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スヌーズレン001

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*とても短くまとめて書きます。スヌーズレンをよくご存じで、定期的に利用されている方、当方新しい知識や動向を全く持っていませんので、付け加えるべきことや、もうすでに古いことなどお教え下さい。

1.はじめに ”光と水からの気づき”

 わたしがはじめてスヌーズレンを経験したのは、11年前になります。11年前にタイムスリップします。よろしいでしょうか(笑)?

 私は促され、小ぶりの会議室といった部屋に入りました。真っ先に強い印象を受けたものは、明りを落とした空間に、細く長く延びる柔らかそうなケーブルの束のなかできらきらきらめく光でした。透明の円筒の中で沸き上がる水泡と光にも目を奪われました。

 光と水というものは人の感覚にとって基本的・原初的な要素であり、芸術作品においてもそれらを利用したものは心に深い憧憬と焦慮の念を抱かせるものが少なくありません。他のものもすべて何らかの光をそれぞれのリズムをともなって放っており、部屋全体が大小様々な光の吐息と水の呟きに満ちているという感でした。その空間はひっそりと静まり返っており、人が多かった割にすがすがしいものでした。われわれが中を進むと踏んだマットの星が音とともに光ったり、突然天井に星座が瞬きながらゆるく回転し始めたり、さらに柔らかいマット状の階段を上ってみるとそこにとても芳しい香りを運ぶ風を感じ、降りたところにはボールプールが控えていて、ドボンと入るとなんとボールからバイブレーションが感じられ、底から音楽がリズムと一緒に聴こえ体を心地よく包みます。サイドグロウというとても細長い至る所で光が明滅するグラスファイバーを体に巻きつけてうっとりする人もいます。私も試しましたが、円筒状のバブルジェットの泡を打ち眺めながらメドーサの髪みたいなファイバーに巻かれていると恍惚としてきます。イボイボのあるトンネル状の筒を抜けるととりあえずは終点でしたが、中でどのようにもコースは自分で決められ、一か所から決して全体は見渡せないため、様々な探索が可能となっていました。広くない空間でありながら暗く色々なレベルの刺激に満ちているためか、奥行きのある探索空間を静かに愉しむことができました。その後、講師の話をビデオを観ながら聞くうちに、その部屋が障害者に人工的に刺激を与え、麻痺している感覚を自分のペースでたのしみながら覚醒させるための場であることを認識しました。

 置いてあるいろいろな小物類も色形や触り心地は独特のものですが、不安を煽るようなものはなく、好奇心を刺激し、子供にとっては探求心を芽生えさせるものに思われます。それらのグッズのいくつかはかつて自分が大事に持っていた物と同じ類いのものであり、くつろごうと思って店を捜して購入した懐かしい想いを呼ぶものでした。入ってほっとする環境を作ろうとして、無意識にしかし意図的にスヌーズレンと同質の部屋作りをしていたものと言えるかも知れません。ただその時々の気分で買い、統一したコンセプトやテーマがあった分けではないため、結果的に雑多な物でごった返してしまいましたが。しかしそれらを買おうとした心的状況はある種切実であり、おろそかには出来ないものでしょう。そうしたところからスヌーズレンは知的・精神障害者だけでなく、子供から大人の健常者まで様々なレベルで広く有効な使い方や関わり方が検討できると思われました。


2.スヌーズレンの思想 ”感覚の統合”

 書物によると、スヌーズレンとは「人間のもつすべての基本感覚を刺激し、統合させ、機能させるための環境設定法」(スウェーデンのスヌーズレン)とあります。さらに詳しく述べているところでは、「人間が生まれ持つ基本的な能力、すなわち、視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚、それらとともに携わる運動感覚や認知感覚を鋭敏にするために、いろいろな方法によって設定した環境で適度の刺激を与える空間。また、受け入れる側は、それら一つ一つを楽しみながら関知し、体感し、学習し、自分のペースで自分にあった刺激を自発的に選択して受け入れ、自然な形で感覚を磨いていく空間」ということです。

 その実現のために、日常空間の一角や一般の施設・学校・病院・企業に空いた一室を用意し、そこへプロジェクターやサイドグロウ、バブルユニットなどを使った光と水を様々な形で演出していく機器とボールや布などの触感を試せるもの、バブルベッドやサウンドソファなどの振動とともに体を包むように音楽を伝えるもの、火を使わない安全なフレグランス発生機器など、五官すべてに訴えかける機器・器具を持ち込みテーマにそって設置することで、部屋がスヌーズレンを展開できる場となります。多くは利用者と介護者がペアで訪れ、あくまでも利用者の意志を尊重して、ともに体験していきます。

 感覚を統合するという意味では他にADLなどがありますが、療法士主導の療法士による療法であることに違いありません。しかし「スヌーズレンは患者自身が設置されている環境の中で自らが学習して必要とする感覚を獲得していくというもの」(スウェーデンのスヌーズレン)であり医療的な意味での結果を期待せずそのプロセスを大切にするものです。

3.デザインとしての一般化へ ”インスタレーションの文脈で”

スヌーズレンという空間について説明を受け、ある程度の概略を掴めたとき、美術とくにインスタレーションを連想し、デザインの文脈でこれを改めて捉えなおしたい要求を覚えました。現在オブジェや色などで空間を装飾し、その場の内容に相応しいものにすることはごく普通に行われていることです。美術館・博物館はもちろん図書館・公民館・病院・駅・公園・レストラン・デパートなど多くの公共の場にそれを見ることは容易であり、明確な意図と高度な構想力によって創作されているか、おざなりなものであるかレベルの差こそあれ、逆にそれが見られないところはほとんど思い当たりません。
 
 であるから一般の人が身の回りの環境を少し変えたいと思ってもさまざまなアプローチは可能です。癒しを求めるのなら、たくさんの癒し系グッズが販売されているし、部屋から外に目を向ければガーデニングなどもあり、それもかなり長期的に流行っておりノウハウも完備されています。また風水の思想により、部屋の配置、装飾をしたり間取りを考えたり都市計画を練ったりも実際に行われている例は少なくないです。歴史的にも日本では陰陽道や神仙思想をもとに平安京などの都の方角配置をしてきていることはあまりに有名です。日本特有の高度な風景のオーガニゼーションとして、寺院の石庭に限らず遠方の景色を自分の庭に借景として取り込みじっくりそれを味わい感覚を研ぎ澄ますような文化は脈々と息づいてきています。風鈴(鐸)もそのための装置の一つと言えます(彼方の山の向こうから音連れる魂を受信する器として)。
 
 これらも含めデザイン(環境デザイン)と呼べば、スヌーズレンも明らかにデザインのひとつと考えられます。特に最近の傾向では、スヌーズレンも屋外に目を向け、「舗装に変化を持たせて歩くだけで石や草や砂などの感触が楽しめるようにしたり、地面にレンガの色を変えて迷路を造ったり、壁伝いに手で触れるモザイクの絵を組み込んだり、日本庭園の要素も取り入れたりしている」(スウェーデンのスヌーズレン)といいます。これはまさに最初に直感したインスタレーションに接合して考えることが出来ます。

”スヌーズレン002”を明日、お届けします。
デザインと言ってしまっている手前、デザインとは、に遡りこちらに繋げる必要が出てきました。”インスタレーション”も含め。
明日、娘達がどれだけ早く寝てくれるかにかかってきました、、、。



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THEME:癒し・ヒーリング | GENRE:心と身体 |

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