黒振り袖を着る日

柴山健次 監督
きっと忘れない:
2013
上田慎一郎 原作
上田慎一郎 柴山健次 脚本
門前亜里、
福田英史、
美紀乃、
小野孝弘、
藤本浩二、
白木あゆみ
これが一番、面白かった。
地方の警官が深夜呑んでしまった人の車を代行運転して農道を走っていると、ひとを轢いてしまう。
驚いて見ると女子高生なのだ。

妻にはうり坊を轢いてしまったと連絡し帰りが遅くなることを告げる。
誰も見ていない道であり、女子高生もこの地域の子ではない。
何処かに処分しようとするが、突然朝になりむくっと起きる。
傷一つ無く、車のフロント周りも全く損傷は無い。つまりこれは警官の幻想か?
その子は、何とこの警官が東京で刑事をやっていた時に麻薬の売人逮捕の際、ピストルの誤射で殺された男の娘であった。
(この時、正当防衛として彼は特に咎められなかったという。しかし目撃者の娘の首を絞めていたはず)。
田舎の農道を深夜走っている際にタイミングよく轢かれるトリックなど出来るはずもない。
この子は、霊なのか、警官の罪悪感による幻視なのか。
かなり明確な復讐の悪意と害意の塊である。
今度生まれる子供の名を警官の妻に向け告げさせ、それで満足して消える。
最後に警官の銃声が響く。
そらぞら:
2007
田中淳一、柴山健次 脚本

東海林愛美
加藤真弓
谷中啓太
内田愛里
納谷英樹
古守史佳
藤井寿美恵
中里文音
聖子が東京から郷里に戻ると、知恵がそこにいる。
幼馴染で歌手として東京で頑張っていたはずの彼女が何故かここにいた。
兄の葡萄園を手伝っていることを訝る。
恋人かと思うがそうでもないらしい。
歌も頼めば唄ってくれるが、、、。
或る時、自転車での坂道で酷く咳込む。
その後、彼女は病で亡くなったようだ。
今は聖子が彼女のギターを弾いている。
儚い情感を淡々と描いたものか。
黒振り袖を着る日:
2006
荒木敏子、柴山健次 脚本
金澤ゆかり
小橋川よしと
安野 遥
内田清美
神野信人
山寺正敏

これは布団屋さんの娘と酒屋の息子が結婚するまでの噺。
娘は彼氏に対して自分の気持ちが素直に出せずにずっとくよくよしていた。
布団を仕立てて欲しいというお得意さんのおばあさんの戦時中の恋人との噺に触発される。
素直になりなさい。
その一言が沁みてそのおばあさんの仕立てた黒振り袖を着て結婚式を挙げ、その後それをおばあさんの布団に仕立て直した。
布団や振り袖そして戦時中の恋の話など、日本の古い伝統と若いカップルの葛藤を絡めて描いた作品。
言わんとしていることは伝わる。

一番最初の噺が面白かったかな。
若い女優さんもよい味を出していた。
AmazonPrimeにて

- 関連記事
-
- ミセス・ハリス、パリへ行く
- ふくろう
- 黒振り袖を着る日
- トルソ
- 幸せのレシピ