ザ・インタープリター

The Interpreter
2005
アメリカ、イギリス、フランス
シドニー・ポラック 監督
チャールズ・ランドルフ、スコット・フランク、スティーヴン・ザイリアン 脚本
マーティン・スティルマン、ブライアン・ウォード 原案
ジェームズ・ニュートン・ハワード 音楽
ニコール・キッドマン、、、シルヴィア・ブルーム (国連通訳)
ショーン・ペン、、、トビン・ケラー (シークレットサービス)
キャサリン・キーナー、、、ドット・ウッズ (シークレットサービス)
イェスパー・クリステンセン、、、ニルス・ラッド (シークレットサービス)
イヴァン・アタル、、、フィリップ・ブレ (戦場カメラマン)
クライド・クサツ、、、リー・ウー (国連役員)
アール・キャメロン、、、エドモンド・ズワーニ (マトボ共和国大統領)
ジョージ・ハリス、、、クマン・クマン (反ズワーニ派、平和主義者)
ロバート・クロヘシー、、、キング捜査官
テリー・セルピコ、、、ルイス捜査官
デイヴィッド・ザヤス、、、チャーリー・ラッセル
シドニー・ポラック、、、ジェイ・ペティグリュー
イェスパー・クリステンセン、、、ラッド(ズワーニの警備主任)
実際に国連本部でのロケであると。
これだけしっかり国連の中身が晒されてしまって大丈夫か?
「通訳」であるニコール・キッドマンの知的な美しさの際立つ映画であった。
初っ端から撃ち捨てられたサッカー競技場で男がふたり少年兵に銃殺されるところから始まる。
彼らはその指示者を先生と呼んでいた。

アフリカの小国マトボの大統領暗殺計画を聞いてしまったことから起こるサスペンス。
大量虐殺で自国民から大変な非難を受けているこの大統領が国連で演説をする予定となっているところであった。
国連で通訳として勤務するシルヴィア・ブルームが偶然、そのマトボの大統領暗殺計画を聞いてしまった人。
それは、ホールに響くささやきであった。
シルヴィア自身、幼くして親姉妹をマトボの大統領下の体制で殺害され、(後に知るが)最近になって兄も殺されている。
この大統領に対して彼女は途轍もない憎しみを胸の底に抱いていたが、演説後に他国に逃がす予定となっていた。
彼女は「赦し」~復讐の連鎖を断ち切る理念から今の職務についていた。

始めは、このシルヴィアの訴えがそのまま受け取られない。
シークレットサービスも動き出すが、彼女自身が疑われる羽目になり、嘘発見器などにもかけられる屈辱を体験する。
だがその情報を流した後に、彼女は何者かの追跡の影に怯えることに。
実際に仮面の男に襲われシークレットサービスは彼女を24h体制で警護することになった。
しかし彼女の命が何故狙われるのか、ちょっとよく分からない。
何れにせよ、内部に彼女がこの計画を危うくしていることを知り殺し屋を彼女を向けている者がいることは分かる。
彼女は日夜を問わずシークレットサービスの警護を受けている身でありながら度々部屋を無断で抜け出す。
ずっとかつての恋人で反ズワーニの活動家のゾーラに電話~メールをし続けていたシルヴィアは、彼と行動を共にしていたフィリップと連絡がつき、また単独で抜け出し彼に会う。
そして兄サイモンと行動を共にしていたゾーラが少年兵に射殺されたことを知った。
しかしこの時はまだ兄の消息は知らされていない。だが兄の大量のノート(「死亡者リスト」のノートも含)を鞄ごと託される。

兄とゾーラに共闘を持ち込んだクマン・クマンに会うためにシルヴィアは警護されている身であるが、勝手に外に出てバスに乗る。
車内の彼と話す為だ。だがそこに彼女を狙う殺し屋ジャン・ガンバも乗っており、更に彼女の警護のため急遽乗り込んだケラーの部下もいた。彼女はゾーラの殺害と兄サイモンの消息を尋ねるが、彼は知らないが、調べさせると約束する。彼女はそれを聴いてバスを降りるが、殺し屋も後を追って降りてゆく。顔を見られて後を追えないケラーの部下は、バスに残ったことで仕掛けられた爆弾で乗客諸共死んでしまう。クマン・クマンも爆死であった。
車でバスを追っていた部下と彼女は、軽傷で助かる。
彼女の身勝手な振る舞いと部下を失ったことでケラーはシルヴィアに詰め寄り、一時は険悪になるが、その後お互いのここに至る経緯やプライベートな件にまで話が及ぶ。
そして疲れ切って眠る。
シルヴィアは、再度フィリップからの話で、サイモンもゾーラと共に少年兵に撃たれて死んだことを知らさる。
それはこの後の彼女の行動が決まる契機となった。とりもなおさず彼女の基本理念を逸脱することに。

ズワーニの歓迎ムードは街道には全くなく、同国民による彼を非難するデモとプラカードしか見当たらなかった。
国連本部に着くまでに彼は自分の置かれた状況を認識する。彼は支持者からは先生とも呼ばれていたことも分かる。
厳重体制で会場を見守るケラーたち。
そのなかを上手く手配されたスナイパーがすり抜けてゆくのだが、、、。
国連本部のトイレに隠した銃を組み立て侵入者が大統領を狙っているところに平然と訪れたのが警備主任のラッドであった。
彼はスナイパーに対しその後のこと、逃げる手配の噺をしたかと思うとすかさず彼を射殺する。
その男の銃器には弾が入っていなかった。
そこへ駆けつけたケラーがその状況からラッドの手配によるものと見抜き彼を逮捕する。
(ラッドは裁判での証言を呑む)。
丁度その頃、国に帰るとケラーに知らせて身をくらましていたシルヴィアは、保護された大統領の部屋にいた。
彼に銃を突きつけ、彼自身の著した本を読ませた。当初は彼に希望を抱き支持していたが、独裁者に変貌し国民~彼女の大切なモノを全て奪ってしまったことを強く非難する。
彼女のいる場所に気付いたケラーが駆け付け、彼女を説得して銃を降ろさせる。
暗殺騒動はズワーニの自作自演であり、この平和演説と暗殺未遂により支持率を回復しようという企みであった。
警備主任を抱き込んだ大騒動は幕を閉じる。

事件後、ズワーニ大統領は国際裁判所で裁かれることとなり、シルヴィアは国に強制送還となる。
元々彼女はアフリカに還るつもりで板のだが、今回の件で身に危険は及ばないのか心配である。
さいごまでニコール・キッドマンのクールビューティーが光った。
音楽も良い。
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