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暗くなるまで待って

Audrey Hepburn

映像技術に拘わり刺激ばかりが強い最近の映画からみると、プロットで魅せる、しっかり作りこまれたサスペンス作品だ。
オードリーヘップバーンの実質最後の作品か。
写真家の盲目の妻という難しい役どころだ。
派手な演出やアクションなどなく、ひたすら心理的なやり取りで進む。
音や匂い研ぎ澄まされた感覚での応戦。
主人公が盲目であることがこの映画のサスペンスのポイントである。
また、盲目である彼女の恐怖がこちらにも実感できる演出に工夫が凝らされている。


夫が空港で偶然、マリファナの入った人形を手渡されたことで降りかかる災い。
それを狙う悪党に対峙する、まさに思いもかけぬ事態に突然突き落とされる彼女。
聡明で健気な女性が悪党3人組と執拗な心理戦を演じることになる。
場面のほとんどが彼女のアパートの一室。
出入りしているメガネの少女一人が唯一の外部との接触のアンテナである。
オードリーは彼女を上手く協力者にする。
メガネ少女も面白がって乗ってくるが、スリリングである。
基本とても濃密な空間での息つまる展開となる。

確かに彼女は聡明であるが、次々に化けの皮が剥げてくる悪者3人に対抗できるだろうか?
自分が頼りにしていた夫の戦友として接してきた男。
刑事に扮してやってきた男。
はじめは鵜呑みにして信用していたのに。
彼らのの裏切り、その実像によるショックに、よく気丈に耐えて応戦できると感心するが、、、
主人公のあの頑張りは、夫への愛情表明のように思われた。

最後に彼女は明かりをことごとく壊して悪党に挑む。
勇敢である。
ここからがこの映画の最大の見せ所だ。
3人の男相手に盲目であることを最大限利用して一人で立ち向かう。
最後まで甘えないところに、こちらも彼女をピッタリと応援してしまう。

あの一見冷たくも思える、夫の突き放すような励ましが、彼女を窮地にあっても、あれだけ強くしたのだ。
彼の愛情の向け方は、正しかったのだ。
そう感じた。

サスペンス映画の醍醐味をたっぷり味わうことのできる作品であるが、それだけにとどまらない厚みがある。
脚本・演出・カメラワークも無駄がなく、優れているが、、、
これは、オードリーヘップバーンの役柄を深く理解した演技力によるところが大きい。
また、3人の悪者もそれぞれにしっかりした個性が生きている。


味わい深い名作である。







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COMMENT

No title

>彼の愛情の向け方は、正しかったのだ。

ほんとうに。
彼女も、けなげにそれにこたえる
聡明でひたむきな女性を好演していて
素敵な夫婦の在り方だと・・。

鑑賞者の集中力を切らさない
濃密な創りで
私的には
日常を愛する女性らしい
インテリアやキッチンアイテムも
リアルで大好きな作品です。


それでは
GOMAさま
ピーターラビットの本を持ってまっています(笑

ビアトリクスポターのですね。


> 日常を愛する女性らしい
> インテリアやキッチンアイテムも
> リアルで大好きな作品です。
恐らくこんなところ、ビアトリクスポターもそうだと思います。
saki様のようにあちらもお嬢様ですし。

捕食関係も残した不器用な人間ぽい生き物、って微妙ですね。
ところで、謎掛けが高尚過ぎて、、、
> ピーターラビットの本を持ってまっています(笑
すみません(笑

No title

済みません
深い意味はありません。
作品中のヘップバーンの科白
その1フレーズで・・
”ピーターラビット”の本を胸に待っている姿を想像すると
可愛いナって想ってしまったもので
つい、
GOMAさまを誘ってみました(笑

ですが
GOMAさまこそが高尚☆
>捕食関係も残した不器用な人間ぽい生き物
が解らなくて(涙


昨夜はメッセージありがとうございます♪

今日のエストリルクリスマスローズは
GOMAさまに贈らせてくださいね^^

ピーターラビットに出てくる動物たちです。


> 作品中のヘップバーンの科白
> その1フレーズで・・
> ”ピーターラビット”の本を胸に待っている姿を想像すると
> 可愛いナって想ってしまったもので
なるほど、ヘップバーンって、バンビ扱いはされてましたよね。
それと絡めて考えてしまいました。

> >捕食関係も残した不器用な人間ぽい生き物

出てくる微妙な存在です。
この微妙な立場に人々は魅力を感じるのではないでしょうか?
ムーミンやババールもみんな微妙ですよね。

No title

確かに。

童話系のそれ
せつないというか
複雑な思いがありますね。
東西を問わず
教訓めいたところでの
その制裁の在り方にも・・・。

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プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
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