京都画報 ~ 京の和菓子

エピソード3 - 京の和菓子
「古代の宇宙人」より100倍面白い。
変な宇宙人や煩いリポーターより和服の素敵な常盤貴子が紹介する京都の方がずっといいわい。
今日は、和菓子と来た。
和菓子~
あ~ちゃんとした和菓子、ここのところ全然食べてない。

しかし食というモノはとっても大事なもので、粗末なものばかり食ってると恐らく感性がしなびると思う。
今住んでる近辺にも和菓子屋はあるにはあるが、、、。
(最近一軒は潰れた)。
煎餅しか置いてないような佇まいで入る気にならない、、、のだ。
店の風情って大事だと思う。
「とらや」の羊羹から始まる。
「とらや」って京都だったのね。やっぱり和菓子は京都か。
「夜の梅」、「玉手箱」、「虎孟けぶ」、、、見た目はもとよりネーミングも込みである。
それでまた「あがる」というもの。
そして驚き。「色差し」であるが、筆でチョンと色を乗せるのではなく、他の色の生地を馴染ませて多色を実現しているのだと、、、。
何なんだというような手の掛け方が出て来て、、、「金平糖」に極まる。

まあ食べる芸術だわ。
菓子は果物に始まり、掌の自然を具現化するのだと。
背筋を正して頂かないとという気持ちにもなる。
ともかくこれだけ手が入っていて恐ろしく潔いシンプルさに収斂しているのだ。
まあ、歴史が畳み込まれてますなあ。店構えのズッシリ感も凄い。
そうそう、どの店に行っても、皆一子相伝の何代目当主というのが出て来て蘊蓄を垂れるのだ。
(場合によっては宇宙人と遭遇する方が気楽かも)。
脈々と受け継がれてきた結果が菓子として結実しているとは言え、、、。
常盤さんもにこやかに対応しているが、ちょっと重くはないか?
その後に出て来るお菓子が絶品なので問題ないか。
完全にお菓子が勝っている。

有斐斎弘道館だったか。ここは文芸サロン、展示会にも使われるところで
「花弁餅」はもう典型だな。
そしてさらにゲストが最も思い出深いものを創作菓子にしてサプライズもしてしまう(番組用だろうが)。
常盤さん大感激。
昔乗っていた愛車をモチーフにした創作菓子だ。

何故か池坊何代目とか言う人の生け花を鑑賞する。
「有職菓子」を代々調達して来た和菓子屋だ。もう老舗感が半端でない。
水仙のすっとのびる姿を掛け軸と共に飾りその図象関係を味わう。
そこに出される創作和菓子。
これがまたシンプルだが割ると中には仄かな鶯色の餡が。
何とも上品で柔らかな甘み、、、
という事らしい。見ていてその通りだろうと思う。
最近、ホント食べてないわい。そういうの。これはいかんと思う。人間が干乾びる。暑いし。

やはり瑞々しい文芸の甘みが必要なのだ。
金平糖の専門店にその製作の見学も兼ねて訪れる。
何でも金平糖の専門店は世界でここ一軒なのだそうだ。ちゃんと後継者は育てているよね。心配になる。
ポルトガルから入って来たモノを受け継ぎ175年目らしい。
(もう本国にも作る店はなく、託されたそうである)。
信長も大ファンだったと聞く。
作るのに3週間くらいかかるという。今はワイン、日本酒、チョコ、ミルク味など多彩な味と風味のバリエーション豊富な金平糖となっているそうだ。
しかし手間暇のかかる贅沢な菓子ではある。
そしてソワレというカフェへ。
店内が「青」なのだ。古風な青い光に充ちている。とてもシック。如何にも小説などに出て来そう。
そこで常盤さんは「ゼリーポンチ」を満を持して注文した!
何でもこれまでずっと頼みたかったのに頼めなかった飲み物だそう。
感慨ひとしおという感じであったが、見た目どうなんだろう、みたいな、、、。
よく若い女子がキャーキャー言って飲んでるらしい。
(一度経験すれば気が済むタイプのモノかしら。人が飲んでるとちょっと気になるという手のモノはあるわね)。

最後に和洋折衷の和菓子屋「中谷」。
「でっち羊羹」で有名だが、奥さんが洋菓子パティシエ、旦那さんが和菓子の何代目当主なのでふたりで作っていたら自然に混ざって傑作折衷菓子がどんどん生まれて来たらしい。
「絹ごし緑茶ティラミス」はネット注文で9か月待ちとか。こりゃ店に行って食べた方が早い。
枯山水をイメージした形となっている。
他にも「栗蒸モンブラン」、「笊餅わらび」などのヒット作を生み出している。
どうなんだろう。ゼラチンと葛の相性って。恐らくその辺の融合が肝なのだろうけど。
きっとうまく折り合いをつけているのだ。でないとチグハグになろう。
ともかく、実際に食べてみないと分らない、とは言え、ネットで9か月待ちなんて、注文したこと自体忘れてる。
何か良いものを食べねば、という使命感だけは持った。
AmazonPrimeにて
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