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GOMA28

Author:GOMA28
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エデンの東

Eden.jpg
East of Eden
1955年
アメリカ

エリア・カザン監督
ジョン・スタインベック原作

ジェームズ・ディーン、、、ケイレブ(キャル)・トラスク(アダムの次男)
ジュリー・ハリス、、、アブラ(アロンの恋人)
レイモンド・マッセイ、、、アダム・トラスク(父)
ジョー・ヴァン・フリート、、、ケート(酒場主人)
リチャード・ダヴァロス、、、アロン・トラスク(長男)


以前観た覚えがないのだが、今回見て随分前に見ていた事を思い出した。

しかしはじめて観たかのように、とても新鮮な映画体験であった。

父と息子との愛憎劇のルーツでもあろう。
見応えは充分であった。
何かを踏襲しているようなものではなく、まさに元型を観た思いだ。

しかしキリスト教になぞりつつ、実際に聖書の引用もしながら進めるストーリーにわたしは然程馴染めなかった。
詳しい人はいちいち当てはめて観ていくのであろうが、わたしは特にカインとアベルを意識して見るようなことはできない。
アダムはそれとして、アブラはどうなるのか、アブラハムのことか?などと混乱してしまう。
ややこしいだけだ。と言うより精神的な実感が伴わない知識でドラマは味わえない。

それらは門外漢のわたしには分からない、としてそれらを外して単にストーリーの流れに身を任せる。

まず、ストーリーから突出してジェームスディーンという存在が際立つ。
彼の動き、演技以前の仕草、表情に次第次第に惹きつけられていく。
何か癖になるような役者だ。
唯一無二の存在であることがひしひしと分かってくる。
女優では、オードリーヘップバーンにあたるだろうか?
凄いスターだ。

そして家族の構図はよく理解できる。
さもあろう、と思う。
聖書の教理に従い正しくあろうとする善人として猛威を振るう父親。
当然彼は周囲から人格者と呼ばれ尊敬を集め、その役を全うしようとする。
影の人格の投影を母似の息子に無意識に行う。
そうしないと人格のバランスがとれない。
自分の中での切り捨てるべき人格を投影してその役を彼に全面的に負わせる。

当然、弟と正反対の役を兄に任せることになる。彼も積極的に父親に似ようと模範的人格を体現しようとする。
それにより、家は父と兄とがダメで愚かな弟を寛容に許しながら庇護してゆく構図で安定する。
母親は、夫の強力な影の役から免れるため早々に逃避している(死んだことにされて)。
心身ともに拘束されることから逃れるには、権力者からの絶対的な距離が必要である。
そのため、弟一人に過剰な役回りが課せられ、あのように繊細さや内省に欠ける極めて不安定で制御困難なfragileな人格になる。それをあそこまで巧みに演じきっているジェームスディーンには脱帽である。

アブラの役がとても微妙なのだが、登場人物の中では目立って自由な精神を保持出来ている。
子供時代に父親の非情を許す関係が築けたからだと彼女は説く。つまり父親の権力から独立した立場を得たということか。
そのため、他の人物に比べ超越的な視座でヒトに接している。
肝心の?恋人であった兄の精神的破局は弟の暴走により阻止できなかったが、常に正確な情勢把握と見通しをもっている。自分というものに忠実であろうとしている。
彼女の調停のおかげで、主人公と父親の関係が最後に修復に向かう事になる。
しかし、あの歳で無理に父親と関係性を再構築する必要があろうか?
むしろ、完全に離れたほうが健康的だと思われるのだが。
アメリカがプロテスタントであるからか?父親との膠着は日本人であるわたしには理解できない。
母親はすでに自分に似た彼の登場により完全に劣勢に立たされてしまっている。
(母親はもう彼らのネットワークには入ってしまっている)。

兄は死んだ母親が全く自分の認められない人格として生きていることを暴力的に知らされ、一気にバーストしてしまう。
実際の母親の生々しい姿に、こころの許容範囲を超えてしまった。
アブラが自分の投影(理想的母親像)に従わない存在であることを悟り不安定になって塞いでいる時に、ダメ押しの決定的一発となってしまった。
戦争に大反対であるのに、徴兵列車に自ら乗り込む兄の自殺的行為に父親も破滅的打撃を被る。
同じタイプの人間-権力者が自らの影の人格による逆襲を受け同時に破滅する。

実質これによる罪の意識で弟も潰れてしまうところであるが、アブラによる救済が働く。
父親とどう関係が築かれるかどうかより、あの場合彼の贖罪が問題である。
父が自分の世話を頼んでくれたことで、彼に植えつけられた罪の意識も課せられていた役割も消え、道なき恋愛の壁も崩れ去る。
彼の解放は、ひとえにアブラのおかげである。
今後彼らの関係においての負の役割は父と母が受け持つことになる。
兄は戻ってこないはずだ。聖書では弟を殺すがここでは兄が殺される。

きっとキャルとアブラは重荷を解かれて楽に暮らせることが予想できる。




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