒めた諦観。
カフカの作品を読む感覚に近い。

特に、二人のチンピラに襲われた後、メキシコ人家族のなかに主人公が身を隠して過ごす、少し長めのシーン。システムエンジニアと父との暮らし。最後のメキシコ人女性(エンジニアの下働き)とFBIの男とのやりとり。彼女の娘と主人公との空を見上げて心を通わせるシーン、、、この辺がヴィム・ベンダースらしい世界の雰囲気がとてもよく醸されていた。
わたしの印象に残るシーンである。


この映画、女優陣が個性的で誰もが際立っており、印象に残る。
またシステムエンジニアの淡々とした(しかしシステムテスト中は常に神経質で過敏である)演技はこの映画の基調を作っていた。


あの圧倒的名作である「パリ、テキサス」や「ベルリン、天使の詩」にも感じられる、深い味わいが何時までも消えない。



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