プチ温泉芸者

2000
遊方仁 監督
田村みつる 脚本
牛川とこ
近藤和美
相馬茜
丘みどり
波多江清
井上真凰
松永九仁彦
時代を感じる内容であったが2000年。
年代物と言う程でも.ない。
画質はよくない。VHSビデオか、という感じ。でも面白い。

何でも3大レースクイーンの組んだ「デリシャスカプリシャス」というトリオが主演のアイドル映画だそうだ。
(何も知らず軽そうなので観てみたのだが)。
結構面白かった。持ち歌があるようで、それを宿泊客の前で3回くらい唄っていた。
気晴らしにはなる。
とても息苦しいときに観るにはよいかも知れない。

噺はバブルが弾けて不景気の波が老舗温泉旅館にも押し寄せて来て、女将であるおばあちゃんが困っている時に尋ねて来た孫が街道で拾った女の子~即席のお友達と奮闘し「カッパ温泉」を守るというもの。途中から観光協会の娘も彼女らに共感しトリオで頑張る。
レースクイーンのいで立ちで駅前で呼び込みをし、客の前では「プチ温泉芸者」となって楽しませ、客を対地上げ屋との闘いで見方に付けてゆく。
しかもその「カッパ温泉」を定宿にしている推挙な爺さんがホテル業界の大物だということが最後に分かり地上げ屋やリゾート開発会社の社長を一喝して黙らせる。
なんだよ最後に出て来ていいカッコしての定番パタン。水戸黄門か、みたいな。

地上げ屋の元暴力団組長で今は何とか興行を仕切っているオヤジは、娘が観光協会に勤めていて「カッパ温泉」を守るレースクイーントリオの一人。娘とは対立関係にある。
しかしオヤジは愛人を旅館に客として忍び込ませ、帳簿を盗ませたり情報を収集するスパイとして動かしている。
この旅館を更地にして巨大リゾートホテルの駐車場にしたあかつきには、彼女に店を持たせるという約束だ。
もうこの手のフォーマットそのものみたいな。
更に孫娘と友達になった娘とリゾート開発会社の社員は元恋人関係で、この旅館でばったり会ってびっくり。
最終的には、この旅館を共に守ることで共闘し、恋人関係が戻るというもの。
もう予定調和の何連発か?

色々途中で悩んだりビール飲んで愚痴ったりするが、全ては行くべきところに収まる。
とても安定しており、まったく心配なく観られるもの。
しかし時として、これが肝心なのだ。
色々と厄介な事案を抱えてどうにもならないような時、予定調和は心が少しだけ休まる。
単なる現実逃避ではないか、と糾弾されそうだが、実は先に見たアメリカの重苦しいオカルトサスペンスドラマで気が滅入ってしまい、こちらにスイッチしたのだ。妙な予言と殺人と悪夢と幻覚と何かに支配された幼い息子とか、、、現実の重みに更に重しを乗せられる感覚である。たまったもんじゃない。
ともかく、重苦しい変な幻覚と悪夢で押して来る映画はご免だ。実は内容もないことが多い。

トリオだけでなく、スパイとして送り込まれた2人の女性客もレースクイーンではないかしら。
皆、綺麗なお姉さんで、すんなり観ることが出来た。
しかも噺もすんなり予定調和。
いう事なし。ストレスなし。
これが大事。
暫く、これみよがし映画は避けて、こういう感じのものばかり観たい。

演技についてはギリギリアウトという感じ。
周りのベテラン俳優が支えていたというか。
AmazonPrimeにて

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