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トロン ~レガシィ

tron.jpg
1966年の「ミクロの決死圏」でヒトが小さくなり潜水艇に乗り込み、脳の治療にあたる映画をかつて観たことを思い出した。同様のものに以前ここでも取り上げた「インナースペース」(1987年)もある。
NHKの教育番組にもそれに似た光景を思い浮かべるものもあった。
「人体」の中を小さくなって探索するという分かりやすいCG映像で話が進められていたはずだ。

教育番組はさて置き、冒険娯楽映画としても、人体の治療においては、人があえて小さくなる必要などあるはずなく(できたと仮定してもかえって危険で意味がない)、ナノテクノロジーを医療に応用することは大分以前から実際に研究開発が進められている。
映画においては、その荒唐無稽さに距離をおきつつ筋立ての面白さに付き合うことになるが、やはり入り込むには無理があった。

現在ナノテクノロジーの最も活発に開発の進んでいる分野はコンピュータだろうか。
今回の映画は、その回路の中、グリッドに人がデジタル還元いや変換されて入り込む話だ。
何故?何のために?
そのグリッドの中に理想郷を作ろうということらしい!?
何か絵本の中に入り込むような御伽話の感覚だ。
道具立てはサイエンスっぽく、ストーリーはユートピア幻想というファンタジーか。
共通意識の地平(パラダイム)に変に抵触するものは、感覚的に許容範囲を外れる。

生体は変換できない。還元もできない。
例えば生体は現実界にあり、意識を回路に拡張、連動するというなら、その前提で観る事は可能だろう。
だがそれはすでに既視感が充分ある。
しかし、デジタルグリッドに生体自体が閉じ込められ出てこれないというのは、無理を通して道理を引っ込めるにも無理がありすぎる。
思い込めない、と言う前に視座が定まらない。
グリッドの中でデジタルDNAによる生命体アイソーが突然現れた、とまで繰り出してくる、、、。
その前提は中吊りにしたまま、多民族間の抗争みたいに見るとあまりに陳腐で幼稚である。
プログラムがヒトの形をしていて、はぐれプログラムは闘技場で対戦をを強いられたり自殺したりする。
クルーという自分(設計したプログラマー)のコピーが反旗を翻しユーザー(ヒト)に対しプログラムたちを統制し対立せんとする、、、。
これはアナロジーではなく、ただの稚拙な擬人化に過ぎない。


となれば、大迫力・豪快な3DCGで形式的に押しまくる方法がある。
その迫真のスピード感で映像自体のチカラをもって最後まで魅せてしまう、というもの。
しかし「アバター」を観てしまった目では、その映像には深みや厚みがなく、薄っぺらさが残るばかり。
(トロン-レガシーは2010年制作。アバターは、2009年。)

ここには、かつてのアメリカ映画によく見られた「父・息子の葛藤・和解」のテーマも流れている。
もう苔の生えている図式だ。
今更、そのテーマが普遍性を持ちうるはずがない。
そんな父ー息子関係などどこにもないし共感など得られようはずもない。
つい最近「時計仕掛けのオレンジ」を観てしまっている目では、白々しささえ感じない。
ナンセンス!

「逆二乗則の破れと余剰次元」をテーマとしたらどうだろう?
小さな世界ー次元の話となる。
この世界は、小さな虫なら現実界のことととれる。
外骨格の小さな存在としてその世界を当然analogyとなるが、表現してみたらどうだろう?
これはすこぶる面白いものになり得る。(かも!?)

だれが監督をやってくれるか?
そこが問題だが。


今日はわたしのハッピーバースデイ!
ベルイマンでも観て感動したかった、、、。
もう寝ましょう。

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COMMENT

おめでとうございます☆

GOMAさま
*当日に間に合いませんで
1日遅れでごめんなさい*

お誕生日、おめでとうございます☆

GOMAさまにとられまして
この年も
幸多く
そして
素敵な作品との出会いも
いっぱいありますように!!

>「逆二乗則の破れと余剰次元」をテーマとしたらどうだろう?

GOMAさまの
芸術への造詣の深さと
類稀なる感性と
細部に沁み込むお優しさ
その才で
映画を制作されたら
きっと
必ず
あのカフカも観にゆきたくなるはずです♪




No title

一日遅れてしまいましたが、
お誕生日おめでとうございます!
この新しい一年がGOMA28さんにとって
素晴らしい日々になりますように!(^^)!

トロンは…途中で寝ちゃった覚えがございます(^◇^;)

Re: No title


> お誕生日おめでとうございます!

ありがとうございます。
今後とも宜しくお願いします。

> トロンは…途中で寝ちゃった覚えがございます(^◇^;)

トロンと寝てしまいましたか(笑。
意外に迫力なかったな、と思いました。

ヴィデオドロームは音響も手伝い、もっと眠れます。
睡眠誘発映画です(笑

また、お暇なときにどうぞいらしてください。

Re: おめでとうございます☆


> あのカフカも観にゆきたくなるはずです♪

ありがとうございます。
そう言われると、ちょっとひとりでショートフィルムでも作りたくなってしまいます(笑

SAKI様ご贔屓のヴィトゲンシュタインも映画好きでしたね。

映画の形式はあの当時、人々に非常に示唆を与えたでしょうね。

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プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
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