夏の感触の残る冷気

写真提供 井ノ上様
意識的にはまだ夏なのだが、空気の感触はもはや夏ではない、というところか。
しかし生ぬるい。
しゃきっとしない、モワッとした空気だ。
雨も降る。確かにゲリラ的に。だが傘が壊れるような目の覚めるようなシャワーではない。
わたしの子供の頃と変わったことといえば、雪が降らなくなったこと、夏が少し暑苦しくなったくらいか。
とは言え、わたしの住む土地では、よく言われる異常気象があまり実感できない。
普通の生活がひたすら続いている。
このまま未来永劫に渡って大した変化なく続くのではないか、という鈍い恐怖すら感じる日々が。
しかし変化は確実に訪れ日本を覆っている。
もう随分前に思えるが、民主党が仕分けなどというパフォーマンスをTvを通してしきりに行っていた頃、結構華々しく目立っていた女性議員が、堤防やダム建設の予算をカットしようとして、担当者の400年前には大変な水害に遭っていますという説明に対し、400年前に起きたことのために予算など組めるはずがない、そんなことがまた起きるあてもないのにと言って一刀両断にしていたのを思い出す。
わたしはその時とても違和感を持ち、この政党で大丈夫かと心細くなった覚えがある。
近年異常気象といわれ、この先何が起こるか分からない時期に、自然災害においての予算を調べもせず威勢良くカットしていく姿には、不快感を募らせた。
未だに事後処理が全く出来ずにいる原発事故ともども、ここのところの一連の災害は、ほとんどが人災だと思う。
おまけに、わたしもこころ踊らされたSTAP細胞がこのていたらくだ。
期待を持った分、ここまで落とされると、人の話をそのまま聞くのがますます難しくなってしまった。
人々の猜疑心はかなり高まったはずだ。
しかし、それでも気持ちがフッと晴れる時がある。
綺麗なものにふと触れた時だ。
美はヒトを癒す。
現実を超脱する力をくれる。
美は最高の薬だ。

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